今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、作中で度々登場するワード「精霊」について解説します。
精霊とは一般的なファンタジーでは自然を司る霊的存在の呼称ですが、この「ダンまち」世界における精霊は神々が人類に遣わした導き手であり武器。
作中ではモンスターに取り込まれ穢れた精霊としても登場していました。
本記事では精霊とは何か、精霊の分身や精霊の血を引く人間など分かりにくい用語を整理し解説してまいります。
「ダンまち」精霊とは?
神々が放った人類の導き手
精霊とは神々がこの地上に降臨する以前の古代において、モンスターに苦しめられる人間を救うために神々が地上に遣わした存在です。
神々の力を最も色濃く受けついた神の分身。
人類や英雄を手助けする導き手であり武器として、共にモンスターと戦っていました。
強力な魔法種族であり、とても長い寿命を持っていますが、不死の存在ではありません。
精霊の中でも力の差はあり、大精霊ともなるとただの凡人を英雄に変えたり、何代にもわたって強力な加護を与えたりと、神にも近しい力を有しています。
ちなみに精霊を地上に遣わしたのは主に善神とされる神々で、邪神たちは精霊ではなく「天授物(アーティファクト)」と呼ばれる代償付きのアイテムを地上に落とし、そこで巻き起こされる騒乱を見てニタニタ笑っていたそうです(例外はありますが)。
精霊の加護
精霊はただの魔法種族ではなく、英雄たちに強力な加護を与える存在として知られています。
この「精霊の加護」が現代では「神の恩恵」に相当。
両者の違いとして「精霊の加護」は「神の恩恵」のように経験値を少しずつ本人の力に変えるものではなく、精霊の力を本人にそのまま上乗せするイメージ。
加護を授かった者はいきなり強力な力を得ることができますが、授かることができる力の程度は精霊の格に大きく影響され、また強すぎる力は時に当人の命さえ削ります。
加護を与える際、精霊が自我を失い武器化するケースと、自我を保ったまま相棒として共に戦うケースの両方があるようです。
「ダンまち」精霊の種類(大精霊)
神々が降臨した現代では精霊の姿はあまり見受けられませんが、古代では名のある大精霊たちが英雄たちの手助けをしていました。
アリア
大英雄アルバートと契約していた風の大精霊。
アルバートは隻眼の黒竜を退けた史上最強の英雄で、アイズの父親であることが示唆されている。
ジュピター
始まりの英雄「アルゴノゥト」と契約した雷の大精霊。
「雷霆の剣」と呼ばれる金色の大剣となり、アルゴノゥトに雷を操る力と高い身体能力を与えた。これにより凡人に過ぎなかったアルゴノゥトは、一気に英雄に匹敵する力を手に入れている。
中身は女好きで騒がしいオッサンで、大神ゼウスの分身であることが示唆されている。
ウルス
ヴェルフの先祖であるクロッゾに加護を与えた炎の大精霊。
自分を庇って瀕死の重傷を負ったクロッゾに己の血を分け与えその命を救う。
ウルスの血を分け与えられたクロッゾは傷が癒えただけでなく、炎の魔剣を生み出す力や高い身体能力を得たものの、その代償として力を使うたび寿命が縮む。
女性体で、鍛冶神ヘファイストスの分身であることが示唆されている。
フィネガス
小人族の英雄・フィアナと契約し、小人族の里を守っていた祭司であり精霊馬。
フィアナの死後、その瞳に宿った紅い魔槍(魔眼)を対価に彼女に手を貸していた。
フィアナの異母弟であるディムの瞳にも同じ魔槍が宿っていることを知り、彼の復讐に手を貸す。
通常、精霊は人の助けとなるために遣わされた存在で、そのようにプログラムされているが、フィネガスは神により紅い魔槍の回収を命じられた存在であり、人を助けるというプログラムが存在しない。
賢者になりたいという願望を持っており、最終的にディムに槍を打ち、彼と死地を共にする。
鍛冶神ゴブニュの分身であることが示唆されている。
「ダンまち」穢れた精霊/精霊の分身
作中では穢れた精霊(精霊の分身)と呼ばれる精霊とモンスターの融合体が敵として登場しています。
この穢れた精霊とは、簡単に言うと精霊がモンスターに取り込まれ、その在り方が反転してしまった存在。
反転したとはいえ自我は残っており、詠唱による強力な魔法を駆使。
魔石を大量に摂取し強化されたことでその脅威度は深層の階層主以上となっています。
59階層に救っていた女性型の個体は、ロキ・ファミリアを全滅寸前にまで追い詰めていました。
この他にもイシュタル・ファミリアの切り札「天の牡牛」やエニュオがオラリオ崩壊のために準備していた「ニーズホッグ」や「精霊の六円環」を再現するための個体などが穢れた精霊に該当します。
「ダンまち」精霊の血を引く者(アイズ、ヴェルフ)
精霊は人間との間に子を為すことができませんが、何らかの理由で精霊の血をその身に宿す者も存在しています。
その一人がヴェルフで、彼は祖先のクロッゾが火の大精霊ウルスに血を与えられたことで、代々その血に精霊の加護を宿し、恩恵なしに強力な魔剣を作り出すことができます。
そしてもう一人、精霊の血が流れていると明言されているのがアイズ。
アイズは超短文詠唱でありながらでたらめな威力の風の付与魔法を操っており、これには風の大精霊アリアの血が影響していると言われています。
ただアイズがどのような経緯で精霊の血を引いているのかは不明。
彼女の母親の名もアリアだそうですが、精霊は子を為せないはずなのでは……?
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