今回は「ジャンプ+」で連載中の恋と希望のダークファンタジー「エクソシストを堕とせない」より、色欲の魔王「アスモデウス」について解説します。
アスモデウスは、主人公の神父たちと敵対する悪魔の王の一人、七つの大罪”色欲”の魔王。
第1話で主人公の神父くんに敗北した魔王ですが、その後信仰に守られていた彼の心の奥底の欲望を引き出すことに成功。
単純な戦いの以外の部分で、主人公に勝利をおさめた存在です。
本記事ではそんなアスモデウスのプロフィール(元ネタ)や強さ、その過去や登場話を中心に解説してまいります。
目次
アスモデウスのプロフィール
アスモデウスは地獄の支配者の一人で七つの大罪『色欲』の魔王です。
外見はグラマラスで肉感的な美女ですが、下半身はたくさんの目と動物を寄せ集めたグロテスクなものとなっています。
歌姫アリアなど人間の姿を取ることがあり、その姿はある程度自由に変えられるようです。
性格は典型的な悪女であり、色欲により他者を堕落させようとする魔王。
第一話で主人公の神父くんの前に現れ、最終的に彼に敗れはしたものの、その心に強いトラウマを残しています。
同じ女魔王のリバイアサンとは「レヴィ」「アスモデちゃん」と呼び合う親しい仲で、リリンである愛月イムリとも昔からの知り合いです(仲が良いとは言っていない)。
アスモデウスの元ネタ(伝承)
アスモデウスはキリスト教やユダヤ教における悪魔であり魔王。
元は智天使(天使の階級の第二位)の堕天使とも言われています。
グリモワール「ゴエティア」では72人の悪霊の頭目の1人で、72の軍団を率いる序列32番の大いなる王。
牛・人・羊の頭とガチョウの足、毒蛇の尻尾を持ち、地獄の竜に跨るグロテスクな姿をしているそうです。
旧約聖書の「トビト記」ではサラという美しい少女に憑りついていたアスモデウスが、人間に化けた大天使ラファエルに撃退されるエピソードが描かれており、後述するアスモデウスの過去はこれをベースに描かれています。
アスモデウスの強さ
アスモデウスは七つの魔王の中にあっては、特別強い魔王ではありません(魔王という時点で並のエクソシストでは相手にならないぐらい強いのですが)。
第1話で主人公と戦ってあっさり敗北しており、真っ向勝負では勝ち目がないと自認。
ルシファーやサタンよりは明らかに格下で、単純な戦闘能力では魔王最弱かもしれません。
しかしアスモデウスの本領は人を色欲に堕とす手練手管であり魅了の力。
搦め手にはめっぽう強く、ある意味で主人公の天敵のような存在です(第1話で負けてはいるもののしっかりトラウマを植え付け、再登場時には物理的には敗北してもしっかりその心を堕として勝利している)。
アスモデウスの過去
かつてアスモデウスは堕天し悪魔となった後、サラという一人の少女に恋をしました。
サラは気まぐれで助けただけの道で倒れていた子供。
二人は相思相愛でしたが、サラは親の決めた相手の結婚しなくてはなりませんでした。
一度は仕方ないことと別れた二人でしたが、アスモデウスはサラの初夜に寝所に現れ、サラの結婚相手を惨殺。
その後もサラが結婚する度、合わせて七人の夫を殺害し、いつしかサラは悪魔憑きの女と呼ばれるようになりました。
最終的にアスモデウスは大天使ラファエルによりサラから引き剥がされ、サラは神が夫と決めた男と結婚することに。
その後アスモデウスはずっと、サラのことを無理やり犯していれば彼女を手に入れられたのだろうかと当時のことを悔やみ続けていました。
アスモデウスの登場話
第1話で神父くんに敗れる(初登場)
アスモデウスは第1話で登場し、最初に神父くんに敗れた魔王です。
当時まだ幼く未熟だった神父くんは、エクソシストの先輩ダンテに連れられて歓楽街に。
そこで魔王アスモデウスと遭遇し、その魅了の力で色欲を刺激され、強引に犯されそうになってしまいます。
恐怖で動けなくなってしまう神父くんですが、ギリギリのところで信仰を取り戻し、自ら右目を抉って誘惑を振り払うことに成功。
大天使の力を宿した一撃でアスモデウスを撃退します。
歌姫アリアに偽装し再登場(36話~)
アスモデウスは36話から始まる色欲編で再登場します。
神父くんの護衛対象である愛月イムリ(=悪魔リリン)のコラボ相手である歌姫アリア。
そのステージ上に突如アスモデウスが現れ、アリアを襲撃。
その襲撃は神父くんにより防がれますが、アスモデウスは40日後の夜に再びアリアを襲うことを宣言します。
神父くんはアリアを守るため、イムリと共にアリアと同じ高校に通うことになります。
しかしこのアリアの正体こそが魔王アスモデウス。
アスモデウスはアリアとして神父くんに近づくことで彼を堕とそうと企んでいたのです。
学園を舞台に神父くんを巡ってアスモデウスとイムリの間で繰り広げられるラブコメバトル。
巧みに神父くんの心の瑕を刺激するアスモデウスの手口により、神父くんは色欲を刺激されアスモデウスに心を支配されてしまいそうになります。
ですがそれが切っ掛けで抑圧されていた神父くんの憤怒が暴走。
アスモデウスは再び神父くんに倒され、地獄へと撤退していくことに。
形の上では敗北したアスモデウスですが、神父くんの心を色欲に堕とした時点で実質的に勝利したのは彼女です。
そしてアスモデウスは純粋無垢な神父くんにかつてのサラの姿を見ており、怒り狂った神父くんに拒絶されたことで、例えあの時彼女を無理やり犯そうともサラを手に入れられなかったという確信を得ることができました。
失恋しサラへの想いに区切りをつけたアスモデウスは、その意味でも戦いに勝利していたと言えます。
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