今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、「反復・継続・丁寧」を信条とする最高にカッコいい男「北 信介(きた しんすけ)」について解説します。
北さんは全国屈指の強豪稲荷崎高校のキャプテンとして主人公たちの前に立ちふさがったキャラクターです。
バレーの実力そのものは決して高くありませんが、何事も”ちゃんと”するというシンプルで誠実な在り方がチームを引き締め、読者を魅了していきました。
本記事ではそんな北さんの魅力を、人間関係や名言、その後の進路、おばあちゃん子というギャップを中心に語ってまいります。
「ハイキュー‼」北信介ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、声優など)
所属 | 稲荷崎高校3年7組 |
ポジション | ウイングスパイカー |
誕生日 | 7月15日 |
身長 | 175.2cm |
体重 | 67.5kg |
最高到達点 | ー |
好物 | 豆腐ハンバーグ |
最近の悩み | バァちゃんが今から俺の結婚式を楽しみにしている事 |
声優 | 野島健児 |
北さんは全国屈指の強豪(IH準優勝)稲荷崎高校を率いるキャプテンとして登場しました。
外見は毛先が黒い銀髪が特徴の、クールで端正な顔立ちの少年です。
性格はとにかく真面目で誠実、”ちゃんと”しています。
幼い頃、祖母から言われた「誰かが見とるよ」という言葉を胸に、バレーの練習は勿論、学業や日常生活の些細なことまで、一切手を抜くことなく”ちゃんと”こなします。
あらゆる意味で隙が無く、後輩たちには容赦なく正論パンチをぶつけて恐れられているのですが、厳しいながらも不意に見せる優しさから、それ以上に慕われてもいます。
登場シーンを見ると、ジャージを肩にかけていて少し”ちゃんと”してないようにも見えますが、本人曰く「バチバチってなるやん」……静電気が苦手なようです。
ちなみに、他作品では外見だけはそっくりな「クズな北さん」と呼ばれる論外な男が存在していますが、当然のことながら全く関係はありません(ただし本当に似てる)。
天才たちに対する確かな敬意、ユニフォームを受け取り泣く人間味がカッコいい
北さんはキャプテンではあってもスタメンではなく、才能にはあまり恵まれていないキャラクターです。
しかし後輩が他者の才能を羨むような発言をした際には、思わず熱くなって長ゼリフで反論し(淡々としてましたが)、
「けどあいつらの事を最初から優秀なんやと思うことは」
「勝負するまでも無く負けとるちゅう事やし」
「失礼やと思うねん」
と、最大限の敬意を払っていました。
また、3年になって初めてユニフォームを貰った際は、突然涙を流して周囲を驚かせていました。
結果よりも過程、普段の行動こそが大事と考える北さんでも、やっぱり結果がでると嬉しくて涙を流すんですね。
「強い」ではなく「しくじらない」という自信に満ちたチームの要
パワー | 2 |
バネ | 2 |
スタミナ | 4 |
頭脳 | 4 |
テクニック | 3 |
スピード | 3 |
※表は最低1~最高5の5段階評価
繰り返しますが、北さんは稲荷崎高校でレギュラーではあってもスタメンではなく、能力的には凡庸なキャラクターです。
しかしそれでも北さんが周囲に頼られる理由は、彼が決してしくじらない男だからです。
日々の練習を”ちゃんと”しているからこそ、練習でできることは試合でもできる。
「緊張なんかする意味わからん」
恐らく作中で最も安定した選手であり、監督にとっては理想的な存在と言えるでしょう。
実際、稲荷崎高校の監督は中学時代一度もレギュラーになったことさえない北さんに目を付け、自らスカウトしてきたと言います。
能力的には攻撃よりも守備寄りで、周囲のフォローをすることが主な役割。
試合では精神的な支柱としてチームを引き締めるため、あるいは敵に「絶望を継続させる」ために投入されることが多いようです。
「ハイキュー‼」北信介の人間関係
稲荷崎高校チームメイト(宮兄弟)
北さんはチームメイト、特に後輩からは正論パンチで恐れられています。
試合中に北さんが投入された際など、後輩たちは目に見えてビクついていますし、その言葉には一切反論することができません。
彼らの関係を象徴するエピソードが宮侑が風邪を引いたまま練習に参加してきた際のもの。
周囲は風邪でも練習を休まない宮侑を褒めますが、北さんは容赦なく、
「帰れや」
「体調管理できてへん事を褒めんな」
と宮侑を追い出します。
憤慨する宮侑でしたが、部室には梅干しなどの身体に良いものの差し入れと北からのメモが。
「侑へ、飯をちゃんと食って寝ろ、北」
その優しさに宮侑は顔を覆って感動していました。
ただ厳しいだけじゃないから、北さんは周囲から慕われているんでしょうね。
おばあちゃん「北 結仁依(きた ゆみえ)」~理想的なおばあちゃん子~
北さんはおばあちゃん子です。
おばあちゃんは北さんに”ちゃんと”することの大切さを伝えた人物であり、北さんはそれを忠実に守っています。
おばあちゃんもそんな北さんのことを溺愛しているようで、春高ではわざわざ地元兵庫から東京まで北さんの応援に駆けつけていました。
そしておばあちゃんのセーターの胸には「信介頑張れ」という文字が。
なんとおばあちゃんの自作だそうです。
単行本のおまけエピソードでは、このセーターについて触れているエピソードがあり、おばあちゃんは英語の方がかっこいいけど文字数が多いから漢字にしたと発言していました。
それに北さんは「漢字の方がかっこええよ」と。
こういうおばあちゃんとの優しい関係性っていいですよね。
「ハイキュー‼」北信介の活躍と名言、その後の進路
チームを引き締め、慕われる北信介の活躍と名言
それでは北さんの作中での活躍について、その名言とともに振り返っていきましょう。
烏野高校との試合途中で投入された北さんに烏野は警戒しますが、それを察した北さんは胸中でこう呟きます。
「凌ぎ役やから怖がらんでもええよ」
ややもすれば無気力ともとれる言葉でしたが、北さんにとってはそうではありません。
「喝采は要らん。ちゃんとやんねん」
確実でミスのない北さんのプレーに、ただでさえ劣勢だった烏野は追い詰められていきます。
北さんの存在に稲荷崎メンバーの気持ちも引き締まり、スーパープレーを連発していくのですが、烏野高校もそのままでは終わりません。
最終的には宮兄弟のプレーを日向と影山のコンビが上回り、稲荷崎は敗退してしまいます。
試合後、北さんに謝罪する宮兄弟でしたが、北さんはそれを悪いことをしたわけでもしたと思っているわけでもないのに謝るなと、北さんなりに彼らを慰めます。
ただ思わず漏れた本音は、
「どや俺の仲間すごいやろって、もっと言いたかったわ」
「言ってくださいよ」
「孫の代まで自慢できる後輩になりますから」
この誓いは、後に大きな舞台で果たされます。
卒業後は米農家へ、独自ブランド米「ちゃんと」で「おにぎり宮」と提携
卒業後の北さんはバレーから離れ、米農家となっていました。
独自のブランド米「ちゃんと」を生産しているということでしたから、恐らく高校卒業してすぐに就農したんでしょうね。
宮治が経営する「おにぎり宮」とは生産契約を結んでおり、かつてのチームメイトとの絆は健在の様です。
そして2021年のオリンピック。代表に選ばれたかつてのチームメイト、宮侑と尾白アランの勇姿を「おにぎり宮」で観戦しながら、満面の笑みを浮かべて北さんは言いました。
「どや俺の仲間、皆すごいやろ」
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