今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、チート魔剣鍛冶師「ヴェルフ・クロッゾ」について解説します。
ヴェルフは主人公のベルたちに武具を提供し、共に前線で戦う若き鍛冶師。
年若い一行の中では兄貴分的な立ち位置を担っています。
作中ではベルの成長チートに隠れてあまり目立ちませんが、実は鍛冶師としては作中でも突出したチートキャラ。
本記事ではそんなヴェルフのプロフィールや強さ(レベル・魔剣)、主神ヘファイストスへの告白と二つ名の由来を中心に解説してまいります。
「ダンまち」ヴェルフのプロフィール
基本プロフィール(年齢・声優など)
ヴェルフ・クロッゾは登場当初「ヘファイストス・ファミリア」に所属していた若き鍛冶師です。
見た目はやや男臭い雰囲気を漂わせた赤髪の少年で年齢は17歳。
職人気質で偏屈なところはあるものの、基本的には義理堅く面倒見の良い性格をしています。
作中ではクロッゾの魔剣(後述)ではなく自分の腕を評価してくれたベルを気に入り、彼と専属契約を結んでパーティを組むことに。
「アポロン・ファミリア」との戦争遊戯(ウォーゲーム)が勃発した際には、友であるベルの力になるため、わざわざ「ヘファイストス・ファミリア」から「ヘスティア・ファミリア」へ改宗しています。
鍛冶師としては鍛冶神ヘファイストスも認めるほどの才能の持ち主ですが、ネーミングセンスは非常に残念(牛短刀(ミノタン)、兎鎧(ピョンキチ)など)。
ただ、魔剣へのネーミングはまともな為(火月(かづき)、氷燕(ひえん)など)、案外わざとやってるんじゃないかという疑惑も……
神々に付けられた二つ名は「不冷(イグニス)」。
声優は細谷佳正さんが担当しています。
生家・没落した魔剣鍛冶師「クロッゾ家」
ヴェルフの生家は、かつてラキア王国で貴族の地位を得ていたクロッゾ家。
クロッゾ家はかつて祖先が精霊を助け、精霊から血を分け与えられたことで、その血に精霊の加護を宿す一族です。
この加護により通常の魔剣とは隔絶した威力の魔剣を生み出すことができるようになったクロッゾ家はラキア王国で貴族としての地位を得ます。
しかし世代を重ねるにつれクロッゾ家は増長。
大量の魔剣を生み出したことで多くの国や精霊の住処が焼き払われ、精霊の怒りを買ったクロッゾ家は魔剣を作れなくなってしまいました。
その結果、クロッゾ家は没落。
エルフ族を中心に広まった悪名だけが残ることになります。
その後、鍛冶師として一族を復興させようとしていたクロッゾ家でしたが、何の因果かヴェルフに魔剣鍛冶師としての力が宿ることに。
魔剣づくりを強要されたヴェルフは家族に反発して国を出奔、名を隠して鍛冶師をやっていたところヘファイストスに拾われ、オラリオへやってきました。
ちなみに、ヴェルフの顔立ちは、精霊を助けたクロッゾ家の始祖に非常によく似ているそうです。
「ダンまち」ヴェルフの強さ
才能豊かな”戦える鍛冶師”(レベル・ステータス・魔法)
ヴェルフは鍛冶師としてだけでなく、冒険者としても高い才能を秘めています。
登場当初はLV1でしたが、ベルとの冒険を経て現在はLV2。
ベルたち一行の中ではタンク役としてベルと共に前衛を担当しています。
<基本アビリティ> | |
力 | H185 |
耐久 | G213 |
器用 | G266 |
敏捷 | H142 |
魔力 | H102 |
<発展アビリティ> | |
【鍛冶:I】 | |
<魔法> | |
【ウィル・オ・ウィスプ】 | ・対魔力魔法。 ・詠唱式【燃えつきろ、外法の業】 |
<スキル> | |
【魔剣血統(クロッゾ・ブラッド)】 ・魔剣作製可能。 ・作製時における魔剣能力強化。 | |
【炎化創火(ベリタス・バーン)】 ・炎に対する高耐性。 ・炎属性に関わる攻撃時、効果増幅。 |
(※原作18巻時点で判明しているデータ)
戦闘スタイルは自作の太刀を振るうタンク型の前衛。
ただステータスそのものはそれほど高くないため、物語が進むにつれて後述する魔剣を使った火力役を担うことが多くなっています。
またLV2になった際には上級鍛冶師に必須とされる【鍛冶】の発展アビリティを取得し、武具に属性を付与することが可能となりました。
しかしヴェルフのステータスで特筆すべきは、やはりその魔法とスキル。
魔法【ウィル・オ・ウィスプ】は敵が魔法あるいは魔力攻撃を行う際、タイミングを合わせて発動させることで魔力暴発を誘発させる魔法封じの魔法。
魔法を主体とする者にとっては天敵と呼べる魔法で、ハマれば格上でさえ完封できるチート魔法です(ヴェルフより詠唱が速い相手には対応できませんが、長文詠唱の魔法には非常に効果的ですね)。
そしてヴェルフ最大の特徴が【魔剣血統(クロッゾ・ブラッド)】。
このスキルによりヴェルフは本来【鍛冶】の発展アビリティを極めた末に製作できる魔剣を、【鍛冶】発現前から、通常の魔剣を遥かに凌ぐ威力で生み出すことができました。
その威力はLV2時点でオラリオ最強魔導士であるリヴェリアの魔法に匹敵するほど。
しかも今後ステータスや【鍛冶】アビリティの成長により、この魔剣の威力は更にパワーアップしていくというのですから……
覚醒・折れない魔剣「始高・煌月(かづき)」
これだけでも十分なチートだったヴェルフですが、原作14巻では仲間の危機に覚醒。
”折れない魔剣”という更なるチート武器を生み出します。
元々魔剣とは、詠唱や精神力消費無しで魔法と同等の攻撃を放てる一方、使用することで砕け散ってしまう使い捨ての武器。
ヴェルフはそうした使い手を置き去りにしてしまう魔剣の在り方を嫌っていました。
そんな彼が新たに見出した魔剣の在り方こそが、折れない魔剣「始高・煌月(かづき)」。
この魔剣はヘファイストスが生み出した「ヘスティア・ナイフ」の”使い手と共に成長する”という性質を参考に生み出したもので、攻撃を使用者の「魔力」に依存する代わり、決して砕けることのない魔剣。
要は使用に精神力を消費するものの、使用回数制限がなくなった魔剣です。
ヴェルフの「魔力」は然程高くありませんが、クロッゾの精霊の加護やスキル【炎化創火(ベリタス・バーン)】により、威力は従来のヴェルフの魔剣以上。
精神力消費があるので連発はできませんが、こんな大火力をLV2の生産職が無詠唱で放てるとか、どんだけチートだよって話ですよね。
「ダンまち」ヴェルフとヘファイストス(告白・二つ名)
主神・ヘファイストスへの告白
ヴェルフは(元)主神であるヘファイストスに想いを寄せています。
ヘファイストスは眼帯を付けた美しい女神で、眷属たちが彼女に好意を抱くことは実は珍しくありません。
ヘファイストスは文字通り神域の鍛冶師であり、享楽的な者が多い神には珍しい神格者(じんかくしゃ)。
惚れるなという方が難しいですよね。
ヴェルフは原作8巻でヘファイストスに、
「貴方が認める武具を作れたなら」
「自分と付き合ってください!」
と告白。
しかしヘファイストスは眼帯で隠された自身の右目に強いコンプレックスを抱いており、当初その告白を笑って流そうとしました。
彼女の右目は見た者に嫌悪感を抱かせる呪いのごとき代物で、神々でさえ嫌悪感を抱き(例外はヘスティア)、彼女に告白してきた眷属でさえ恐怖に震えたほど。
この右目を見ればヴェルフの想いも冷めるだろうと。
しかし右目を見たヴェルフは、こんなものかと鼻で笑いました。
「貴方に鍛えられた鉄(おれ)の熱は」
「こんなもんじゃ冷めやしない」
情熱的な告白ですね~。
二つ名「不冷(イグニス)」の由来
ヴェルフの前では神の威厳を保っていたヘファイストスですが、これまで真っ当な恋愛経験のない彼女は、ヴェルフの告白にウキウキ。
乙女モード全開で周囲にこの告白のを何度も何度も惚気まくっていました。
眷属の前だけならまだしも、ネタに飢えた神々の前でも惚気てしまったヘファイストス。
彼女のこの行動が、後にヴェルフの二つ名を決定づけることになります。
二つ名は月に一度の神会で神々の話し合いによって決められるもので、通常は面白がった神々による喧々諤々たる話し合いがなされるもの。
しかしヴェルフの二つ名だけは満場一致の即決で「不冷(イグニス)」に決まりました。
由来は当然、ヘファイストスが惚気まくったヴェルフの告白。
神会で真っ赤になってプルプル震えていたヘファイストスは自業自得ですが、晒し者になったヴェルフはちょっぴり気の毒でしたね(女神を半分射止めたようなもんだし、これぐらいは必要経費か)。
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