今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、聖域の守護者「エピメテウス」について解説します。
エピメテウスは始まりの英雄「アルゴノゥト」の物語より前の時代に存在した古の大英雄。
神プロメテウスが地上に落とした「炎鷲の嘴(エトン)」を用いてオリンピアから魔物を焼き尽くすなど、多くの功績を打ち立てました。
ただその後、ダンジョンが生み出した漆黒の魔物に敗北を繰り返し、後世では敗残者として蔑まれることに。
本記事ではエピメテウスのプロフィールや強さ、「アエデス・ウェスタ」で語られた情報を中心に解説してまいります。
「ダンまち」エピメテウスのプロフィール
基本プロフィール(声優など)
エピメテウスは「アルゴノゥト」の物語(約3000年前)より前の時代に実在した大英雄。
人々が魔物に蹂躙される地上を憐れんだ神プロメテウスが地上に落とした「天の炎」を用い、聖域オリンピアから魔物を駆逐するなど数々の功績を打ち立てました。
始まりの英雄アルゴノゥトも、故郷を魔物に滅ぼされた際にエピメテウスによって救われており、彼に強い憧れを抱いていたそうです。
ただその後、ダンジョンは漆黒の魔物と呼ばれる、神の力が通じない化け物を生み出してしまい、エピメテウスはそれらに連戦連敗。
後世では愚物、敗残者として蔑まれてしまっています。
それでもエピメテウスは「プロメテウス教団」を組織し、炎の加護を授かった戦士たちとプロメテウスの信託により、三千年に渡って聖域オリンピアだけは守り抜いてきました。
声優は江口拓也さんが担当。
元ネタはギリシャ神話のプロメテウスの弟
エピメテウスの名前の元ネタは、ギリシャ神話に登場するプロメテウスの弟です。
プロメテウスはゼウスから火を盗んで人類に与え、その罰として山頂に磔にされ生きたまま巨大な鷲に肝臓をついばまれることとなったティターン神族。
兄は先見の神として有名ですが、エピメテウスは兄弟たちに能力を奪われた愚鈍な神とされています。
名前の意味も「加えて考える者」で「後知恵」のニュアンスが含まれています。
愚鈍なエピメテウスは特に何をしたわけではないのですが、プロメテウスの巻き添えを食う形でゼウスから罰せられてしまったそうです。
「ダンまち」エピメテウスと炎鷲の嘴(エトン)
エピメテウスが振るったとされる「天の炎」は、またの名を神創武器「炎鷲の嘴(エトン)」。
アフロディーテ曰く「神を苛み天の力を御する炎の神器」であり、神を「送還」ではなく「殺害」することが可能となっています。
形状は炎を纏った大剣。
デミ・アルカナムとも称される反則そのものの武器であり、その力は地上を焼き尽くしかねないほどに強力です。
ただ「神の力」と同質であるが故に、それを無効化する力を持つダンジョンの後だしジャンケン「漆黒の魔物」には通じないという欠点も。
精霊の武器と同じく使い手であるエピメテウスに神の恩恵(ファルナ)と同様の高い身体能力を付与。
作中ではエピメテウスの技量もあって、神時代の猛者たちさえまとめて返り討ちにしていました。
「ダンまち」エピメテウスの正体と目的
古代の英雄であるエピメテウスは「天の炎」の加護により、三千年の時を超えてなお生き続けていました。
ただ対外的にはそれを秘して、エピメテウスの子孫にしてオリンピアの神儀長エトンと名乗ってプロメテウス教団を纏めていた形です。
ある時から「天の炎」は穢れを纏うようになり、その対処をするため炎を司る神であるヘスティアやヘファイストスがオリンピアに招聘されたのですが、そこでエピメテウスが造反。
エピメテウスはこの穢れにより変質した炎であれば漆黒の魔物にも通じると考え、自分を愚物と蔑んだ神々を見返すため、穢れた炎で隻眼の黒竜を焼き払おうと考えていました。
その結果として地上も焼き払われてしまうことになりますが、エピメテウスは神々を見返すことができればそれで構いません。
かつて英雄と呼ばれながら一転守ってきた人々に蔑まれ、あまつさえ共に戦い死んだ仲間の墓すら立てられず愚弄された彼は、とうの昔に擦り切れてしまっていたのです。
「ダンまち」エピメテウスとプロメテウス
エピメテウスに力を与え、神託という形で導いてきた神プロメテウスですが、エピメテウスは最後の時までプロメテウスの正体を知りませんでした。
プロメテウスは信者たちに神の恩恵を与えることなく、神託という形でのみ接していたため、教団内部でもその正体を知る者はいなかったのです。
プロメテウスの正体は教団内で未熟な巫女として振る舞っていた少女イリア。
エピメテウスは他のもっと成熟した巫女が実はプロメテウスなのではと疑っていたこともありましたが、イリアの正体がプロメテウスだとは全く思ってもみなかったそうです。
プロメテウスは自分が「天の炎」を授けたことで苦しむこととなったエピメテウスに負い目を感じており、エピメテウスはプロメテウスを憎んでいました。
ただエピメテウスがプロメテウスに向けた感情は、単に一言で語れるものではなく……
「ダンまち」エピメテウスの最後
隻眼の黒龍を地上ごと焼き払おうとした目論見がベルたちによって打ち砕かれ、敗北したエピメテウス。
「天の炎」を失い、寿命を迎えた彼は、最後に仲間たちの遺骨を撒いたオリンピアの海を訪れます。
そこにいたのは最後に正体を明かした神プロメテウス。
凡人であるエピメテウスに力を与え、苦しめてしまったことを謝罪するプロメテウスに、エピメテウスは子供の用に憎しみをぶつけます。
それでも最後にエピメテウスは自分の物語があの英雄の卵に繋がっていたことを理解し、ささやかな救いと共にその長い人生に幕を下ろしました。
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