今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、小人族(パルゥム)の英雄「フィン・ディムナ」について解説します。
フィンはオラリオ最強派閥の一角「ロキ・ファミリア」の団長。
能力的に劣るとされる小人族でありながらオラリオ最高峰の冒険者となった実力者であり、自らが象徴となることで小人族の再興を目指す人物です。
完成された大人でありながら、作中では未熟な主人公・ベルから大きく影響を受けたフィン。
本記事ではそんな彼のプロフィールや強さ、リリへの求婚エピソードなどを中心に解説してまいります。
「ダンまち」フィンのプロフィール
基本プロフィール(年齢・声優など)
フィン・ディムナはオラリオ最強派閥の一角「ロキ・ファミリア」の団長です。
種族は能力的に他種族に劣るとされる小人族(パルゥム)。
一見すると小柄で幼げな雰囲気の金髪美少年ですが、ランクアップにより老化が遅れ若々しい見た目を維持しているだけで、実年齢は42歳のアラフォーおじさんです。
オラリオでも最高峰の実力者であるLV6(後にLV7に昇格)の第一級冒険者で、二つ名は【勇者(ブレイバー)】。
常に【勇者】の名に恥じぬ振る舞いを心がけており、その性格は理性的で高潔。
一方で【勇者】としての名声に固執し過ぎるきらいがあり、必要とあらば容赦なく味方を切り捨てる打算的でリアリストな一面も持ち合わせています。
声優は田村睦心さん。
小人族の光となり一族再興を目指す【勇者】
小人族は能力的に貧弱で、他種族から見下されることが多い種族です。
かつて彼らは「フィアナ」という女神を信仰していましたが(小人族の騎士団「フィアナ騎士団」が擬神化した存在)、神々の降臨により「フィアナ」の実在は否定され、そのことが余計に小人族から自信と希望を奪っていきました。
フィンはそんな小人族を再興するため、自らが小人族の象徴、希望となるべく冒険者となりました。
14歳の時にロキの最初の眷属となった人物で、リヴェリアやガレスと並ぶロキ・ファミリア最古参(三首脳)の一人。
ロキとは利害関係によってファミリアを結成した間柄ですが、互いに特別な信頼関係で結ばれています。
二つ名である【勇者】も、フィンがロキに頼んでつけてもらったものです(普通は面白がった神々によって適当で恥ずかしい二つ名がつけられます)。
ちなみに皆からは「フィン」と呼ばれていますが、これは彼の元々の名前ではありません。
フィンとは一族で「光」を示す言葉。
彼は一族再興のため旅立った際に自らの姓を捨てて「フィン・ディムナ」を名乗っており、元々の名前は姓として使われている「ディムナ」の方です。
「ダンまち」フィンの強さ(レベル・ステータス)
LV7に昇格したオラリオ最高の指揮官
初登場時のフィンはオラリオ最高峰の実力者であるLV6。
第二次クノッソス戦後は、リヴェリアやガレスと共にオッタルと並ぶ現オラリオ最高位LV7への昇格を果たしています。
以下はランクアップ前、判明しているLV6時点でのステータスです。
<基本アビリティ> | |
力 | E479 |
耐久 | F388 |
器用 | S999 |
敏捷 | B784 |
魔力 | B713 |
<発展アビリティ> | |
【狩人:E】【耐異常:E】【魔防:H】【先制:H】【速攻:H】 | |
<魔法> | |
【ヘル・フィネガス】 | ・高揚魔法。 ・全能力の超高強化。 ・好戦欲激昇に伴う判断力低下。 |
【ティル・ナ・ノーグ】 | ・投擲魔法。 ・Lv.及び全アビリティ数値を魔法威力に加算。潜在値(エクストラポイント)含む。 ・発動可能回数は一行使のみ。回復期間(インターバル)は二十四時間。 |
<スキル> | |
【小人真諦(パルゥム・スピリット)】 ・逆境時における魔法及びスキル効力の高増幅。 | |
【勇猛勇心(ノーブル・ブレイブ)】 ・精神汚染に対する高抵抗。 | |
【騎心一槍(ディア・フィアナ)】 ・槍装備時、発展アビリティ『槍士』の一時発現。 ・補正効果はLv.に依存。 | |
【指揮戦声(コマンド・ハウル)】 ・一定以上の叫喚時における伝播機能拡張。 ・乱戦時のみ、拡張補正は規模に比例。 | |
【軍長勲章(アル・マクミーナ)】 ・『眠り』に対する高耐性。不眠時間の継続力強化。 ・炎属性に対する耐久力強化。 |
小柄な小人族ゆえに、力と耐久のステータスは低めですが、器用はカンスト済み。
《フォルテイア・スピア》という槍を振るう槍使いであり、その技量はロキ・ファミリア団長の名に恥じぬものです。
また作戦立案能力や味方の士気を高める指揮官としての適性が非常に高く、元々は指揮官として成り上がった経歴の持ち主。
これまでに判明している中で最多となる5つのスキルを保有しており、様々な状況に対応しています。
またフィンは切り札の一つである魔法【ヘル・フィネガス】を使用することで全能力が大幅に強化され、格上(LVが1つ上)の相手とも互角に渡り合う狂戦士へと変貌。
指揮官としての役割を放棄する代償に、戦士としても傑出した能力を発揮します。
親指の疼きは危険の前兆
フィンは神の恩恵(ファルナ)やスキルとは関係なく、何か危険が近づくと親指が疼きだすという能力を有しています。
作中ではそうした直感に基づく判断が何度も仲間たちの危機を救っていました。
ちなみにこの親指の元ネタは、フィンの元ネタでもあるケルト神話のフィアナ騎士団団長「フィン・マックール」。
「フィン・マックール」は修行時代、師から「食べたものにあらゆる知識を与えるという知恵の鮭」の調理を命じられたのですが、その際脂が彼の親指にはねて火傷。
以降彼は、その親指を舐めると知恵を得られるようになり、難解な問題に親指を舐めて立ち向かうようになったそうです。
「ダンまち」フィン、リリへの求婚
フィンの目的は小人族の再興。
その目的の一環として、彼は自分が死んだ後も小人族の象徴となる後継者を残すため、小人族の花嫁を必要としています。
そんなフィンが作中で目を止めたのが、主人公のベルに想いを寄せる小人族の少女・リリルカ(以下、リリ)。
ミノタウロスに襲われるベルを助けるため命懸けで助けを求めたリリルカの姿に感銘したフィン(42歳)は、作中でリリ(15歳)に求婚。
残念ながらリリには断られてしまいますが、フィン自身も断られるだろうことは察した上での申し出であり、以降も勇気ある同族として何かとリリのことを気にかけ、陰ながら支援しています。
「ダンまち」フィンとティオネ
一方でフィンに対し強烈にアタックしているのがロキ・ファミリア所属のアマゾネスの少女ティオネ。
フィンはかつてティオネの入団の際、一瞬で彼女を叩きのめして以降、彼女に強烈な好意を寄せられています(アマゾネスは強い雄に惹かれる)。
フィンも内心ではティオネを憎からず思っているようですが、小人族の後継者を残すという使命もあり、ティオネのことはそういう対象として見ていません。
ちなみに、フィンの前世はフィアナ騎士団の二代目団長ディムであることが示唆されています。
初代団長でありディムが憧れていたフィアナはリリの前世、ディムに惚れて付きまとっていたアマゾネスのエルミナはティオネの前世であることが示唆されており、彼らが魂レベルで色々拗らせていることが良く分かります。
「ダンまち」フィンがベルから受けた影響
フィンは小人族の光となり、一族を再興しようとする野望に固執するあまり、やや打算的で保身にはしる一面がありました。
フィン自身もそのことを自覚しており、そんな自分を「人工の英雄」と苦々しく思うことも。
そんなフィンが保身を捨て、再び「冒険」する切っ掛けとなったのが主人公のベル・クラネルです。
名声を捨て、英雄となる道を捨ててでも「異端児(ゼノス)」を命懸けで救おうとするベルの姿に心を揺さぶれるフィン。
それでも勇者としての立場を捨てられずにいたフィンでしたが、神が用意した英雄の座を蹴り飛ばし、愚者を貫いて自ら英雄への道を切り拓くベルの姿に感銘。
「ベル・クラネルの真似事は」
「君達には荷が重いか?」
かつて自分が仲間たちに発した鼓舞がそのまま自分に返ってきたことを思い知ったフィンは、自らも殻を破り、フィアナを超える英雄へとなることを決意したのです。
ある意味でフィンは、作中で最も強くベルから影響を受けた人物の一人と言えるでしょう。
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