今回は大人気漫画「文豪ストレイドッグス」から、ポートマフィアのマッドな爆弾魔「梶井 基次郎(かじい もとじろう)」について解説させていただきます。
梶井基次郎は主人公たち武装探偵社と敵対するポートマフィアの一員。
初登場では与謝野晶子にボコボコにされ、単なるかませ犬かと思われていましたが、後に意外な活躍を見せ評価を上げた男です。
本記事では元ネタとなった文豪との繋がりやその異能力の正体、名ゼリフを中心に、梶井基次郎という男について深掘りしてまいります。
文豪ストレイドッグス、梶井基次郎のプロフィール(声優含む)
基本プロフィール(年齢、身長、誕生日、声優など)
年齢 | 28歳 |
身長 | 180cm |
体重 | 63kg |
誕生日 | 2月17日 |
血液型 | B型 |
好きなもの | 檸檬、爆弾、科学、オペラ、酒 |
嫌いなもの | 表通り、ジャズ |
声優 | 羽多野渉 |
梶井基次郎は主人公たち武装探偵社と敵対するポートマフィアの一員。
幹部・中原中也の部下であり、隠密主義のポートマフィアにあって珍しく顔の知られた爆弾魔として指名手配されています。
外見は乱雑に切られた髪の毛とゴーグルが特徴の細身の青年。
性格は自分勝手でサイコなマッドサイエンティストであり、一般人28名を殺害したビル爆破事件を「素晴らしい実験」、死を「無数の状態変化の複合音楽」と評するなど、致命的に人格破綻しています。
自称「科学者」で、梶井にとっては爆破行為はただの実験。
ポートマフィアは実験を効率的に行える研究所とでもいうべき位置付けなのでしょう。
元ネタとなった文豪との繋がり
こんな人格破綻者の元ネタとなったのが、短編小説「檸檬」で知られる文豪、梶井基次郎。
偉大な文豪をネタに爆弾魔を作り出すとか、正直どうなんだと思わなくもないですが、元ネタとなった文豪と爆弾魔・梶井基次郎の間にはいくつもの共通点が存在します。
好きなものにある「檸檬」「オペラ」などは実際の文豪が好んでいたとされているものですし、嫌いなものにある「ジャズ」は短編小説「ある崖下の感情」に登場する男のジャズ嫌いという設定に由来していると考えられます。
また、文豪ストレイドッグスで梶井基次郎がかつて爆破事件を起こした「丸善」ビルは短編小説「檸檬」の舞台となった書店の名前でもあります。
そう、小説の中で「この檸檬がもし爆弾だったら……」と、主人公が書店内に檸檬爆弾を仕掛けたつもりになって逃走したという、あの。
文豪ストレイドッグス、梶井基次郎の異能力、強さ
異能力:檸檬爆弾(レモネード)
梶井基次郎は檸檬型爆弾でひたすら爆発を引き起こす爆弾魔として登場したため、当初その異能力は「檸檬型爆弾を作成する能力」だとミスリードされていました。
しかし実際の梶井の異能力は爆弾を作ることではなかったのです。
異能力:檸檬爆弾(レモネード)
檸檬型爆弾でダメージを受けない能力。
そう、梶井の異能力は非常にピンポイントなダメージ無効化能力。
檸檬型爆弾そのものは梶井がその手で自作したものだったのです(ちなみにダメージを受けない理由は「檸檬は美しき紡錘形だから」)。
死ぬほどマニアックでピンポイントな異能力ですが、これが爆弾魔としての梶井の技術と合わさると実に凶悪。
何せ檸檬型爆弾を持って自爆特攻を仕掛ければ、自分は無傷で相手にだけ大ダメージを与えることができるのです。
また「檸檬花道」と称してひたすら爆弾を振りまきながら移動する戦術も、シンプルですが非常に強力ですね。
梶井の真価は高性能爆弾を作成する科学者としての技量にある?
梶井基次郎の真価は、その異能力よりもむしろ、高性能爆弾を作成する科学者としての技術力にこそあります。
実は梶井の檸檬型爆弾、単に形が奇抜なだけでなく、爆薬成分が一切検知されない特別性。
実際これは物凄いことで、爆薬成分が検知されないということは検問や検査をすり抜けて爆弾を持ち込み放題。
テロリストが悪用すれば、簡単に国の中枢に大ダメージを与えることが可能です。
そのため裏の世界では、この檸檬型爆弾の作成方法を解明しようと現物が高値で取引されているのだとか。
梶井が裏社会の秩序を保たんとするポートマフィアに所属していることは、あるいは誰にとっても幸せなことだったのかもしれません(森鴎外の手回しかな?)。
文豪ストレイドッグス、梶井基次郎の活躍と名ゼリフ
初登場では敦を狙って列車を襲撃するも、与謝野晶子にボコボコにされる
梶井基次郎の初登場は、懸賞金のかかった中島敦を狙って泉鏡花と共に列車を襲撃する、というものでした。
先頭と最後尾の車両に大量の爆弾を仕掛けた上、列車内のあらゆる場所を爆破して敦たちを苦しめる梶井。
「死とは無数の状態変化の複合音楽だ」
「そして訪れる不可逆の死」
「科学の究極とは神と死」
「どちらも実在し」
「しかし科学で克服できず」
「故に我等を引きつける」
しかし、敦に同行していた与謝野晶子の逆鱗に触れたことが梶井基次郎の不幸でした。
「さて、あなたの血は何色かな?」
「確かめてみな!」
「命を大事にしない奴はぶっ殺してやる!」(与謝野)
爆弾で与謝野を瀕死の重傷にまで追い詰めるも、瀕死は彼女の異能「君死給勿」の発動条件。
異能力で瞬時に自身を治療した与謝野によって、梶井は鉈でボコボコに切り刻まれ、治療されてしまったのです(治療により無傷ではあっても、それ以上戦えず敗北)。
組合(ギルド)との戦いでは単身で前線基地を破壊する大戦果を挙げる
組合(ギルド)との抗争中、森鴎外によって単身組合の前線基地に送り込まれた梶井基次郎ですが、彼はあっさり組合に捕まってしまいます。
「ちょっと、わかった、降参降参!」
「全部話そう」
「実は僕は宇宙大原石の外交大使で……」
組合のナサニエルの異能「緋文字」で攻撃された上、自身の檸檬型爆弾で始末されそうになる梶井。
爆発により死亡したかと思われた梶井でしたが、彼は自身の異能力により無傷(この時初めて梶井の異能力の正体が判明しました)。
「君たち宗教者は信じるのが仕事だろうが」
「化学の根源はいつだって疑う事だ」
「爆弾を作る異能力という話、疑うべきだったね」
「そんな訳で、僕と宇宙大原石から君達へプレゼントだ」
そして自身を囮に空中から大量の檸檬型爆弾を降らせ、前線基地を破壊する梶井。
かませ犬かと思われた梶井がその真価を発揮し、大活躍した瞬間でした。
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