今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、デラ(田寺リュウ)の異母弟「田寺ケン」について解説します。
田寺ケンは先代田寺、田寺ロウエイがエチオピア人の女性との間に作った子供。
東村とは直接関係のない一般人でしたが、田寺ロウエイからツガイなどの事情について教えられており、母親の死を切っ掛けに「解」と「封」をめぐるツガイ使いの戦いに関わっていくことになります。
作中では貴重な常識人枠として活躍。
本記事では田寺ケンのプロフィールやツガイ(手長足長)、人間関係などを中心に解説してまいります。
「黄泉のツガイ」田寺ケンのプロフィール
基本プロフィール
田寺ケンはデラ(田寺リュウ)の年の離れた異母弟。
先代田寺、田寺ロウエイがエチオピア人の女性との間に作った子供で、デラはその存在をロウエイ(父親)から知らされていませんでした。
外見はちょんまげのようにまとめた後ろ髪が特徴の真面目そうな雰囲気の少年。
年齢は13歳で兄のデラとは22歳差です。
性格は年齢の割にかなりしっかりしていて作中では貴重な常識人枠。
母の死を切っ掛けに行方不明となっている父を探すことを決断。そのために強くなろうと強力なツガイ「手長足長」と契約していました。
裏事情に詳しい一般人(?)
田寺ケンは代々東村の番小者(=村の雑用係)と務める田寺家先代当主、田寺ロウエイの息子ですが、東村やツガイ使いとは無関係に育てられた一般人。
デラやハナのように何かお役目があるわけでも、戦いの訓練を受けているわけでもありません。
ただいざという時のために田寺ロウエイからツガイや東村の事情については一通り教えられており、田寺の隠れ家であるマヨイガの出入りの仕方なども知っていました。
ただあくまで一般人として育てられているため、知識面はともかくツガイの怖さなどは本当の意味では理解できておらず、感性なども裏の人間と渡り合うには心もとない部分があります。
つい最近まで田寺ロウエイと会っており、彼が失踪した裏事情についてはデラより詳しかったようです。
「黄泉のツガイ」田寺ケンと手長足長
ツガイ:手長足長
田寺ケンは初登場時、手長足長という強力かつ凶悪なツガイと契約していました。
手長足長はかつて北方で悪さをしていたツガイで、1200年ほど前に左右様と旅の高僧(空海)、当時の封の力を持つ者が協力し、病悩山(現・福島県磐梯山)に封じた因縁のツガイ。
不気味な人型のツガイで、手長は手が、足長は足が異様に長く、くねくねと鞭のように伸ばすことができます。
パワー、スピードともに高く、拳銃では傷一つつかないほど頑丈(スナイパーライフルなら撃ち抜ける)。
片方の目を潰しても、もう一方と視界を共有して戦い続けることができるなど、しぶとさも一級品です。
左右様も二対二では分が悪く、神様と呼ばれるレベルの本当に強力なツガイでした。
ちなみに元ネタとなった手長足長は東北地方中心に数々の伝説が伝わる大妖怪で、荒ぶる巨人、神、仙人など様々な属性を持っています。
強くなりたいと契約するが全く制御できない
田寺ケンは手長足長の主。
彼は母親を亡くし、とにかく強くならないと一人では生きていけないと考え、強いツガイを求めて手長足長の封印場所を突き止め、契約しました。
ただ手長足長はとんでもなく凶悪で、契約してもケンのいうことは全く聞かず悪さばかり。
一応、主であるケンには危害を加えませんでしたが(主がいないと活動できない)、周囲の人間を襲って食べようとします。
外界に手長足長を野放しにするわけにいかないと判断したケンは、田寺のアジトであるマヨイガに閉じこもることに。
そこにデラやユル、左右様がやってきて手長足長を討伐、ケンは手長足長から解放されユルたちと合流することになります。
「黄泉のツガイ」田寺ケンの両親
田寺ケンは先代田寺家の当主・田寺ロウエイがエチオピア人の女性アベバ・タスファイとの間に作った子供です。
田寺の当代であるデラ(田寺リュウ)の異母弟にあたり、ケンはデラのことを父から伝えられていましたが、デラはケンのことを父から知らされていませんでした。
なお、デラの母親は田寺ロウエイとはかなり昔に離婚しており、ロウエイとケンの母親は正式に結婚しています。
ロウエイは元々フラッと母のところにやってきて、フラッといなくなる風来坊。
ケンはつい最近母親が亡くなり、ロウエイとも連絡がつかず、母の死を伝えようとロウエイを探していました。
デラは当主を継いだ10年前からロウエイと会っていませんでしたが、ケンはその後も不定期に母の下を訪れるロウエイと会っており、ユルの両親が東村から脱走した経緯などデラより詳しく知らされていました。
「黄泉のツガイ」田寺ケンは常識人枠
手長足長から解放された後、ユルたちと行動を共にすることになった田寺ケン。
彼は一行の中では本当に貴重な常識人枠です。
主人公のユルからして現代社会から隔離されて育った常識のないガチハンター。
デラやハナは下界で暮らしており下界の常識こそ持ってはいますが、必要とあれば平気で人を殺せるヤベー連中。
ハナ本人も「東村関係でまともな奴なんでいるわけねーでしょ」と認めています。
一行の中で唯一、本当の意味で一般人枠のケンは、一行のヤバさと非常識さに振り回され、自分がユルを教育しなければと日々奮闘しています。
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