今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、烏野高校の守護神「西谷 夕(にしのや ゆう)」について解説します。
西谷は作者曰く「無敵」の男。
小柄な体格ながらリベロとして高い技術と身体能力、そして決して折れることのないメンタリティを持つ、最高にかっこ良くてかわいい、ある意味完成したキャラクターです。
今回はそんな西谷の意外な幼少期と東峰との関係性、そして高校時代追いかけていた清水潔子、彼女と結婚した田中との関係などを中心に深掘りしてまいります。
「ハイキュー‼」西谷夕ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、髪型、声優など)
所属 | 烏野高校2年3組 |
ポジション | リベロ |
誕生日 | 10月10日 |
身長 | 159.3cm → 160.5cm |
体重 | 51.1kg |
最高到達点 | 300cm |
好物 | ガリガリ君(ソーダ) |
最近の悩み | 無し!!! |
声優 | 岡本信彦 |
西谷は烏野高校の守護神、作中でも屈指の実力を持つリベロ。通称「ノヤさん」。
外見は前髪メッシュとツンツンに逆立てた髪、そして作中の全男子選手中で最も小柄な身長が特徴の少年です。
髪型によって身長は10cm程度かさましされており、お風呂に入った直後だと更に小柄さが目立ちますね。
ただし、その性格・メンタリティは作者に「無敵」と評されるほどカッコよく、熱く男前な性格と卓越したリベロとしての技術で上級生たちからも頼りにされています。
所謂熱血バカで、成績は見た目通り地を這っていて、おだてに弱いという欠点こそありますが、チームの雰囲気を支えてくれるムードメーカー。
小柄な体格を気にしつつも、大柄な選手相手に一歩も引かないその在り方は、ある種典型的な主人公気質の持ち主と言えるでしょう。
中総体で「ベストリベロ賞」を受賞したほどの有名選手で、強豪校からも誘いがあったようですが、
①男子の制服が学ラン(カッコいい!)
②女子の制服がかわいい!
③家から近い
というシンプルな理由で烏野高校に進学したそうです。
まあ、結果として清水先輩(マネージャー)という女神と出会い、田中と共に彼女を追いかけている姿はとても楽しそうですから、西谷にとっては良い選択だったんでしょう。
烏野の守護神、作中屈指のリベロだがオーバーハンドは苦手
パワー | 2 |
バネ | 4 |
スタミナ | 5 |
頭脳 | 4 |
テクニック | 3 |
スピード | 5 |
※表は最低1~最高5の5段階評価
西谷は作中でも屈指の実力を持つリベロで、影山と並んで烏野高校の天才コンビと呼ばれています。
並外れた身体能力により足レシーブなどのスーパープレーを作中でも連発していますが、西谷の真に優れた点はその意識の高さ。
ただ拾うだけでなく、全身でボールの勢いを上手く殺し、周囲の邪魔にならないようポジショニングを意識するなど、とにかくプレー中は周囲に対して献身的なんです。
また、既に高い実力を持ちながら向上心豊かで努力を怠らず、セッターが敵に狙われた場合を想定してセットアップもこなせるようになるなど、新技術習得にも貪欲です。
唯一の欠点は、オーバーハンドのレシーブがやや苦手な点。
フローターサーブのような揺れるボールに対してはオーバーハンドが有効なのですが、西谷は春高の稲荷崎戦でこの弱点を突かれ、宮侑のジャンプフローターサーブの標的にされるという屈辱を味わいます。
しかし西谷はそれでも決して折れることなく、仲間の後押しを受けて試合中にこの欠点を見事に克服するのです。
「ハイキュー‼」西谷夕の人間関係
「ヒゲちょこ」エース東峰旭を信じた漢気
西谷は烏野高校のエース東峰旭と対として描かれています。
物語開始前、東峰は伊達工との試合でスパイクを完全にシャットアウトされ、その不甲斐なさからトスを呼ぶことがなくなり、部活にも出てこなくなります。
そんな東峰に西谷が激怒。
「俺が繋いだボールをアンタが勝手に諦めんなよ!」
トラブルを起こして1か月間の部活禁止処分を受けていただけでなく、東峰が戻らなければ自分も戻らないと宣言して自分も部から離れてしまいます(練習は続けていたようですが)。
そんな2人の関係が修復したのは、烏野商店街チームとの練習試合。
そこで東峰は諦めきれない本音を吐露します。
「何度ブロックにぶつかっても、もう一回打ちたいと思うよ」
「……それならいいです。それが聞ければ十分です」
そして東峰がブロックされたボールを西谷がスーパーレシーブ。
「だからもう一回!」
「トスを呼んでくれ! エース!!!」
東峰は今度はスパイクを打ち切り、復活を遂げることになるのです。
ちなみに、西野と東峰は全てが対照的な存在として描かれています。
見た目のかわいい西谷とごつい東峰。
漢気あふれる西谷と中身へなちょこな東峰。
名前も「西谷夕」と「東峰旭」と一文字ずつ真逆の意味になっており、誕生日も西谷が「十月十日」、東峰が「一月一日」と「+」「ー」になっているんです。
「獅子の子落とし」な祖父(おじいちゃん)西谷節男との幼少期
非常に男前で無敵な性格の西谷ですが、意外にも幼少期はすごいビビりだったそうです。
(東峰に「前世とかの話?」とツッコまれていました)。
そんな西谷を変えたのが、リアル「獅子の子落とし」なおじいちゃん、西谷節男さん。
非常にファンキーで元気な見た目のおじいちゃんで、田中曰く「2回見たけど2回とも違う美女連れてた」そうです。
そんなおじいちゃんによって多くのことを克服してきた西谷(蛾と生タマネギは今でも嫌いだそうですが)。
そんなおじいちゃんは、西谷に何故怖がることがいけないのかを伝えます。
「もったいねえからさ」
「わからず終いはもったいねえのさ」
それでも怖かったらどうするのか?
「そんなの決まってんだろ!」
「助けてもらう!」
「ハイキュー‼」西谷夕の活躍と名言、その後の進路
卒業後は何故かイタリアでカジキを釣り上げる、清水と結婚した田中とは?
高校卒業後、西谷はバレーを辞めて世界を放浪しています。
2018年に日向と影山たちがプロの舞台で戦うことになり、その試合を観戦することになった旭の元には何故かイタリアでカジキを釣り上げている西谷の写真が。
プロとかそういうのとは別の次元で、
「俺たちはちっぽけな存在だし世界は広い」
「まったくです」
と菅原たちが遠い目をしていたのが印象的でした。
ちなみに2021年時点ではこの旅に東峰も付き合っているらしいです(やっぱりこの二人は良いコンビなんですよね)。
そして気になるのは高校時代ともに追いかけていた憧れの清水先輩と結婚した田中のことを、西谷はどう思っているのか?
作中では何も言及がありませんでしたが……
これは推測ですが、西谷の清水先輩への想いは彼の中で最上位にあるものではなく、あくまでアイドルに向けるような憧れに過ぎなかったのではないでしょうか。
でなければ世界を放浪なんてできないでしょうし、自分の清水先輩への想いと田中の清水先輩への想いが別物であることは本人も理解していたと思います。
だから清水先輩を射止めた田中のことは素直に祝福したんじゃないかな、と。
西谷は親友の結婚を心から喜べないような器の小さな男じゃありませんしね。
「かっこいい」と「かわいい」を両立させた男の活躍と名言
それでは最後に、見た目のかわいさと中身のカッコよさを両立させた西谷の活躍を名言とともに振り返っていきましょう。
「俺はこの身長だからリベロやってるワケじゃねぇ」
「たとえ身長が2mあったって、俺はリベロをやる」
「ボールが床に落ちさえしなければバレーボールは負けない」
「そんでそれが一番できるのはリベロだ」
”小さいから”やってるわけじゃない。
リベロというポジションを誇りに思う、西谷の漢気が伝わってくる言葉です。
「背中は俺が守ってやるぜ」
「烏野には俺有り、っすから」
西谷のシンプルで堂々たる言葉に、チームメイトはいつも勇気づけられてきました。
どれほど敵の背が高くとも、凄まじいスパイクを放たれようと、西谷は一歩も引くことがありません。
それでも、西谷にもできないことはあります。
「でも俺にもできないことがある」
「だから無理を承知で言います」
「太ももがはち切れようとも、空中戦は頼みます」
スーパーレシーブを見せた後でのこの一言。
これほど頼もしい男に頼られて、発奮しない男はいません。
ただ強いだけでなく、仲間に頼ることを知るからこそ、西谷夕という男は無敵なのです。
コメント