今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、小人族の女騎士にして槍の聖女「フィアナ」について解説します。
フィアナは約3000年前の古代に実在した小人族の女性。
フィアナ騎士団を組織して多くの人々を救い、小人族の最初で最後の栄光として擬神化までされた大英雄です。
普段は仮面でその素顔を隠していますが、その眼にはある秘密が隠されており、それ故に忠誠を捧げた王から命を狙われていました。
本記事ではそんなフィアナのプロフィールや強さ、その秘密や最期(死亡)を中心に解説してまいります。
「ダンまち」フィアナのプロフィール
基本プロフィール(声優など)
フィアナは「ナイツ・オブ・フィアナ」で描かれたおよそ三千年前の古代において実在した小人族(パルゥム)の大英雄です。
コーマック王国に仕えた女騎士で、フィアナ騎士団の団長。
周囲からは「槍の聖女」とも呼ばれ、後世においては小人族最初で最後の栄光として擬神化までされています。
外見は緩く波打った長い栗色の髪を持ち、顔の上半分を仮面で覆い隠した年若い女性。
基本的に誰に対しても礼儀正しく振る舞っていますが、実はかなり口が悪く、いら立つとつい粗暴な素の顔が顔を出します。
声優は内田真礼さんが担当。
フィアナ騎士団とは?
フィアナ騎士団とはフィアナを団長として組織された小人族の騎士団。
総数約30名ほどの小規模な騎士団ですが、所属する騎士たちは「勇気」溢れる精鋭揃いで、槍と弓、そして優秀な騎馬を駆使して魔物の核を貫き、華々しい戦果を挙げ「王家の槍」「大陸の守護者」と呼びたたえられていました。
基本的に一つ所に留まることなく、助けを求める「赤い狼煙」が上がるとどこへでも駆け付け、魔物たちを駆逐する放浪の騎士団。
しかしその実態は、元々騎士の国であるコーマック王国が助けを求めてきた者に手を差し伸べたというアリバイを作るため派遣された使い捨てのコマでした。
ドワーフなどの強靭な戦士たちは都の護りに残し、死んでも惜しくない弱い小人族を地方に派遣していたのですが、フィアナを中心とした小人族は予想外の戦果を挙げ、人々から英雄として讃えられることに。
その為、都の護りを担うゴォール騎士団からは妬まれ、あまり良く思われていません。
また、コーマック王には過酷な任務を与え、団長であるフィアナを抹殺したいという真の狙いがあったのですが、それも中々上手くいかず……
フィアナはフィアナ騎士団の初代団長ですが、最終的にコーマック王と王妃グラニア(=ヴァレッタの前世)の謀略により、一人を残して全滅(詳細は後述)。
後にフィアナの異母弟で初代フィアナ騎士団の小姓だったディム(=フィンの前世)により二代目フィアナ騎士団が結成されています。
「ダンまち」フィアナの素顔(魔眼)
フィアナが仮面で素顔を隠している理由。
それは「狂猛の魔眼」と呼ばれる紅の瞳にありました。
この魔眼は持ち主の戦闘力を劇的に高める反面、戦闘意欲を増して狂戦士と化してしまう代物。
フィアナはこの魔眼による暴走を抑えるため普段は特殊な仮面で魔眼を封じています。
またコーマック王がフィアナを執拗に謀殺しようとしていた理由がこの魔眼。
コーマック王はアーティファクトである「誓いの剣」でフィアナに誓約を刻んだ際、一つの予言を授かっていました。
それが「満月の夜、解き放たれた紅き瞳に殺される」というもの。
しかしこの魔眼は実はフィアナだけでなく、その異母弟であるディムにも密かに宿っており……
「ダンまち」フィアナの強さ
フィアナは神の恩恵(ファルナ)が存在しない古代、しかも脆弱とされる小人族の女性。
しかし彼女は原作者の大森先生より、当時としては破格のLV5~6相当の実力を有していたことが明かされています。
強さに幅があるのは、仮面が外れて「狂猛の魔眼」が解放されているかどうか、あるいは怒りの度合いによるものですね。
フィアナの戦闘スタイルは単騎掛けによる一撃必殺。
他のフィアナ騎士団の団員たちには彼女のような理不尽な強さはなく、一定以上の強さ(武器が通用しない)魔物には通じませんが、雑魚のお片付け部隊としては優秀で、ボスキラーのフィアナとはバランスの良いパーティーでした。
「ダンまち」フィアナの最後(死亡)
フィアナの人生は悲惨なものでした。
幼い頃に父であるマクールをコーマック王に反逆の罪を着せられて殺されたフィアナは、仇であるコーマック王に誓いの剣で無理やり忠誠を誓わされてしまいました。
更にその時、死の予言を授かったことでコーマック王はその原因と思しきフィアナを過酷な戦場に追いやり謀殺しようとします。
しかしフィアナは圧倒的な強さでそれらを跳ね除け、騎士団を組織。
小人族の隠れ里を作って仲間を保護し、奴隷として売られていた異母弟のディムを救い出し、コーマック王への復讐心を押し殺して仲間たちのために身を粉にして各地を転戦し続けました。
しかしフィアナの想いはコーマック王に届くことはなく、王は王妃グラニアに唆されて小人族の隠れ里を突き止めて襲撃。
同胞を助けるためにやってきたフィアナ騎士団を罠にかけ、騎士団はディムを除いて全滅。
フィアナは最後、ディムに自分が実の姉であることを明かし、ディムに看取られて命を落とすこととなります。
「ダンまち」フィアナとリリルカ
フィアナは「ダンまち」本編に登場するリリルカ・アーデの前世とされています。
フィアナの弟で、彼女に憧れていたディムの魂を継ぐフィンが、勇気ある女性としてリリルカに求婚したことはある意味で必然だったのでしょうね。
「ナイツ・オブ・フィアナ」は現代においてフィンからリリルカへ昔語りという形で語られており、話を聞いたリリルカは初代フィアナに共感し、自分より酷い人生を歩んでいる小人族がいると分かって救われた気分だとひねくれた感想を抱いていました。
そしてきっとフィアナはフィンを大切にしたかった、愛していたのだと現代のフィンに伝え、二人の昔語りは幕を下ろします。
ちなみにフィアナに宿っていた魔眼は彼女の死後、フィンが精霊馬フィネガスに願って自分の魔眼に取り込んだため、リリルカに魔眼は受け継がれていません。
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