今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、かつて世界を救い忘れ去られた英雄「クラフト」について解説します。
クラフトは雪山で遭難していたフリーレン一行が出会ったエルフの武道僧(モンク)。
当初はただ長生きで腕が立つだけのエルフの男性かと思われましたが、後に世界を救うほどの偉業を成し遂げた英雄であったことが判明します。
しかし偉業からあまりに時が経ちすぎて、人々からすっかり忘れ去られてしまった英雄。
本記事ではそんなクラフトのプロフィールや登場話、強さを中心に解説してまいります。
「葬送のフリーレン」クラフトのプロフィール
基本プロフィール
クラフトとは魂の眠る地(オレオール)を目指し旅をするフリーレン一行が、旅の途中で出会ったエルフの武道僧(モンク)です。
外見は無駄なく鍛えられた肉体を持つエルフの男性。
エルフなので外見から年齢は分かりませんが、フリーレンを「若い」と評していましたから、数千年単位で生きていそうです。
性格はややマイペースなところはあるものの、心優しく善良。
フリーレンと同様に人間とは隔絶した時間間隔の持ち主です。
名前の由来はドイツ語で「腕力」。
声優は子安武人さんが担当しています。
かつて世界を救い忘れ去られた英雄
クラフトは実は遥か昔に世界を救った英雄です。
しかしその時からとんでもなく長い時が経過しているため、その名前や何を成したのかさえ、人々の記憶からはすっかり忘れ去られています。
残っているのは各地に作られたクラフトとその相棒であった人間の僧侶の石像だけ。
クラフト自身も自分が生きてきた軌跡が誰にも覚えられていないことを寂しく思っており、いつか天国で女神様に自分の人生を認めてもらうことを目標に敬虔な女神の信徒として生きています。
「葬送のフリーレン」クラフトは何話に登場?
雪山で遭難していたフリーレン一行と出会う(24話)
クラフトの初登場は24話「エルフの願望」。
フリーレン一行が北側諸国デッケ地方の雪山で立ち往生していた際、麓の避難小屋でクラフトと出会いました。
クラフトは吹雪の山小屋の中、上半身の服を脱いでスクワットをしていたため、初対面のフェルンからいきなり変態判定を食らいます。
クラフト本人は火種を失ってしまいスクワットで暖を取っていたと弁解していましたが、服を脱ぐ必要は全くないので弁護は難しいですね。
フリーレン一行とクラフトは、結局雪山が移動できるようになるまで半年をその小屋で共に過ごすことに。
フリーレンは自分以上に長い時を生きてきたクラフトの孤独に触れ、かつてハイターとしたやり取りを思い出し、自分が彼らとの思い出に支えられていることに気づきます。
そして冬が明け、クラフトはフリーレンと数百年後の再会を約束し、去っていきました。
戦士ゴリラ、僧侶アゴヒゲ(ザイン)誕生の由来(34話)
34話「英雄の像」では、クラフト本人こそ登場しませんが、かつての彼の功績が少しだけ語られます。
新たに仲間となった僧侶ザインとともにある村に立ち寄った際、フリーレン一行は村の老婆から英雄の像を磨くように依頼されます。
遥か昔に世界を救ったとだけ伝わっているエルフの戦士と人間の僧侶の石像。
その戦士とはフリーレンたちが雪山で出会ったあのクラフトでした。
ザインの故郷にも同じ石像があり、幼い頃のザインとその親友は自分たちに似たその石像の英雄がすっかり忘れさられてしまっていることを寂しく感じていました。
親友は「忘れられない英雄になる」と決意し、そのためには名前のインパクトが重要だと考えます。
「……戦士ゴリラ」
「俺は今日からそう名乗る」
ザインに突っ込まれつつも彼は本当にその後「戦士ゴリラ」と名乗り続け、ザインのことは「僧侶アゴヒゲ」と呼ばせるようにしました。
ユーベルに警告を与える(37話)
37話の「一級試験」でも少しだけクラフトの姿が描かれています。
1級魔法使い試験受験のために魔法都市オイサーストに向かう魔法使いユーベル。
旅の途中でユーベルを狙い、盗賊が襲ってくるのですが、それを撃退したのがクラフトでした。
しかし実際にクラフトが救ったのはユーベルではなく盗賊。
クラフトは近くの森で魔法使いによって盗賊が惨殺されているのを見かけ、ユーベルにこれ以上盗賊たちが殺されるのを防いだのでした。
クラフトはユーベルに「人殺しの目をしている」といい、ユーベルが1級魔法使い試験を受けると聞いてフリーレンのことを思い出します。
「次会った時の土産話が楽しみだ」
「葬送のフリーレン」クラフトの強さ
シュタルク「とんでもなく強い」
作中ではクラフトの戦闘シーンはほぼないため、実際に彼がどの程度強いのかは分かっていません。
ただ竜をも倒す凄腕の戦士であるシュタルクが、
「よく鍛え上げられたいい体だ」
「あんたとんでもなく強いだろう」
と評しており、その後シュタルクに修行を付けている描写があったことから、相当な実力者であることは間違いありません。
武道僧(モンク)なの? 戦士なの?
初登場時、武道僧(モンク)を名乗っていたクラフトですが、彼の本来の職業が武道僧なのかには若干の疑義があります。
というのも34話で登場した石像で、クラフトは剣を持った戦士として描かれていました。
つまりクラフトは最初から武道僧だったわけではないのです。
恐らく元々は戦士だったものの、世界を救い、相棒の僧侶が亡くなった後、自分たちの成した功績が忘れ去られていく孤独から女神の信仰に目覚め、武道僧に転職した、という流れ。
もちろん武道僧としても相当な実力者なのでしょうが、本来の適性は剣を持つ戦士なのでは、という気がしますね。
……実は勇者?
本来のクラフトが剣を持つ戦士だったとして、ふと気になったのが25話で登場した勇者の剣。
女神が授けたとされる剣で、勇者ヒンメルを含めどんな英雄も抜くことができず、ずっと剣の里と呼ばれる地で守られてきた、と伝わっています。
しかし剣の里の里長は人間で現在49代目。
そして女神が降臨したとされる神代は少なくとも数千年単位で昔のことです。
つまり剣の里ができる以前から勇者の剣はそこにあった可能性が高く、それ以前のことは誰にも伝わっていないということ。
ここで思い出すのは、クラフトが遥か昔に世界を救った英雄であるという事実。
ひょっとして、クラフトが大昔に勇者の剣を振るって世界を救っていた、なんて可能性も……?
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