今回は「ジャンプ+」で連載中の恋と希望のダークファンタジー「エクソシストを堕とせない」より、物語の黒幕「サタン」について解説します。
サタンは、主人公の神父くんたちと敵対する悪魔たちの盟主、七つの大罪”憤怒”の魔王。
リリンである愛月イムリを神父くんのもとに送り込んだ張本人です。
ある計画を進めているようですが、その内容は他の魔王たちにすら伏せており、真の目的は未だ不明。
本記事ではそんなサタンのプロフィールや元ネタ、強さやその目的などを中心に解説してまいります。
目次
「エクソシストを堕とせない」サタンのプロフィール
サタンは地獄の支配者の一人で七つの大罪『憤怒』の魔王。
魔王たちのリーダー格で、愛月イムリを神父くんのもとに送り込んだ物語の黒幕でもあります。
外見は端正な顔立ちをした黒髪の少年で、首には大きな蛇を纏わせています。
物腰柔らかで非常に話術が巧み。
他の魔王たちにも隠して何らかの計画を進めているらしく、魔王の中でも特に計算高く底知れない存在です。
「エクソシストを堕とせない」サタンの元ネタ(伝承)
サタンはキリスト教における悪魔。
神に叛逆した堕天使であり、神の敵対者の象徴として扱われることが多い存在です。
その名前はヘブライ語で「敵対者」を意味し、元は天使でしたが、その意味が強調されて悪魔の役割を担うように。
旧約聖書では楽園でアダムとイヴを誘惑した蛇、新約聖書では赤竜として描かれています。
ルシファーと同一視されることが多く、ルシファー(天使)が堕天してサタン(悪魔)になったと解釈されていますが、この作品では両者は別々の存在として描かれています。
「エクソシストを堕とせない」サタンの強さ(能力)
サタンの詳細な能力は不明ですが、彼は魔王たちのリーダー格だけあり、七つの魔王の中でも上位の強さを有しています。
堕天してなお天使の力を持つルシファーは別格なので、実力的には七つの魔王の中でも第二位。
リバイアサンとはいい勝負ですが、サタンはミカエルの剣のレプリカを保持しており悪魔に対して絶対的な優位性を持つため、ルシファー以外の魔王では彼には敵いません(ミカエルの剣抜きだとリバイアサンの方が強そう)。
そんなサタンでも主人公の神父くんには正攻法では敵わないと認めており(ミカエルの天使の力が有効でないため)、どれだけ神父くんが人類にとって重要な存在かがよく分かりますね。
「エクソシストを堕とせない」サタンの過去
サタンは元々、天界の一天使に過ぎませんでした。
天上において天使たちは神の完全な調律に満たされた神の一部。
神の絶対性に疑いを持つことなどありませんでした。
しかしその絶対性に「本当に?」と疑問を投げかけた存在こそがサタン。
その疑問を切っ掛けにルシファーをはじめとした多くの天使たちが神から切り離され、個としてものを考えるようになります。
最終的に天使長だったルシファーが神に疑問を持った天使たちをまとめ上げて神に叛逆。
ルシファーやサタンたちは敗北して堕天し、悪魔となりました。
ここで疑問なのは、神の一部だった筈のサタンが、何故最初に疑問を発することができたのかということ。
またどうやらサタンはこの時の敗北も含めて何らかの企みを進めていたフシがあり……
「エクソシストを堕とせない」サタンの作中動向
サタンは物語開始当初から神父くん最大の敵として存在が語られており、その姿が最初に登場したのは第2話のラスト(この時は顔に影がかかっていたので、より正式な登場は第3話)。
サタンは自分がイムリを狙っているとの声明を出し、神父くんがイムリの護衛につくよう仕向けることで、イムリを神父くんのもとに送り込みます。
イムリに対しては神父くんを恋に堕とすよう指示を出していました。
ただイムリはサタンの指示に必ずしも忠実ではなく、サタンは細かい指示を出さず二人を観察しているだけ。
しかし神父くんとイムリは自然と恋に落ち、イムリは神父くんを庇って意識不明の重体を負い、神父くんは教会と決裂してしまいます。
この時、育ての娘(=イムリ)を傷つけられたリバイアサンは激怒してサタンに襲い掛かっていましたが、
「まぁ分かってたよ」
「ぼくの計画は ここが一番きついって」
と、サタンはまるで未来が見えていたかのような発言をしており……
「エクソシストを堕とせない」サタンの目的は?
現時点でサタンの目的は今一つ判然としません。
サタンがイムリを使って神父くんを恋に堕とそうとしていたことは分かっています。
それが真っ向からの戦いでは勝ち目がない、神父くんに対する搦め手であることも。
ただ、神父くんを恋に堕とすことが具体的にどんな意味を持つかは不明。
普通に考えれば神父くんを堕落させて力を弱めさせようということなのでしょうが、神父くん一人を排除するだけならもっと簡単な手段が幾らでもあるように思います。
また、サタンから計画の一端を聞かされたゼルゼブルはサタンを八つ裂きにしてやりたいと語る程に激怒(35話)。
あの悪辣なベルゼブルが単に神父くんを堕落させるだけのことで怒る理由がありません。
恐らくサタンは神父くんを排除するのではなく、何らかの方法で利用するためにイムリを彼のもとに送り込んだのだと思われますが……
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