今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、ユルの幼馴染兼親友「ダンジ」について解説します。
ダンジは東村で主人公のユルと共に育った幼馴染の少年。
第一話から登場しており、当初は詳しい事情を知らないただの村人かと思われていました。
しかし後にその正体がツガイであったことが判明し、ユルを大いに困惑させることになります。
本記事ではダンジのプロフィールや正体、その過去や目的を中心に解説してまいります。
「黄泉のツガイ」ダンジのプロフィール
基本プロフィール
ダンジは東村でユルと共に育った幼馴染です。
外見は長めの黒髪を首のあたりで結わえた活発そうな少年。
活発でお気楽そうに振る舞っていますが、後にそれは擬態であったことが判明します。
作中では影森家によって東村が襲撃され、ユルはデラに連れられ下界へ。
東村に残ったダンジはユルと離れ離れになってしまいますが、与謝野イワンによって東村が襲撃を受け偽アサと村の子供が攫われたため、ダンジもユルに助けを求めて下界に下りてきます。
幼い頃からユルを案じる親友
ダンジは幼い頃からずっとユルに寄り添ってきました。
ユルの両親(と本物のアサ)が彼をおいて東村を出て、ショックを受けているときも「俺は…ずっとユルのそばにいるよ」とユルの横に。
ユルが一人で山に狩りに行く際も、彼を心配していつも付いて来ようとします。
ユルはそんなダンジの存在を鬱陶しく思いつつも、それが心の支えになっていました。
「黄泉のツガイ」ダンジの正体(伏線)
正体は男児と女児のツガイ「ザシキワラシ」
18話ではダンジの正体がツガイであったことが判明します。
男児と女児の二人一組のツガイで名は「ザシキワラシ」。
ダンジとしての姿は擬態したもので、本来の姿はちょんまげ姿の小さな子供です。
相方の女児は「キリ」という名前で、こちらは偽アサに擬態していました。
人間に変身する能力を持ち、戦闘能力は影を触手のように自在に操って敵を拘束したり、盗聴したりすることができます。
第一話から仕込まれた伏線
ダンジがツガイであることは、第一話から巧妙に伏線が仕込まれていました。
ツガイには影がありません。
その気になれば影を作ることもできますが(これがツガイ全般の能力なのか、影を操るザシキワラシ特有の能力なのかは不明)、気を抜くとその影も消えてしまいます。
そして第一話を読み返してみるとユルの横に立つダンジには影がありません。
単なる描き忘れではなく、ユルや馬、他の村人にはきちんと影が描かれているシーンでも、ダンジにだけ。
ツガイに影がないという指摘も含め、判明すると思わず唸ってしまうような見事な伏線でした。
「黄泉のツガイ」ダンジの主と過去
ダンジの主は彼の母親と思われていた東村の村人「キョウカ」です。
ダンジはキョウカに命じられ、彼女を主ではなく母と呼び、人間の母子のように振る舞うよう言われていました。
元々ダンジたちザシキワラシは、東村を本城とする周囲の小さな集落の一つで奉られて生きてきたツガイでした。
しかし四百年前の関ヶ原の戦いで主を失い、本尊の姿に戻った彼らは誰もいなくなった集落で人々から忘れられ、朽ち果てていくことに。
そんなザシキワラシを見つけ出したのが先代田寺、田寺ロウエイでした。
ロウエイはダンナと子供二人を亡くし心を病んで臥せっていたキョウカの心の穴を埋めるため、彼女とザシキワラシを引き合わせ、契約させたのです。
「黄泉のツガイ」ダンジの目的
東村でキョウカと共に過ごしていたザシキワラシたちの暮らしにもユルとアサが生まれたことで変化が訪れます。
キリは村長のヤマハおばぁに命じられて座敷牢で偽アサを演じることに。
それとは別に、キョウカはダンジにおばぁには内緒でユルを守るよう命じていました。
ダンジがユルの狩りについて来ようとしたのは、ユルを殺して「封」の力を得させようとする「山賊」から彼を守るためだったのです。
なお、キョウカは「大きな力があると皆おかしくなってしまう」と発言しており、「解」と「封」の双子を利用することに関しては否定的だったようです。
コメント