今回は「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の大人気サッカー漫画「アオアシ」から、面倒見の良いチームのまとめ役「中村 平(なかむら たいら)」について解説します。
中村平は主人公のアシトが所属するJユースチームの1学年上の先輩。
実力的には凡庸ですが、その人柄で仲間からの信頼厚い好青年です。
作中では船橋学院戦を最後にサッカーを引退することとなった平。
本記事ではそんな彼のプロフィールや人間関係、引退の経緯やその理由などを中心に解説してまいります。
「アオアシ」中村平のプロフィール
基本プロフィール(誕生日・身長・体重・声優など)
誕生日 | 12月9日 |
身長 | 176cm |
体重 | 65kg |
血液型 | A型 |
声優 | 小野賢章 |
中村平は主人公のアシトが所属する「東京シティ・エスペリオンFC」ユースチームの1学年上の先輩です。
外見は長めのもっさりヘアとヘアバンドが特徴の爽やかイケメン。
温厚で面倒見の良い性格をしており、我が強く個人主義者の多いユースチームの人間としては珍しく周囲への気配りを忘れない好青年です。
仲間たちからの信頼も厚く、後述するように作中でサッカー引退を決めた際には、仲間たちは何とか彼を引き留めようとしていました。
プロになることを諦める人間、脱落者など珍しくないユースでは珍しい光景ですよね。
ちなみに周囲からは「平」「平さん」と名前で呼ばれることが多く、読者に「平」が名字だと勘違いされることが多いキャラクター。
また平の1学年上には山田というトップチーム昇格が内定している先輩がいますが、この二人、ファンの間ではヘアバンドが無ければ見分けがつかないと評判です。
ポジションはMF兼DF、Aチームに昇格するも……
中村平のポジションはMF兼DF。
MFとしてプレーしている際はボランチ、守備寄りのプレーヤーで、DFとなった際にはサイドバックとしてプレーすることが多いです。
ジュニアユースからの昇格組で、何でもそつなくこなせるプレイヤー。
ただし特筆するほどの才能や能力はなく、優秀な人材が集まったユースの中では埋もれてしまっています。
初登場時はBチームのキャプテン。
作中でAチームに昇格しているものの、レギュラーではなく控えメンバーの一人と言う位置付けです。
恐らくAチーム昇格も初めての事ではなく、AとBの間を行き来しているものと考えられます。
「アオアシ」中村平はチームのまとめ役
アシト、冨樫ら外部生への気配り
中村平は常に周囲への気配りを忘れないキャラクターです。
それが特によく表れているのが、チームに馴染めていないアシト、冨樫ら外部生への気配り。
平は基礎が出来ておらず、練習の邪魔となっていたアシトをさりげなくフォロー。
ただ周囲とのいざこざを仲裁するだけでなく、できていないのはお前だけだとアシトに発破をかけ、誰を参考にすべきかアドバイスも送っていました。
また、ジュニアユースからの昇格生と仲の悪い冨樫に対しても積極的に声掛けし、
「昇格生と仲が悪いことも」
「聞いている」
「みんな腫れ物扱うみたいに」
「お前に接しているが」
「ここは絶対実力主義だ」
「お前の実力なら必ず」
「チームに溶け込めるから」
昇格生を嫌っていた冨樫も、平に対しては素直に恩義を感じていました。
問題児・阿久津とは同室、周囲との仲を取り持つ
また平は、同学年で唯一のセレクション組だった阿久津と寮で同室。
ユースに入ったばかりのころの阿久津は、その家庭環境もあって刺々しい態度を崩さず、周囲から完全に浮いていました(今も大概ですが)。
しかし平はそんな阿久津に対しても気負うことなく普通に接し、周囲との仲を取り持っています。
作中では、普通にお好み焼き屋に阿久津を誘う平の姿が描かれていました。
阿久津も口では刺々しい態度を崩しませんが、実は平に対してはかなり気を許している様子。
気が緩んだ時には平と栗林にだけは、つい自分の家庭環境について漏らしてしまったこともあります。
また、後述する平の引退に内心一番ショックを受けていたのも阿久津でしたね(阿久津は絶対認めないでしょうが)。
「アオアシ」中村平の引退(なぜ?)
中村平は高校2年生の半ば、プレミアリーグ船橋学院戦を最後にサッカーを引退します。
引退理由は父親と同じ警察庁に入るため。
サッカーを辞めて勉強に専念するためだと発言しています。
ユースでもプロに昇格できる人間は一握りであり、プロになれない人間は他の道を考える必要があるので、平のように引退する人間は決して珍しくありません。
ただ平はまだ高校2年生で学校の成績も良く、進路を焦る必要はなかったので、周囲の仲間たちは大いに驚き、彼を引き留めようとしました。
そこでチームメイトは、船橋学院戦で点差を広げて平の出場機会を増やし、平にもう一度サッカーと向き合い考え直してもらう機会を作ろうと奮起するのですが……
結果は1点先制したものの、その後逆転を許し、しかもアシトが退場して仲間が10人となってしまったため、DFである平は試合への出場がかなわずじまいに。
平は最後までアシトたちを気遣い、毅然とした態度のままチームを去っていきました。
彼が引退を決意した本当の理由は、勉強のためでなく、選手としての自分に限界を感じたから。
サッカーを楽しめず、周囲への劣等感、プロを目指すことへの恐怖を感じている自分に気づき、引退を決めました。
その心情を栗林にだけ漏らした平は、切なそうな表情でこう発言しています。
「これでやっと」
「お前を心の底から応援できる」
「アオアシ」中村平の名言・名シーン
それでは最後に、中村平の名言、印象的なシーンを紹介してシメさせていただきます。
引退宣言の後、栗林にお前ならプロになれると引き留められた平。
しかし彼は、プロを目指すことでサッカーが恐怖の対象になってしまったと、周囲には見せなかった弱音を吐露します。
「サッカーの才能は」
「『技術がある』とか」
「『身体能力がある』とか」
「そういうことじゃない」
「『どれだけサッカーを愛せるか』」
「……だった」
平の視線の先にいたのはアシト。
船橋学院戦の後、技術も身体能力もない彼に平は自らのヘアバンドを託し、チームを去っていきました。
仲間たちの前では最後まで毅然とした態度を崩さなかった平。
彼はグラウンドを去りながら、一人静かに涙を流します。
『プロになりたかった』
『子供の頃から』
『ずっと』
『夢の中でも』
『想像の中でも』
そして最後にグラウンドを振り返り、深々と一礼。
「ありがとうございました……‼」
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