今回はヤンマガ本誌で連載中の図書館お仕事コメディ「税金で買った本」から、主人公・石平くんの友人「山田 栄介(やまだ えいすけ)」について解説します。
山田は主人公の石平くんとよくつるんでいた悪友。
典型的なおバカキャラですが、愛嬌とかわいげのある根は素直な少年です。
登場当初は図書館通いを始めた石平くんに反発していたものの、石平くんが楽しそうに働いているのを見て「ならいーや!」とすぐに受け入れていました。
本記事ではそんな愛されるバカ・山田のプロフィールや人間関係、主な登場話を中心に解説してまいります。
「税金で買った本」山田栄介のプロフィール
山田栄介は主人公の石平くんと同じ高校に通う同級生。
石平くんとその友人・灰坂とは高校に入ってからの付き合いで(詳細は後述)、よく一緒にヤンチャをしていた悪友です。
外見はいかにもバカっぽそうな小柄な少年で、鼻の頭の絆創膏がトレードマーク(つけてないことも稀にある)。
性格はとにかくバカ。しかし愛嬌とかわいげのある愛されるバカです。
頭が悪くて話が理解できないことはあるものの、基本的には話の通じる素直な良い子。
ただ素直過ぎてすぐなんでも言葉に出してしまい、よくヤンキーの先輩たちからは殴られてケガばかりしています。
初登場は6~7話の「放浪する青」。
急に図書館で働き始めた石平くんの変化に戸惑い、灰坂と共に彼をヤンキーの世界に引き戻そうとしていました。
しかしその後、石平くんが楽しそうに働いているのを見て「ならいーや!」とすぐに和解。
灰坂と共に、再び石平くんとつるむようになります。
ちなみにキャラ名は小説家兼漫画家の「山田詠美」、および小説家の「山田悠介」から。
「税金で買った本」山田栄介とその友人(石平・灰坂)
石平くんと灰坂の弟分
石平くんや灰坂とよく3人で行動している山田ですが、彼は石平くんのようにケンカが強いわけではなく、灰坂のように悪知恵が働くわけでもありません。
かわいげ以外特にこれといってとりえのない山田は、3人の中では弟分的な立ち位置。
石平くんや灰坂が彼を下に見ているわけではありませんが、何というか「こいつバカだな、しかたねーな」と思って面倒を見ている感じですね。
山田自身も「バカだぜ、俺はっ」と自分の頭が悪いことを認めているので、そうした扱いに特に不満はない模様。
石平くんや灰坂の言葉には素直に従っています。
石平くんの変化に戸惑い、(一瞬だけ)反発していた
いつもつるんでヤンチャをしていた3人ですが、ある時から石平くんは図書館で働き始めるようになり、山田や灰坂と少し距離を置くようになります。
そんな石平くんの変化に、当初は「つまんねー奴になっちまった」と反発していた山田たち。
しかし山田が反発していたのはほんの一瞬(灰坂とはそこそこ拗れます)。
実際に石平くんが図書館でイキイキ働いているのを見て、石平くんの本質が変わっていないことを理解し、あっさりと彼の変化を受け入れることに。
その後は灰坂と共に石平くんと和解し、一緒に行動している姿が良く見られます。
「税金で買った本」山田栄介の主な登場話(ネタバレ注意)
放浪する青(6~7話)
前述した通り山田の初登場は6~7話の「放浪する青」。
灰坂と共に突然図書館で働き始めた石平くんに反発し、彼をヤンキーの世界に引き戻そうと現れます。
ただこの時の山田は灰坂の子分的な立ち位置であまり目立っていません。
突如現れた白井の筋肉に撃退され、あっさり退場していきました。
屋根裏の散歩者(10話)
山田メインの本格的なエピソードがこの「屋根裏の散歩者」。
突如図書館で働き始めた石平くんのことを探ろうと、こそこそ隠れて石平くんを付け回す山田。
石平くんに見つかった山田は早瀬丸さんから「屋根裏の散歩者」の朗読CDを勧められます。
退屈だという主人公にかつての石平くんを重ね合わせる山田。
山田は石平くんがつまらない仕事をイヤイヤするようなつまらない人間になってしまったように感じて反発していたことを自覚します。
しかし図書館で楽しそうに働く石平くんを見て、石平くんの本質は変わっていないことを理解。
あっさり石平くんと和解したのでした。
ハードコア人生相談室(17話)
「モテる方法がわかる本とかさ」
「図書館にねぇの?」
このエピソードはそんな山田のバカな質問から始まります。
あるわけねーだろとバカにする石平くんでしたが、早瀬丸さんの答えは「ある」。
複数ある本の内、恋愛術系の本は難しくて読めず、人生相談系の本を紹介された山田。
そして彼は「お前の好きなお前になれ」というシンプルな答えに感銘を受け、納得します。
山田は石平くんたちが変わっていく中、自分も何かしなければと思っていただけ。
モテたいというより自分に自信が欲しかっただけだったのです。
そんな山田の思考が理解できない石平くんは大いに混乱し、振り回されるのでした。
ぼくは勉強ができない(55~56話)
こちらは山田と石平君・灰坂との出会いを描いた過去エピソードです。
女生徒を殴って謹慎処分になったという噂が流れていた山田。
しかしその殴った理由が分からず、周囲は面白がってその理由を噂していました。
好奇心から殴った理由を知りたいと思った石平くんは、直接殴られた女生徒と山田に話を聞きに行くことに。
実は山田は女生徒を殴っておらず、女生徒は突然怒った山田にぶつかって転び、捻挫しただけ。
そして山田は、勉強を教えようかという女生徒に、自分がバカだと思われていると勘違いし、悔しくてその場を逃げ出しただけだったのです。
石平くんのとりなしもあり、山田が女生徒に謝って事態は収束。
当時の山田は今のように何でも素直に口にする性質ではなく、またバカだと思われることに凄い抵抗があったみたいですね。
ちょっと暗めの山田も、これはこれでかわいかったです。
宇宙のひみつ(66話)
匿名で図書館に本を寄贈し、職員を困らせただけでなく、筆跡からあっさり石平くんに正体を見破られ、石平くんに恥ずかしい思いをさせた山田。
石平くんから寄贈手続きを促され、山田は改めて図書館に向かいます。
寄贈を断られるものだと思っていた石平くんですが、寄贈担当・今村さんの答えは「ありがとうございます」。
実は山田が寄贈しようとした「うちゅうの秘密」は地元郷土資料かつ児童図書であり、図書館としても貰ってありがたい本だったのです。
その本は山田が小学生の時、義理の兄からもらった本。
自分が義兄からもらったように、この本を子供たちのために役立てて欲しいと思い寄贈したそうです。
山田の成長がうかがえるエピソードでした。
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