今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、黒幕系ヒロイン「シル・フローヴァ」について解説します。
シルは酒場「豊饒の女主人」亭で働くかわいいウェイトレス。
主人公のベルに好意を持ち、そのあざとさと魔性でベルを翻弄してきた少女です。
作中序盤から謎めいた言動が目立ち、その正体に関して様々な伏線が描かれてきたシル。
本記事ではそんな彼女のプロフィールや人間関係、その正体を中心に解説してまいります。
「ダンまち」シルのプロフィール
基本プロフィール(年齢・声優)
シル・フローヴァは酒場「豊饒の女主人」亭で働くウェイトレスです。
種族はヒューマンで年齢は18歳(という設定になっています)。
作中では飛びぬけた美人というわけではないものの、薄鈍色の髪と瞳を持つかわいらしい少女として描かれています。
性格は人当たりの良いあざとさ満載のドジっ子。
観察眼が非常に鋭く、まるで神のように人の嘘を見抜くなど、魔性の女らしい一面も持ち合わせています。
主人公のベルに好意を持ち、ダンジョンへ向かう彼に毎日お弁当を渡すのが日課。
ただし料理の腕は非常に残念らしく、その味は試食をした歴戦の冒険者たち(【耐異常】持ち)が悶絶するほどです(気合いを入れるほど味がおかしくなるタイプ)。
「豊饒の女主人」のウェイトレスたちとは非常に仲が良く慕われていますが、賭けでお金を巻き上げたり弁当の試食をさせたりと案外好き放題やっており、メンバー内での力関係は一番強い模様。
声優は石上静香さんが担当しています。
フレイヤ・ファミリアとの関係
シル・フローヴァは表向きは一般人。
しかし物語序盤から、オラリオ最強派閥の一角「フレイヤ・ファミリア」の関係者であることが度々示唆されていました。
フレイヤはシルのことを娘と呼び、アレンたち幹部を護衛につけるなど特別扱い。
シル自身がフレイヤ・ファミリアに出入りすることもあり、団員たちからは「シル様」と呼ばれていました。
さらに「豊饒の女主人」亭の店主ミア・グランドはフレイヤ・ファミリアの元団長です。
また、彼女の姓である「フローヴァ」とは「フレイヤ」と同じ起源を持つ言葉で「婦人、女主人」を意味しているのだとか。
「ダンまち」シルの人間関係(ベル・リュー)
ベルに対する謎の好意
前述した通りシルは主人公のベルに好意を持っています。
毎日ベルにお弁当を作ったり、遭難したベルに救援を送ったりととにかく献身的。
しかし彼女がベルに恋をした理由や切っ掛けについては作中で全く語られておらず、アーニャたち仲間も疑問に思っていました。
二人の出会いは、ベルが落とした魔石をシルが偶然拾って声をかけた、というものですが、ベルは直前に魔石を換金していたので、恐らくこれはシルがベルに声をかけるためについた嘘。
シルはそれ以前からベルに目をつけていたことになりますが……
崇拝者リュー・リオン?
仲間たちから慕われているシルですが、特に彼女に心酔しているのがリュー・リオン。
リューは5年前、闇派閥との戦いで重傷を負い倒れていたところをシルに拾われ、「豊饒の女主人」亭の従業員となったエルフ。
エルフらしく他種族との肌の接触を極端に嫌っていますが、シルはそんなリューが手を握ることができた数少ない人間の一人です。
リューはシルに深い恩義を感じており、作中では彼女の頼みで様々な厄介ごとを引き受けています。
またシルの方もリューのことを格別に気に入っているようで、その正体を露にした際には、ベルを一緒に共有しようと提案したことも……
「ダンまち」シルの謎(伏線)
上述したフレイヤ・ファミリアとの関係、ベルへの謎の好意以外にも、作中ではシルに関して様々な謎、その正体に繋がる伏線が描かれていました。
それらをざっと列挙すると、
・神々のように人の嘘を見抜ける
・フレイヤが用意した魔導書を忘れものとしてベルに渡す
・身代わりのペンダントを準備してベルに渡す
・貴族専用カジノのチケットをしれっと手に入れてくる
・7年前から姿が変わっていない
・アリーゼから「あなた、本当に人間?」と言われる
・神の前にはあまり姿を見せない
その正体に関しては様々な考察が為されていたわけですが、原作16巻においてついにその正体が明かされることになります。
「ダンまち」シルの正体(フレイヤとヘルン)
かつて「シル」と呼ばれた少女「ヘルン」
結論から言えば「シル・フローヴァ」は女神フレイヤが人間に扮していた姿でした。
元々「シル」の名と姿を持っていたのは、現在フレイヤ・ファミリアでフレイヤの付き人をしている冒険者の少女・ヘルン。
かつて孤児だったヘルンはフレイヤに助けられた際「あなたになりたい」と願いました。
その願いを聞いたフレイヤは彼女に女神に異称である「ヘルン」の名を与え、恩恵を受けたヘルンは女神フレイヤへ強烈な憧れから変神魔法「ヴァナ・セイズ」を発現。
フレイヤはその代償に「シル」という彼女の真名を貰い受けました。
「シル」の名を手に入れたフレイヤは、自身の神威を抑えることで人間の「シル」の姿に変身できるようになります。
「シル」となったフレイヤは、フレイヤに変神したヘルンを影武者に据えることで、「豊饒の女主人」亭のウェイトレスとして振舞っていたのです。
シル(娘)はフレイヤの内なる願望
ではなぜフレイヤはシルに扮して行動していたのか?
それはフレイヤ自身が心の奥底で女神を辞め、ただの人間の娘になりたいと願っていたからでした。
オッタルを始めとしたフレイヤ・ファミリアの団員、特に幹部たちは皆、どうしようもない状況をフレイヤに救われた者達です。
その忠誠は絶対的なものであり、彼らの全てはフレイヤのためにありました。
しかしその重すぎる忠誠、愛情がフレイヤを縛り付け、逆に追い詰めることに。
そのことを一部の団員たちは理解していながら、その在り方を変えることができずにいたのです。
派閥大戦後は女神の柵から解き放たれ、一人の娘として「豊穣の女主人」亭で働き続けることに。
表向きフレイヤ・ファミリアは解体されましたが、実質的には変わらず強力な団員たちを支配下に置いており、前よりもノリノリでやりたい放題やっています。
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