「ゴールデンカムイ」ソフィア・ゴールデンハンド~そのモデルと年齢、最期(死亡)、鶴見やウイルクとの関係、流氷での加筆~

 今回はヤングジャンプで連載中の大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、ロシア反体制ゲリラを率いる女傑「ソフィア・ゴールデンハンド」について解説します。

 ソフィアはアシリパの父・ウイルクのかつての同志であり、アシリパにウイルクの記憶を取り戻させるきっかけとなった人物。

 キロランケや鶴見中尉とも因縁深い女性であり、作中では過去の呪縛に囚われ苦悩し続けていました。

 本記事では、ソフィアの生い立ちや実在のモデル、人間関係とその鮮烈な最期(死亡?)について語ってまいります。

「ゴールデンカムイ」ソフィアのプロフィール

基本プロフィール(誕生日、年齢、声優など)、初登場は17巻170話

 ソフィア・ゴールデンハンドは登場当初は樺太のアレクサンドロフスクサハリンスキー監獄に収監されていた女囚で、ウイルクキロランケらを実行犯としたロシア皇帝アレクサンドル2世爆殺事件を引き起こした反体制組織の主導者です。

 元は上流階級の令嬢だったのですが、革命活動に身を投じ、そのカリスマ性と気迫で屈強な男たちからも慕われています。

 外見は太く逞しい歴戦の女傑で、アムール虎とも渡り合える作中最強クラスの白兵戦能力の持ち主。

 性格は豪胆な親分肌で、彼女自身は全てを投げうって革命に身を投じる一方、まだ若い仲間の女性には結婚して女の幸せを求めることを勧めるなど、面倒見の良い一面も持ち合わせています。

 仲間の活動資金のために活動を繰り返す義賊でもあり、「金の手」という法廷でつけられた愛称でも呼ばれていました。

 監獄の中でもキロランケをはじめとした仲間たちと常に連絡を取り合っており、彼らの助けを借りて監獄から脱出。

 その後アシリパと対面し、彼女にウイルクの過去を伝えることになります。

 誕生日は9月13日で、正確な年齢は不明ですが、41歳のキロランケを弟扱いしていたことから、40代半ばから後半と考えられます。

 声優は斉藤貴美子さん。

モデルとなった実在の人物は二人

 ソフィアにはモデルとなった実在の人物が二人存在すると言われています。

 一人はロシア皇帝暗殺事件の首謀者とされるソフィア・ペロフスカヤ

 ソフィア・ペロフスカヤは上流階級の出身ながら革命活動に身を投じ、暗殺事件を引き起こして処刑された人物。

 処刑されたこと以外は、名前も含めて多くの点が共通しています。

 もう一人は、ソーニャ・ゴールデンハンドの異名で呼ばれたソフィア・ブリュヴシュテインという女泥棒。

 ソフィア・ブリュヴシュテインはその美貌と大胆な手口で泥棒たちから「ゴールデンハンド」と呼ばれた宝石泥棒で、最終的には樺太の監獄に収監されてその生涯を閉じています。

 こちらも名前や泥棒としての経歴など、似通っている部分が多いですね。

 ソフィア・ゴールデンハンドとはこの二人の人物を融合して生み出された存在と考えられます。


「ゴールデンカムイ」ソフィアの人間関係

ウイルクとキロランケへの想い(流氷シーンでの加筆など)

 ソフィアにとってウイルクとキロランケはかつての同志です。

 ロシア皇帝爆殺事件後、3人は共に北海道へ逃れようとしますが、ある事件が切っ掛けでソフィアだけはそのままロシアに残り、反体制ゲリラとしての活動を続けることを決意します(詳細は後述)。

 とは言え、ウイルクもキロランケもソフィアたち同志を見捨てたわけではなく、北海道に逃れた当初はロシア東部から北海道までの少数民族を中心とした極東連邦の設立を目指して活動していました。

 しかしウイルクはアシリパが生まれたことをきっかけにより現実的な路線へ方針転換し、北海道のみの独立へと舵を切ることに。
 それが原因でキロランケはウイルクと決別し、殺害してしまいます。

 若かりし頃のソフィアはウイルクに好意を寄せており、彼が北海道へ渡る時には想いを伝えていました。

 一方でキロランケからは好意を寄せられていたものの、彼のことは弟としか見ることができなかったようです。

 ソフィアはキロランケと連絡を取っており、彼がウイルクを殺害した経緯も知っていたようで、再会した時にはキロランケに強烈な一撃を見舞っていました。

 コミックス19巻で加筆された流氷のシーン(189話、190話)では、ソフィアが谷垣鯉登らに追い詰められるキロランケを影から見守る姿が描かれています。

 キロランケの死を看取った後、氷を割って頭を突っ込んで周囲に聞こえないよう嘆きの声を上げるソフィアの悲痛な様子を見ると、キロランケのことも本当に大切に思っていたのだなと感じますね。

鶴見中尉(長谷川幸一)との因縁

 ソフィアがロシアに残ることになった理由には、鶴見中尉の存在が深く関係しています。

 ソフィアたち3人は北海道に逃れる前に、ラジオストクで写真師を営む長谷川幸一という男性の下で数か月間に渡って日本語を学んでいました。

 実はこの長谷川幸一というのが、当時ロシアでスパイ活動を行っていた鶴見中尉だったのです。

 鶴見中尉は長谷川幸一として現地で妻子をもうけ、幸せに暮らしていました。

 そんなある日、鶴見中尉を捕えようと秘密警察が写真館を訪れるのですが、それが自分たちを狙ったものだと勘違いしたソフィアたちは秘密警察を拿捕してしまい、鶴見中尉と共闘して秘密警察を撃退します。

 しかしその銃撃に巻き込まれ、鶴見中尉の妻子は亡くなってしまい、それが自分の誤射によるものだと考えたソフィアは責任を感じ、自分が幸せになるわけにはいかないとロシアに残って革命活動を続けることを決意したのです。

 後に鶴見中尉の妻子を殺したのがソフィアの弾丸ではなく、ウイルクのそれであったことが鶴見中尉の口から明かされるのですが……


「ゴールデンカムイ」ソフィアの活躍と最期(死亡)

アシリパにウイルクの記憶を取り戻させ、また彼女を助けるために北海道へ

 ソフィアは物語において、アシリパに刺青人皮の暗号を解く鍵を思い出させる役割を果たしていました。

 監獄から脱出したソフィアはアシリパに、ウイルクの過去やその名前の由来を伝えます。

 そしてそれがきっかけとなってアシリパは忘れていたウイルクとのある記憶を取り戻し、暗号を解く重要なヒントを手に入れていました。

 ここまではキロランケの思い通りの展開でした。

 しかしその後、追い付いてきた杉元たちによってキロランケは倒され、アシリパは北海道へと戻ることに。

 既に役割を終えたかと思ったソフィアでしたが、彼女もアシリパを追って北海道へと渡ることとなったのです。

アシリパが自ら未来を選ぶことを望み、鶴見の銃弾に撃たれ死亡

 しかし北海道へ渡ったソフィアを待っていたのは苦難の連続でした。

 特に悲惨だったのが鶴見中尉があの長谷川幸一だと判明し、アシリパとともに当時の罪を突き付けられ尋問されるシーン。

 ウイルクの顔の皮を被せられ、ウイルクの犯した罪を語られるとか、ソフィアにとってもアシリパにとっても凄まじい拷問でした。

 しかもソフィア、尋問から解放された後もしばらくウイルクの皮を被りっぱなし。

 「誰か取ってやれよ」って、読者から爆笑されていました。

 そんなソフィアですが、298話で逃亡するアシリパたちを助ける形で第七師団と戦いを続け、鶴見の銃弾に撃たれ倒れています。

「アシリパ! ウイルクの愛する娘!」
「でも……未来はあなたが選んで!」

 そして続く299話では追い付いてきた鶴見に、長谷川写真館で撮った写真を手にあのときのことを死の間際に謝罪していました。

「キミを許すよ」

 鶴見の言葉に穏やかな表情を見せるソフィア。
 しかし鶴見は彼女が息絶える前に3発の銃弾を撃ち込み、

「キミのことは許した」

 しかしウイルクは許さない。全てをアシリパに償わせる。

 ソフィアにとってこれは救いのある最期と言えるのか、その結論は鶴見とアシリパの結末を見るまでは下せそうにありませんね。



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