「ゴールデンカムイ」江渡貝弥作~狂気の剝製職人、母親の歪んだ愛情(去勢)、実在するモデル、その最期(死亡)~

 今回はヤングジャンプで連載中の大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、狂気のファッションショーで読者に強烈なインパクトを残した男「江渡貝 弥作(えどがい やさく)」について解説します。

 江渡貝弥作は北海道で剥製工房を営む若き職人。
 しかしその正体は人間の皮を材料に革細工を作成するという、作中でも指折りの歪んだ性癖の持ち主でした。

 そんな男があの変態大好き鶴見中尉に見出されないはずがなく……

 本記事では江渡貝弥作の狂気を生んだ母親との過去(去勢)や元ネタとなった実在のモデル、作中で彼が鶴見とともに繰り広げた狂気のファッションショーなどを中心に、彼の性癖について深掘りしてまいります。

「ゴールデンカムイ」江渡貝弥作のプロフィール

基本プロフィール(外見、性格、誕生日、年齢、声優など)

 江渡貝弥作は夕張近郊で剥製工房を営む若き職人。

 外見はやや中性的な雰囲気の優男で、普通にさえしていればこれといった特徴はありません。

 表向きは海外からの注文を多く受ける腕利きの職人ですが、その正体は人間の皮を材料に革細工を製作する狂気の男。

 墓場を掘り返して死体を入手し、その皮を組み合わせて常人には理解不能な衣装(?)を数多く制作していました。

 母親からかなり歪んだ愛情を受けて育ったらしく、母親は既に亡くなっていますが、その死体を剥製にして一緒に暮らしていました(詳細は後述)。

 作中ではその職人としての技量を鶴見中尉に目を付けられ、金塊争奪戦の鍵を握る人皮刺青の複製を作成することに。

 誕生日は8月27日、正確な年齢は不明ですが20代前半と言われています。

 声優は内田雄馬さん。

モデルとなった人物はシリアルキラー「エド・ゲイン」

 モデルとなった実在の人物は、明言こそされていませんがアメリカのシリアルキラー「エド・ゲイン」だと言われています。

 エド・ゲインは幼少期に母親から受けた歪んだ教育が原因で、家族の死後カニバリズムに傾倒し、墓を荒らして死体を解剖し、その死体を使って様々なものを製作していた狂人として知られています。

 シリアルキラー(大量殺人者)の代名詞として扱われることの多いエド・ゲインですが、実際に彼が殺したのは2人だけで、”大量”と言うほどではありません。

 彼を有名にしたのは、死体を弄び、その皮を被って踊るといった死者を冒涜する狂気。

 江渡貝とはその性癖、母親からの歪んだ教育(愛情)など、様々な点が共通しており、モデルとなっていることはほぼ間違いないでしょう。

 名前も「江渡(エド)貝(ゲイン)」ですしね。


「ゴールデンカムイ」江渡貝弥作と母親(去勢・鶴見劇場)

母親からの歪んだ愛情と束縛(去勢)

 江渡貝弥作の母親は既に亡くなっているため作中での直接的な描写こそありませんが、江渡貝は母親から相当歪んだ愛情と教育を受けていたことが分かっています。

 母親は周囲から江渡貝を遠ざけて孤立させ、彼を強烈に支配していました。

 江渡貝は父親に似てきたという理由で母親に去勢されており、彼の父親が母親によって殺害されたということも判明しています。

 母親は心臓発作で既に亡くなっていますが、その死後も江渡貝の精神を強烈に支配しており、彼には今も心の中で母親の声が聞こえていました。

 江渡貝はそんな母親に心の奥底では憎しみを抱いていましたが、彼は母親以外に自分を受け入れてくれる存在を知らず、その歪んだ愛情と束縛を受け入れるしかなかったのです。

母親の呪縛から解放した鶴見劇場(ファッションショー?)

 そんな江渡貝に目を付けたのが鶴見中尉です。

 鶴見は江渡貝の人皮を使う職人としての腕に目を付け、利用しようとして彼に近づきました。

 当初は自分の秘密を知った鶴見を殺そうとした江渡貝でしたが、鶴見は江渡貝の全てを受け入れ、その才能に惜しみない称賛を送ります。

 そして始まった鶴見劇場。

 江渡貝が作った人皮製の衣装(?)を着込み鶴見の前で繰り広げられる狂気のファッションショー。

 その詳しい内容は筆舌に尽くしがたいものがあり……まあ、実際に72話をご覧になっていただくのがいいかと思います。

 「江渡貝くぅぅん」を一躍スターダムに押し上げた金カム屈指の怪シーンです。

 ともかく、母親ですら褒めてくれなかった人皮職人としての自分を受け入れてくれた鶴見に江渡貝は心酔。

 母親の剥製を銃で撃ち、その呪縛から解放されます。

 江渡貝を利用するために近づいた鶴見ですが、江渡貝を母親の呪縛から解放し、彼の人生に光をもたらしたことは紛れもない事実です。

 また、鶴見にとっても自身の狂気を真っ向から受け止めてくれた存在は江渡貝だけ。

 歪んだ関係ではあったものの、彼らの間には確かな友情が存在したのです。


「ゴールデンカムイ」江渡貝弥作の活躍と最期(死亡)

鶴見のために偽物の刺青人皮を作成する(月島軍曹頑張れ!)

 江渡貝は鶴見からの依頼を受けて、彼のためにアイヌ民族の金塊の行方を記した人皮刺青の偽物を作成します。

 鶴見さんのために、と偽物作りに励む江渡貝は非常に活き活きしていましたね。

 そんな江渡貝の監視役に付けられたのが、第七師団の良心・月島軍曹

 常識人である月島にとって江渡貝の監視はかなりの苦行だったようですが、彼は不屈の精神力でそれを成し遂げ、見事6枚の偽物を作らせることに成功します。

 後はこれを鶴見に届けるだけ、という段になって、彼らは裏切り者である尾形の襲撃を受けることになります。

尾形・杉元の襲撃、炭鉱爆発に巻き込まれ命を落とす(死亡)

 人皮刺青の完成品を鶴見に届けるべく尾形から逃走する江渡貝と月島。

 その最中に杉元一行とも遭遇し、そちらからも追われるはめになった彼らは炭鉱へと逃げ込みます。

 しかし炭鉱で爆発事故に巻き込まれ、致命傷を負ってしまう江渡貝。

 自らの死を悟った彼は最期に月島を通じて鶴見に、自身が作った人皮刺青の偽物と、それを本物と見分ける方法を託し、幸せそうな表情で死んでいきました。

 短い登場期間ではありましたが読者に強烈なインパクトを遺し、そして本人もどんな形であれ満足して逝く。

 まさにゴールデンカムイらしい生き様を見せた男と言えるでしょう。



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