今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、かつて魔族を従えた存在「魔王」について解説します。
魔王は物語開始前、フリーレンら勇者ヒンメル一行によって討伐された存在。
作中では当初ただ「勇者」という存在に相対する記号的なものとして扱われていました。
しかし物語が進むにつれ、魔王の望みが「人類との共存」だったことなど、ただの悪役ではない魔王の真の姿が見えてきました。
本記事ではこれまでに判明している魔王の情報と、魔王にまつわる謎について解説してまいります。
「葬送のフリーレン」魔王のプロフィール
魔王は物語開始前、勇者ヒンメル、魔法使いフリーレン、僧侶ハイター、戦士アイゼンの四人によって倒された魔族の王。
既に倒された存在ということもあって、魔王の姿が作中で描かれたことはなく、その名前も不明。
周囲からはただ「魔王」とだけ呼ばれています。
ヒンメル一行に倒されるまで千年以上にわたって魔族の頂点に君臨。
勇者一行に倒されるまで数多くの勇者がその討伐に挑み、ことごとく失敗してきました。
「葬送のフリーレン」魔王直下の大魔族「七崩賢」
魔王が従え、作中でもしばしば名前が登場するのが魔王直下の大魔族「七崩賢」です。
七崩賢は大魔族の中でも特に強大な力を持った大幹部で、北側諸国を中心に大陸の要所を支配していた人類にとっての最大の脅威。
魔王を倒したヒンメル一行でさえ2人しか倒すことができていません。
判明している七崩賢のメンバーは、
①黄金郷のマハト
②断頭台のアウラ
③不死なるベーゼ
④奇跡のグラオザーム
⑤~⑦不明
また、この他に魔王の腹心で七崩賢をも統括する「全知のシュラハト」が存在します。
シュラハトと七崩賢の内3人は人類最強の南の勇者と相打ち。
魔王が討伐された時点で、逃亡したアウラと行方不明のマハトを除く七崩賢は死亡しています。
そしてアウラとマハトも、フリーレンの新たな旅の中で討伐されました。
「葬送のフリーレン」魔王の強さ
千年以上の時を生きる大魔族
魔王の強さや能力については詳しいことが分かっていません。
分かっていることは、
①千年以上生きる大魔族
②フリーレンの魔力制限を一目で見破る
魔王は少なくとも千年以上を生きる大魔族。
魔法使いの魔力は基本的に鍛錬を積んだ年月に比例するため、長く生きているというのはそれだけで強い理由になります。
また、フリーレンの魔力制限をたった一目で見破るなど、単に魔力だけでなく技術にも優れていたようです。
魔族にとって魔力は誇りであり、その位を表す証そのもの。
魔族には魔力を低く偽るという発想そのものがありませんから、それを見破った魔王がどれだけ卓越した魔法使いだったか良く分かります。
神代の大魔法使いゼーリエでさえ魔王は倒せなかった?
また魔王とはただ強いだけの存在だったのか、という疑問もあります。
そもそも魔王を倒した勇者ヒンメル一行は決して無敵の存在ではなく、彼らであっても倒せず、封印するしかなかった大魔族も存在しています。
また七崩賢最強の黄金郷マハトはフリーレンでさえ勝ち目がないと諦めた化け物。
しかしこの世界には、そんなマハトをも圧倒したゼーリエという神代から生きる大魔法使いが存在します。
その描写から見るに、ゼーリエの実力は明らかにフリーレンやヒンメル一行より上。
しかしそんなゼーリエでさえ、魔王を倒すことは出来なかった(倒そうとしなかった?)。
弟子のフランメ曰く、
「私達じゃ無理なんだよ」
「だってさ師匠」
「平和な時代に生きる」
「自分の姿が想像できねぇだろ?」
単純な実力だけならゼーリエは魔王に負けていないと解釈できますが、魔王にはただ強いだけでは倒せない何かがある……?
「葬送のフリーレン」魔王の望みは人類との共存
魔王は人類との共存を望んでいたことが分かっています。
そして、その結果人類との大戦争を引き起こすことになったとも。
詳しい経緯については作中で語られていませんが、魔族は人と似た姿を取っていますが人食いの化け物。
その精神構造は人間とは根本的に異なり、姿も言葉も振る舞いも人を欺き捕食するために獲得したものとされています。
彼らには悪意という概念そのものがないので、共存するために人を理解しようとし、人を理解するために殺し合うことを選んだとしても全く不思議ではありませんね。
また、後述の「魔王城=天国」であることを考えると……
「葬送のフリーレン」魔王の謎
上述した以外にも、魔王の存在にはいくつも不可思議な点が存在します。
エルフを皆殺しにしようとした
一つはフリーレンたちエルフを皆殺しにしようとしたこと。
魔王の命によりフリーレンの里は滅ぼされており、今ではエルフの姿はほとんど見ることがありません。
魔王が他の人類に対してそうした行動をとっていた様子はなく、恐らくエルフにだけこうした行動をとっていました。
単純に考えれば、魔族をも超えうる魔法種族のエルフを危険視したというのがありそうですが、エルフのゼーリエが魔王と戦った様子がないことからすると、エルフと特別な関りがある可能性もありそうですね。
「世界を滅ぼす大いなる災い」ではない?
ヒンメルは勇者ですが、女神が授けた「勇者の剣」を抜くことは出来ませんでした。
「勇者の剣」を引き抜けるのはこの世界を滅ぼす大いなる災い撃ち払う勇者のみ。
ヒンメルはそんな剣がなくとも魔王を倒し、世界に平和を取り戻した立派な勇者なわけですが、ここからある可能性が生まれてきます。
つまり魔王は女神が想定した「世界を滅ぼす大いなる災い」ではないのでは、という可能性。
この世界にはまだ真の災いが存在している……?
魔王城=天国/魂の眠る地
フリーレンたちはフリーレンの師でもある大魔法使いフランメの手記を元に、ヒンメルの魂と対話するため大陸最北の地、天国・魂の眠る地(オレオール)と呼ばれる場所を目指して旅をしています。
かつてフランメはその地で戦友たちの魂と対話した、と手記に残していました。
しかしその地は、今は魔王城がある場所(魔王は死んでますが)。
フランメの時代には既に魔王が生まれていたはずですから、フランメは魔王城に行ったことがある?
ひょっとして魔王は、人類を皆殺しにして天国で人類と共存しようとしたなんてことは……
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