今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、東村の長「ヤマハ(ヤマハおばぁ)」について解説します。
ヤマハおばぁは主人公のユルが育った山奥の集落「東村」を束ねる老女。
「運命の双子」の力を利用し、天下を取ろうとする妄執に囚われた一族のトップであり、偽アサを使ってユルを村に縛り付けていた人物です。
しかしただの外道かと思いきや、その過去には想像を超える闇が隠されており……
本記事ではヤマハおばぁの判明しているプロフィールや正体(年齢)、その過去(西ノ村、双子の姉ミナセ)を中心に解説してまいります。
「黄泉のツガイ」ヤマハおばぁのプロフィール
引用元:『黄泉のツガイ』公式
基本プロフィール
ヤマハおばぁは主人公のユルが育った山奥の集落「東村」を束ねる長です。
外見は背筋のピンと伸びたかくしゃくとした老婆で年齢不詳(詳細は後述)。
デラや段野ハナら番小者を含めた東村勢力全体のトップで、ユルとアサ「昼と夜を別つ双子」が持つ「封」と「解」の力を使って天下を取ろうとする妄執に囚われています。
アサに関しては双子の両親・ミネとナギサと共に村から逃げ出してしまいましたが、ユルのことはツガイに化けさせた「偽アサ」を使ってずっと村に縛り付けていました。
しかし第一話でアサたち影森家が東村を襲撃したことが切っ掛けでユルも東村を離れ、村人たちに隠されていた真実を知ることになり……
東村を束ねる謎の老女
ヤマハおばぁは当初、東村のトップであるということ以外分かっておらず、謎に包まれた人物でした。
ツガイを見ることができたので偽アサの主かとも思われていましたが、後に判明した偽アサ(+ダンジ)の主は側近のキョウカさん。
ヤマハおばぁと契約しているツガイの有無については明かされていません(状況的に恐らくいない)。
第二話ではアサに破られた村の結界を張りなおすなど、普通とは違う特別な力を持つ人物であることが示唆されており、ただ年長者だからという理由で東村勢力を束ねているわけではないようです。
ヤマハおばぁの過去や正体については、長年番小者として働いていた田寺ロウエイでさえ把握しておらず……
「黄泉のツガイ」ヤマハおばぁの動向
ヤマハおばぁはアサが両親の手によって東村から逃げ出して以降、もう一人の双子であるユルをアサの偽者を使って長年村に縛り付けていました。
第一話の冒頭では、鬼のような形相となってユルとアサ「夜と昼を別つ双子」をナギサに産ませようとする姿が描かれていることからも、ユルたちに強い執着を抱いていることは間違いありません。
影森家に東村が襲われた際も、ユルが影森家の手に落ちないようデラに彼のことを託していました。
ただその後はこれといった動きを見せず、自分からデラやユルに接触することもなく、東村に引きこもっています。
下手に自分が動けば足を引っ張る、あるいは他の勢力に付け込まれると考えたのかもしれませんが、それにしても少し消極的過ぎる気がしますね。
「黄泉のツガイ」ヤマハおばぁの正体
ヤマハおばぁの正体は「神懸かり(カムガカリ)」と呼ばれる巫女。
「昼と夜を別つ双子」とは別に、偶然「封」の力の一端が降りてきた存在で、一部ではあるものの「封」の力を行使することが出来ます。
ツガイが見えたり、第二話で村の結界を張りなおしていたのは恐らくこの「神懸かり(カムガカリ)」の「封」の力を使っていたのでしょうね。
実はヤマハおばぁの実年齢は400歳以上(正確な年齢は本人も忘れている)。
「封」の力の一端を使って「寿命」を「封」じており、長年にわたって東村の長として村を率いてきました。
なお、老人なのは若い頃はまだ「封」の力を使うことが出来なかったためです。
「黄泉のツガイ」ヤマハおばぁと西ノ村(過去)
ヤマハおばぁは元々、東村ではなく対をなす西ノ村で生まれました。
彼女は双子の姉・ミナセ(後述)と共に「神懸かり(カムガカリ)」として生まれたものの、西ノ村にいた当時は「封」の力を下ろすことができず、周囲から白眼視されていました。
なまじ姉のミナセが優秀な「神懸かり(カムガカリ)」で、ヤマハと違って見た目も美しかったこともそれに拍車をかけたのでしょう。
当時、双子も巫女もおらず神事が廃れていた東村に、要らないものとして追放されてしまいます。
ただヤマハが東村に行った直後、村に「昼と夜を別つ双子」が生まれ、彼女は巫女として東村に受け入れられました。
その後、関ヶ原の戦いが勃発し、東村も双子の力を頼りに慶長出羽合戦に東軍側で参戦。
しかし双子の内「封」は力を得ることなく死んでしまい、「解」も敵の策略にかかってあっさり倒されてしまいました。
東軍が勝利したものの東村は手柄を立てることができず、しかも殿様は独断専行の罪で罰され、以降東村は衰退の一途をたどることとなります。
「黄泉のツガイ」ヤマハおばぁと姉・ミナセ
ヤマハおばぁの双子の姉・ミナセは、若い頃から優秀な「神懸かり(カムガカリ)」で、周囲から大切にされていました。
ミナセは無能として周囲から白眼視されるヤマハを、双子の妹として大切に扱っていましたが、そのことが余計にヤマハの立場を悪くしていたようです。
ミナセの様子からすると、彼女はヤマハを自分の引き立て役にするため、ワザとそうしていたフシがありますね。
西ノ村に巫女として残ったミナセでしたが、関ヶ原で西ノ村は西軍についていたため敗北。
村は焼かれ、ヤマハを頼って東村に向かったようですが……
なお、ミナセはヤマハと同様、現代まで生き延びており、西ノ村勢力の一人「小野」、影森家を裏切った黒谷アキオの実母として暗躍しています。
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