今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、人類の天敵「魔族」について解説します。
魔族とは人に良く似た姿をとり、人の言葉を話し、人を欺く人食いの魔物。
本作における敵性種族の代表格に位置づけられる存在です。
強大な力を持つ天性の魔法使いであり、魔王が滅んだ今なお人類を苦しめ続けている魔族。
本記事では魔族の定義や特徴、その魔法や社会構造を中心に解説してまいります。
「葬送のフリーレン」魔族とは(定義)
本作における魔族とは強大な力を持つ人類の天敵であり、魔物の一種。
この世界では「人間を捕食する危険な人食い種族」を魔物と呼びますが、その中でも「言葉を話す魔物」を大魔法使いフランメは「魔族」と定義づけました。
魔族の外見上の特徴は頭部に二本の角があること。
人間に非常に似通った整った容姿をしている個体が多いですが、時折腕が四本あったり人間離れした個体も存在します。
人の言葉を話し、人と意思疎通を行うことができますが、その精神性は人間とはかけ離れたものとなっており、相互理解は不可能(詳細は後述)。
その寿命は非常に長く、少なくとも数百年以上はゆうに生きるようです。
勇者ヒンメル一行によって魔王が倒された後も人類最大の脅威として人々を苦しめ続けており、特に大陸北側諸国では人類と支配圏を巡って苛烈な争いを繰り広げています。
「葬送のフリーレン」魔族の特徴・精神性
魔族とは人類と同等の知性を持ち、強力な魔法を操る亜人に似た存在です。
しかし魔族はエルフやドワーフとはその精神性が決定的に異なります。
魔族には悪意や正義感、罪悪感や愛情といった人類にあって当たり前の感情が存在しません。
怒りや悲しみ、恐怖といった感情はあるので、感情そのものがないわけではないのですが、そこから一歩進んだ人間的な何かを彼らは持ち合わせていないのです。
そもそも人間と魔族は見た目こそ似ていますが、その構造には根本的な差異があり、祖先からして異なる種族とされています。
魚とイルカみたいなものですね。
魔族が言葉を操る理由は人類を欺くため。
フリーレンはその祖先を「人をおびき寄せるために物陰から『助けて』と声を発した魔物」と語っていました。
そのため魔族はその精神性が人類と決定的に異なりながらも人を信頼させ欺く能力にとても長けています。
「葬送のフリーレン」魔族の魔法
魔族は生まれついての強大な魔法使いです。
魔族は長い寿命の中で一つの魔法の研究に生涯を捧げ、その魔法を研鑽する種族。
魔法の練度や効果、特異性は人類の魔法をはるかに凌ぎ、魔族の魔法には人類の魔法技術では「呪い」と呼ばれ解析できないものも多く存在します。
基本的に魔族はたった一つの魔法しか使わないのですが、中には人類の魔法を使用する者も。
ただ人類に興味を持って積極的に人類の魔法を学んだような変わり者はごく一部で、大半は「人類の魔法など魔族にとっては魔法ではない」と考えているのだろうと推察されています。
「葬送のフリーレン」魔族の社会構造
魔力を基準とした実力主義社会
魔族は基本的に超個人主義。
子育ての習慣がなく、産み落とされて多くの時間を天涯孤独に過ごすため、家族という概念すら存在しません。
社会性はほぼ皆無で、利害が一致すれば手を組む程度のことはしますが、その関係性はやはり利己的で油断ならないものとなっています。
そんな魔族も人類と戦うために最低限の組織的繋がりは有しています。
組織には一定の秩序が必要ですが、魔族にとってのヒエラルキーは「強さ=魔力の大きさ」。
人類が地位や財産を誇示するように、魔族は魔力と魔法に強い誇りを持ち、誇示し続けています。
魔王・七崩賢・将軍とは
魔族は魔王が存命だった際には、魔王を頂点とした一種の国、軍のような組織が形成されていましたが、魔王が討たれて以降、組織的な行動はほとんど見られないようです。
魔王の存命時、人類最大の脅威であったのが北側諸国を中心に大陸の要所を支配していた魔王直下の大幹部「七崩賢」。
勇者ヒンメル一行も「七崩賢」の内、二人しか倒しておらず(「不死なるベーゼ」「奇跡のグラオザーム」)、三人(名称不明)は人類最強の南の勇者が討伐(その後、南の勇者は魔王の腹心「全知のシュラハト」と相討ち)。
残る二人は逃亡・消息不明で魔王が亡くなった後も生き延びていました。
その二人は次の通り。
魔力に劣る者を自在に操る「服従させる魔法(アゼリューゼ)」の使い手。
非常に狡猾な魔族でしたが、後にフリーレンの魔力偽装に騙され、自らの魔法で逆にフリーレンに支配され、死亡しています。
「万物を黄金に帰る魔法(ディーアゴルゼ)」を操る最強の七崩賢。
人類に興味を持ち、人類との共存を目指していましたが、その精神性の違い故に最後まで人類を理解することができず、最期は弟子であったデンケンに倒されています。
またこの他に「将軍」と呼ばれる魔族(「神技のレヴォルテ」など)がいますが、これは魔族の幹部という意味ではなく、熟練の魔族の戦士を指す呼称。
彼らは魔法を極めるのではなく強大な魔力で身体能力を強化し武術を操ります。
中には何百年もかけて武を極めた連中もいて、魔王軍には勇者一行の戦士アイゼンより強い将軍もいたのだとか。
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