今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、「ナイツ・オブ・フィアナ」に登場する精霊馬「フィネガス」について解説します。
フィネガスは約3000年前の古代において、小人族の英雄フィアナと契約していた精霊馬。
特に二代目フィアナ(ディム)に対しては槍を授け、死地を駆け、来世に渡ってその戦いを見届けています。
精霊の中でも変わり種であるフィネガス。
本記事ではそんな精霊馬の概要や人間関係、その目的を中心に解説してまいります。
「ダンまち」フィネガスとは?
基本プロフィール(声優など)
フィネガスはおよそ三千年前に実在した小人族の騎士団「フィアナ騎士団」の興亡を描いた物語「ナイツ・オブ・フィアナ」に登場する精霊馬です。
初代フィアナと契約し、小人族の隠れ里があるエランの森の祭司(ドルイド)として里を守っていた存在。
コーマック王や王妃グラニアにより里が襲撃を受け、フィアナが死亡した後ディムの前に現れると、復讐に燃えるディムと誓約(ゲッシュ)を交わし、彼の師となり愛馬となって彼の手助けをすることになります。
馬ですが鮭が大好きで、鮭を準備しないとへそを曲げてしまう変わり者。
気位が高く、自らを「賢者」と自負しています。
声優は津田英三さんが担当。
精霊馬とは?
精霊馬とはその名の通り馬の姿をした精霊です。
元々精霊の姿は千差万別なので、馬の姿をとっているフィネガスが特別な存在というわけではありません。
そもそも精霊とは、神々が降臨する以前の古代において、神々がモンスターに苦しめられる人々を救うため地上に遣わした神々の血を色濃く受け継ぐ分身。
大精霊ともなればただの凡人を英雄に変えたり、何代にも渡って加護を与えたりと、神にも近しい力を有しています。
通常、彼ら精霊は造物主である神々によって、人々を手助けするようプログラムされているのですが、フィネガスは全く別の目的のために作られた存在。
彼に人類の協力者としての意識はなく、代わりに目的を果たすための高度な知性と柔軟性が与えられています。
「ダンまち」フィネガスの目的
フィネガスが造物主である神から与えられた使命は、フィアナの魂に宿った「紅き狂猛の槍」の回収。
神も予期せぬ人の輪廻が生み出した瞋恚(しんい)の魔槍。
絶望が生み出した怒りの結晶であるそれに興味を持った神は、その穂先を回収すべくフィネガスを地上に遣わしたのです。
しかしそれはあくまで神から与えられた使命。
フィネガスにはもう一つ、それとは別に彼自身の望みがありました。
神からも世界からも独立している彼は、非効率な人類を見て、何故神はその全能の力を以って人類を救わないのか、もし自分が人類を導いたらどうなるのかと考えるようになります。
賢者となって人を導き、自分の全てを注ぎ込み育てた騎士が何を為し、何を残すのか。その物語を見た時、自分が何を思うのかを知りたい。
それこそが「槍」を回収する以外の己の生きた証になるのではと考えたのです。
「ダンまち」フィネガスとフィアナ
フィネガスと初代フィアナの関係は、フィアナの瞳に宿った「紅き狂猛の槍」の回収するための契約関係でした。
フィアナは彼女の死後、その「槍」ごと魂をフィネガスに捧げる。
フィネガスはその対価として、エランの森を守護する。
二人の関係はあくまでそれだけのもので、共に戦場を駆けることもなければ、フィネガスがフィアナを騎士として育てることもありませんでした。
フィネガスにとってフィアナは、己が考える騎士とは程遠い、「槍」の傀儡であり怒りの被害者。
フィアナもフィネガスに対して何ら特別な感情を抱いてはいませんでした。
「ダンまち」フィネガスとディム(フィン)
賢者として導くべき存在を探していたフィネガスの目に留まった存在こそが二代目フィアナことディムでした。
姉である初代フィアナと同じ「紅き狂猛の槍」をその瞳に宿し、復讐に燃える彼は、フィネガスと誓約を結びフィアナに宿る「槍」を己に移植し、フィアナをこの呪いから解放するよう要求します。
そんなディムに興味を持ったフィネガスは彼と誓約を交わし、彼の師となり「騎士」として育て、その復讐に協力しました。
作中でフィネガスはディムのことを小僧と呼び馬鹿にした言動が目立ちますが、最終的にはディムを認め、彼のために槍を打ち(馬の彼がどうやって鍛冶をしたのかツッコんではいけない)、彼を背にのせ死地を駆け抜けています。
ちなみに、ディムの来世であるフィンの魔法に「ヘル・フィネガス」という自己狂化魔法があり、フィネガスの存在は輪廻を超えてディムの魂と共にあるようです。
「ダンまち」フィネガスとゴブニュ
フィネガスは「神工輝斧(しんこうきふ)を司りし三神、銀の系譜に連なる精霊」と名乗っており、鍛冶神ゴブニュの分身であることが示唆されています。
フィネガスたち精霊は神とは独立した存在ですが、彼らの物語は造物主である神にも伝わっている模様。
ゴブニュは小人族を最も勇敢な種族として認め、フィンたちのために特別な素材を使って槍を打っています。
そして「ナイツ・オブ・フィアナ」のラストでは、フィンに対して、賢者に代わり神である自分がその物語を見守ることを伝えていました。
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