今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、作中に登場した動物たち(ニャーコ・都会のネズミなど)とその顛末について解説します。
チェンソーマンには作中の要所要所で様々な動物たちが登場していますが、そのほとんどは基本的にチョイ役。
しかしそれらの動物たちは何故かファンの間でカルト的な人気を博し、人気投票では常に上位に進出しています。
本記事ではそんな不思議な動物たちの登場シーンと顛末について語ってまいります。
「チェンソーマン」猫(ニャーコ・チョコ)
ニャーコ~パワーの愛猫~(死亡? どうなった?)
「チェンソーマン」に登場した動物たちの中で、最も有名かつ人気が高いのが血の魔人・パワーの愛猫「ニャーコ」です。
人気投票では第1回23位、第2回19位と躍進。
この物語が始まる以前、パワーは当時痩せ細ってガリガリの状態だったニャーコと出会います。
パワーはニャーコを太らせてから食べてやろうと考え、ニャーコにエサを分け与えていたのですが、共に過ごす内にパワーはニャーコにメロメロになってしまいました。
しかしそんなある日、ニャーコは蝙蝠の悪魔に囚われてしまいます。
ニャーコを助けるためにデンジを騙し、彼の身を蝙蝠の悪魔に捧げたパワー。
ですが蝙蝠の悪魔はパワーとの約束を守ることなく、ニャーコを丸呑みしてしまいます。
最終的にデンジによって蝙蝠の悪魔は倒され、無事に救出されたニャーコ。
その後、ニャーコはパワーと共にデンジと早川家に同居するようになります。
関係者が次々死んでいく非常に危険な環境下で過ごしたニャーコでしたが、最終的に第一部を無事に生き抜き、パワー亡き後はデンジに飼われ幸せに暮らしているようです。
ちなみに早川家がアキの里帰りに行っていた間、ニャーコは岸辺の世話になっており、岸辺から「ニャンボちゃん」と呼ばれ可愛がられていました。
チョコ~自販機の辺りにいた猫~
出番が多かったニャーコとは対照的に、本当にチョイ役だったのがこの「チョコ」。
ニャーコが蝙蝠の悪魔に攫われていた際、たまたまパワーが自販機の近くで遭遇し、一瞬可愛がっただけの猫です。
パワーの猫好き、人間嫌いを表現するためだけの存在だったのですが、何故か人気投票では第1回36位、第2回68位と躍進。
ちなみに「チョコ」という名前は、Twitter上で作者の妹を自称する不審者「ながやまこはる(小学3年生)」によって明かされました。
名称不明(第二部でチェンソーマンに救われた猫)
猫と言えばもう一匹、第二部でチェンソーマンによってゴキブリの悪魔から救われた名称不明の猫。
ゴキブリの悪魔に「若者1人」と「老人5人」のトロッコ問題を仕掛けられたチェンソーマンが、どちらも見捨ててゴキブリの悪魔をぶっ殺し「ネコもいたよ」と救出したあの猫ですね。
今のところ名前も何もかも不明ですが、第3回人気投票があればその際にでも情報が開示されるんじゃないでしょうか。
「チェンソーマン」マキマの犬たち
スイートな名前の犬たち(ティラミス、シュークリーム)
物語後半に異様な存在感を発揮したのがマキマが飼っていた犬たち。
マキマは自宅に大型犬(多分、シベリアンハスキー)を多頭飼いしており、その数は8頭。
犬にはスイーツな名前が付けられているようで、今のところ「ティラミス」と「シュークリーム」の存在が確認されています。
犬たちを可愛がるマキマの不気味な可愛さと相まってか、第2回人気投票では36位と躍進しました。
第1部ラストでは、マキマの死後デンジが引き取って一緒に暮らしています。
マキマの転生体・ナユタにも非常に懐いており、このワンコたちは徹頭徹尾ただひたすら幸せそうでした。
自ら犬となる道を選んだ男・デンジ
マキマの犬と言えばもう一匹(一人?)、恐らく日本漫画史上、初めて自ら犬になりたいと宣言した主人公・デンジ。
「犬……に……なりたい」
「マキマさんの……」
アキが悲惨な死を遂げ、考えることが嫌になってしまったデンジは、犬たちの幸せそうな様子を見て、自分もマキマの犬になりたいと望んでしまいます。
(まあ、元々マキマからは公安の「犬」扱いされてましたけど)
マキマもそれを受け入れ、従順な彼女の犬となったデンジでしたが、その結果彼は残されたもう一人の家族をも失い、絶望の淵へと追いやられることとなってしまいました。
ちなみに、自ら「犬」宣言をする前からすっかり調教されており、噛む力でマキマかどうかを判別することが可能です。
「チェンソーマン」都会のネズミ
物語において、ある意味キーとなった存在がこの「都会のネズミ」です。
レゼ編で登場した動物で、元ネタはイソップ寓話の「田舎のネズミと都会のネズミ」。
田舎のネズミは安全に暮らせるけど、都会のネズミのような御馳走は食べられない。
一方で都会のネズミは御馳走は食べられるけれど、人や猫に殺される危険が高い。
何を幸せと感じるかは人それぞれ、という話ですね。
作中ではこれをテーマにデンジとレゼ、天使の悪魔とアキが話をしています。
デンジは都会のネズミ派で、レゼと天使の悪魔は田舎のネズミ派、アキは自分がどちらとも言及していません。
最終的に任務に失敗したレゼが田舎に逃亡し、平和な田舎のネズミになろうとするのですが、田舎のネズミの暮らしにも農家によって駆除されるという危険が潜んでいます。
逃亡を察知したマキマに見つかったレゼは、抵抗するも天使の悪魔による不意打ちを受けて死亡。
御馳走も平和も手に入らないという残酷な結末を迎えてしまいます。
作中で実際に都会のネズミが登場したのはこの1シーンだけ。
マキマに操られた大量の都会のネズミが、逃亡しようとしたレゼの行方を探り当てていました。
そしてレゼの死後、天使の悪魔は1匹の都会のネズミにこう問いかけます。
「ねぇ……都会はいいトコかい?」
第1回人気投票28位、第2回人気投票39位。
「チェンソーマン」地獄のカエル
僅か2コマの登場ながら、読者の心に強烈なインパクトを残したのがこの「地獄のカエル」。
世界の刺客編で地獄に落とされたデンジたち、そんな彼らを地獄の闇の中で見つめていたのがこの「地獄のカエル」です。
登場シーンは64話の「闇の悪魔」登場直前の1コマと、66話で蜘蛛の悪魔が闇の悪魔に倒される直前の1コマ。
本当にただ見つめるだけの存在で何ら本筋には関わってきませんが、闇の悪魔の圧倒的な強さを象徴するアーティスティックな演出の一つとして登場しました。
それがカエルだったのは、恐らくカエルが暗闇の中でも色を識別できる特別な視覚を持っているから。
弱者でありながら「闇」という根源的な恐怖を克服した特別な存在として、地獄の闇の中でデンジたちを見つめていたのでしょう。
第2回人気投票45位。
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