「税金で買った本」柏川館長補佐~イヤミだが意外とマトモ? プロフィールや登場話(何話)、人間関係(不二さん)など~

 今回はヤンマガ本誌で連載中の図書館お仕事コメディ「税金で買った本」から、嫌味な上司「柏川(かしかわ)館長補佐」について解説します。

 柏川館長補佐は主人公の石平くんたちが働く図書館に赴任してきた市の正規職員。

 図書館のナンバー2で、司書資格を持ち図書館勤務は三度目というベテランです。

 作中ではなまじ知識と経験があるだけに職員たちと衝突しがちなイヤミな上司。

 本記事ではそんな柏川館長補佐のプロフィールや登場話(初登場・何話)、人間関係を中心に解説してまいります。

「税金で買った本」柏川館長補佐のプロフィール

基本プロフィール(年齢など)

 柏川館長補佐は主人公の石平くんたちが働く図書館に物語途中で赴任してきた市の正規職員です。

 外見は白髪の多い髪をオールバックにしたメガネの初老男性(年齢は定年間近)。

 ピシッとしていてどこかイヤミな雰囲気を漂わせた「ザ・役人」といった印象の男です。

 性格はプライドが高くあれこれ人のことに口を出すタイプ。

 立場的にイヤミな雰囲気が先行していますが、言っていることは多少人を小馬鹿にして見下した部分はあるものの比較的まともで、イヤミにしてもマズい内容のものは本人に面と向かって言っているわけではありません。

 総括すると、自分が正しいと思い込みイヤミっぽくて部下に嫌われるタイプの上司で、嫌われるけど言っていることはそれなりに筋が通っているという、社会に出たら腐るほどいるタイプの男性です。

図書館になまじ詳しい正規職員

 柏川は市の正規職員であり館長補佐。

 館長補佐は文字通り館長の補佐役で、図書館においてはNO.2のポジションです。

 柏川館長補佐は司書資格を持っているため今回の赴任が三回目の図書館勤務で、図書館学に対しても相応の知見を持っています。

 ただここ数年の事情については知らないため、知らないまま自信を持ってちょっとズレた意見を口にすることも多いようです。

 一方で市役所本部との折衝能力は高く、電子図書館サービスの導入など大きなお金が動く大型案件ではとても頼りになる存在。

 今回の赴任は図書館のシステム更新にあわせたもので、柏川館長補佐はこれを定年前の最後の大仕事にするつもりのようです。


「税金で買った本」柏川館長補佐の登場話

「システム開発紛争ハンドブック」他(107~110話)

 柏川館長補佐の初登場は108話から始まる「システム開発紛争ハンドブック」。

 正確には存在自体は107話で語られていて、そのラストで後ろ姿は登場していました。

 柏川館長補佐が赴任してきていこう、職員の微妙な不満が徐々に蓄積。

 特に郷土係の不二さんはシステム更新に合わせて色々革命を起こしたいと考えていましたが、折り合いの悪い柏川館長補佐がやってきてそれがとん挫すると激怒していました。

 実際、椎名係長を通じて提出された不二さんの意見を柏川館長補佐は一笑(不二さんが聞いていることは知らなかった)。

 ショックを受ける不二さんを皆で慰めるという終わり方ですが、見方や立場を変えれば柏川館長補佐の意見も決して間違っているわけではなく、巻き込まれた白井は筋肉で解決できない問題にただただ疲弊していました。

「図書館用語大辞典」(111話)

 柏川館長補佐の面倒くさい上司の部分が前面に出たのが続く「図書館用語大辞典」(111話)。

 ある日角野さんは柏川館長補佐に掲示物などに使われている「配架(正式には「排架」)の言葉の見直しや修正について指示されます。

 正直利用者にはどうでもいいことですが、言葉が正しく使われていないとモヤっとするタイプの角野さんは本格的にこれを直そうとします。

 しかし職員たちの「優先順位を考えて」という意見を聞いて、結局それを断念。

 柏川館長補佐にそのことを伝えようと現状報告をしたところ、

「いいよ全部やらなくて 忙しいでしょ今」

「いやこんなに調べてくれると思わなくて」

 と笑われてしまいます。

 要は柏川館長補佐は気軽に思い付きで口にしただけで、全然本気の指示ではなかったのです。

 振り回されてすっかり疲弊する角野さん。

 実際、どこに行ってもこういう上司は良くいます。

 

 その後も柏川館長補佐は、「自治体広報SNS活用術(125話)」、「絵で見る年中行事(131話)」などでちょこちょこ登場しており、こちらではもう少しマシな上司姿を見せてくれています。


「税金で買った本」柏川館長補佐と図書館職員

 柏川館長補佐はイヤミな性格なので基本的に職員からは嫌われています。

 石平くんや梨原さんはシンプルに「偉そうなので」嫌い。

 今村さん松浦さんは夕礼のスピーチとか余計な仕事を増やすので嫌。

 一方、角野さんは選書基準に、白井は正規職員になるならないなどに口出しされるため苦手にしていますが、柏川館長補佐の言葉に一定の理があることは理解しており、一概に否定するようなことはありません。

 納得は出来ないけれど、社会一般的には柏川館長補佐が正しいんだろうな、と。

「税金で買った本」柏川館長補佐VS不二さん

 柏川館長補佐と相性最悪なのが、郷土係で古株の不二さん。

 図書館学を熟知している自分が正しいと思い込む柏川館長補佐と、この図書館のことを一番詳しいと思い込んでいる不二さんはことあるごとに対立しています。

 現在はシステム更新を巡って対立していますが、過去には係長時代の柏川が「子どもの預かりスペースを作る」と提案して不二さんがキレたこともあるそうです。

 作中ではどうしても非正規職員目線で語られることが多く柏川館長補佐は悪役に回りがちですが、言い方や進め方の問題はあるにせよ、柏川館長補佐の意見は常識の範囲。

 逆に不二さんが悪いとも、柏川館長補佐が正しいとも言うつもりはありませんが、自分が一番正しいと思い込んだ非正規や現場の職員が組織の方針や事情を理解しないまま物申してトラブルになるのはどんな組織でもあるあるでしょう。

 どちらにも問題があるだけに、この二人の対立は今後も長引きそうです。

【まとめ】「税金で買った本」キャラクター一覧



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