今回はヤンマガ本誌で連載中の図書館お仕事コメディ「税金で買った本」から、愛する図書館と本を守るためマッチョになった男「白井 里雪(しらい さとゆき)」について解説します。
白井は図書館の資料係で本の廃棄・弁償を担当している若手男性司書。
元は根暗で貧弱な文学青年でしたが、ある時クソ利用者から図書館と本を守るため筋トレに目覚めてムキムキに。
何かあればすぐ腕力に訴えるようになってしまった真面目なバカです。
本記事ではそんな筋肉(白井)のプロフィールや人間関係、彼が作った「クソ利用者図鑑」などを中心に解説してまいります。
「税金で買った本」白井里雪のプロフィール
基本プロフィール
白井里雪(しらいさとゆき)は主人公のヤンキー・石平くんが働く図書館の若手男性司書です。
外見は四角いフレームのメガネをかけた長身マッチョの真面目そうな青年。
性格は基本根暗で人間嫌い、正義感が強くて考え方も立派なんだけど粘着質、何かあればすぐ腕力に訴えようとする真面目な問題児です。
そんな白井も昔からマッチョだったわけではなく、元々は本と図書館が大好きなだけの典型的な貧弱文学青年でした。
しかし図書館で働くようになり、クソ利用者の理不尽な暴言や仕打ちに晒され続けた白井は、ある日「人間も動物」「自分より強そうなものとは争わない」ことに気づきます。
そして愛する図書館と本を守るため、強そうな見た目を手に入れようと筋トレで自らを鍛え、現在のような筋肉ダルマへと変貌を遂げました。
その副作用で若干口が悪く、ズケズケものを言うようになってしまいましたが、そこはご愛敬。
常時筋肉でクソ利用者を威嚇し続け、何かあればすぐ腕力に訴える問題児ではありますが、クソ利用者が絡まない限りは真面目で良識的な好青年です……一応。
ちなみに全く泳げないカナヅチ。
キャラ名は推理作家の「白井智之」から。
資料係で廃棄・弁償を担当する非正規職員
白井は図書館では資料係、主に本の廃棄や弁償を担当しています。
特に弁償は一番利用者と揉めるところですから、武闘派の白井にはピッタリの仕事ですね。
とは言え白井は横暴な態度で弁償を拒否するクソ利用者にはやたら攻撃的になりますが、同情の余地がある相手や女性の相手は苦手。
筋肉や暴力が封じられた白井はただの白井、やはりかなり苦労しているようです。
ちなみに白井は早瀬丸さんや今村さんらと同様に安月給の非正規職員。
それでも図書館が大好きだからと薄給に見合わない仕事を続け、家賃1万8千円のボロアパート住まいで結婚もどうせできないと諦めつつも、それなりに満足して暮らしています。
手先が器用なことに目を付けられ、時々児童係の朝野さんに無給で子供たちのために紙芝居の小道具などを作らされていますが、それはそれで幸せそうです。
……誰かいい人(安定収入必須)、こいつを貰ってくれねぇかな。
「税金で買った本」白井里雪と石平くん
白井にとって主人公のヤンキー・石平くんは、元々本の弁償を拒否するクソ利用者の一人でした。
いつも通り筋肉で石平くんを威嚇し、弁償しろと迫る白井。
しかし白井はこの時、石平くんに本を弁償させたいというだけでなく、本を弁償して彼に図書館を利用して欲しいと感じていました。
石平くんの”何かを知りたい”という想い、彼が真に図書館を必要としている人間であることを、白井は何となく感じ取っていたのです。
だからでしょうか。
石平くんが弁償を終え、図書館で働きだした時も、何だかんだ白井は石平くんに好意的。
石平くんに振り回され、迷惑そうな顔をしつつも、同じ図書館を必要とする者同士、彼に仲間意識を抱いているフシがあります。
石平くんの貧しい家庭環境などを知るにつれ、彼が図書館を利用できるようになったことを心から喜んでいました。
「税金で買った本」白井里雪と早瀬丸さん
白井にとって早瀬丸さんは尊敬する先輩司書です。
早瀬丸さんのことを美人だとは認識していますが、特に恋愛感情のようなものは無し。
自分とは違って暴力に頼らない方向で強くなった早瀬丸さんのことを、白井は心から立派な人だと認識しています(ただし自分もそうなろうとは思わない)。
逆に早瀬丸さんからすると、白井は良い子なんだけど問題児。
何かあればすぐ腕力と暴力に訴えようとする彼のことを完全に持て余しています。
誰に対しても丁寧な早瀬丸さんですが、白井に対してだけは時折呼び捨てにしてぞんざいな扱いをしていますね。
ちなみにまだ貧弱な坊やだった頃の白井に筋トレを勧めてしまったのが早瀬丸さん。
彼女は当時の自分の迂闊な発言を、フランケンシュタイン博士のごとく後悔し続けています。
「税金で買った本」白井里雪とクソ利用者図鑑
白井は常に図書館でクソ利用者たちと戦い続けています。
しかしいくらクソ利用者に怒っても実際に殴るわけにもいかない白井は、自らの怒りを客観視するため、図書館の「クソ利用者図鑑」を家で作っていたことがありました。
そうしてクソ利用者の情報を体系化することで、一歩ひいて冷静に見れるようになる、ということのようです。
「クソ利用者図鑑」は利用者の特徴と、クソ度を★の数で表わしており、その一例を挙げると、
リリアンの女
クソ度★
既に案内し借りているはずの「リリアン」の本のレファレンスを来館の度に繰り返し、お気に入りの職員を”おはなし”で長時間独占する困ったちゃん。
アンケートおじさん
クソ度★★★
「ストライプと水玉どっちが好き?」など職員に何十問も質問するおじさん。
学術的な調査かもしれないが若い女性職員ばかり狙っているのでどうだか……
黒ニット帽の変態
クソ度★★★★★★★★★★
下半身を露出する。
逃げ足が異常に速い。
雑誌クソジジイ
クソ度★★★★★
ビジネス誌の発売日に最新号が少しでも遅れると女性職員を怒鳴りちらす。
俺ホント嫌いコイツ。
石平くん
クソ度???
異常な知識欲と行動力。
なにをするのかわからないのが一番困る。
紫の封筒の男
クソ度(不明)
今村さんのストーカー。
返却本の中に今村さん宛の紫の封筒に入った手紙を大量に仕込んでいた。
ちなみに、白井はその「クソ利用者図鑑」の存在をうっかり石平くんに話してしまい、現在「クソ利用者図鑑」は石平くんに貸し出されています。
「税金で買った本」白井里雪の本音
作中で白井本人が言っていることですが、根暗陰キャだった彼は人間が大嫌い。
だから本が好きで、本のための仕事がしたいと図書館員になりました。
普段同僚の職員とは問題なく接していますが、仕事が終わった後はあまり人と関わりたくないと、飲み会などにも滅多に参加しないタイプです。
ただ本のための仕事といっても、実際の図書館の仕事は人と接し、人と本とを繋ぐ仕事。
その理念をなぞって頑張ってはいますが、人と関わることは苦手だと公言しています。
しかし、作中で石平くんに指摘されたことですが、結局のところ本とはそれを書いた人そのもの。
結局、本が好きだという白井は人が好きで、本音は人のためになる仕事がしたいと考えて図書館で働いているのです。
言葉にすると嘘くさく、気恥ずかしい内容ですが、白井は徐々にそんな自分の本音と向き合っていくことになります。
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