今回はヤンマガ本誌で連載中の図書館お仕事コメディ「税金で買った本」から、小説家「十六夜かなき(いざよいかなき)」について解説します。
十六夜かなきは「税金で買った本」の作中で登場する架空の小説家。
この作品では基本的に実在する作家や本を取り扱うことが多いので、十六夜かなきは当初から異色の存在として注目されていました。
そして「読書感想文の書き方」編で石平くんの父親であったことが判明した十六夜かなき。
本記事ではそんな彼のプロフィールや登場話、人間関係を中心に解説してまいります。
「税金で買った本」十六夜かなきのプロフィール
基本プロフィール
十六夜かなきは「税金で買った本」の作中に登場する架空の小説家。
主人公の石平くんが図書館に足を運ぶきっかけとなった小説「放浪する青」の作者です。
「税金で買った本」では実在する作家や本を題材に取り上げることが多いのですが、十六夜かなきという作家やその作品は現実には存在しません。
作中に本人も登場していますが、目元は影で隠されており素顔は不明。
優しく善良ではあるものの、少し頼りない雰囲気の男性です。
ペンネームの由来と代表作
十六夜かなきのペンネームの由来は月。
「かなき」とは「十七夜」の読み方の一つで、「十六夜」と繋げてこんなペンネームにしたのだろうと言われています。
また彼の本名(名字)は「金木」なので、そこから「かなき」→「十七夜」→「十六夜かなき」となったのでしょう。
代表作は作中で話のタイトルにもなっている「放浪する青」。
いじめられていた少年が父親に誘拐されて旅に出る話で、元は売れないライトノベルだったのが、大幅加筆して一般書として出しなおしたものが大賞をとった作品です。
話の結末もそれに合わせて変わっており、最初は主人公が遠いところに行って終わりだったのが、改訂された内容では元居た街に戻ってきていました。
この他にも作中では「シュリンクスの笛」という元妻との過去を題材にしたラブロマンスも登場していました。
「税金で買った本」十六夜かなきの登場話(何話)
「放浪する青」(1、6、7、14話)
作中で十六夜かなきという作家の名前が初めて登場するのが、彼の作品が話のタイトルにもなっている6~7話「放浪する青」。
「放浪する青」は石平くんが昔から好きだった作品で、実は第1話で石平くんが図書館で最初に借りた本も「放浪する青」でした。
「放浪する青」が登場するエピソードは本好きだった元父(離婚して母親に引き取られた)との思い出を中心に描かれています。
石平くんにとって「放浪する青」という物語がいかに印象深く、元父の記憶と結びついたものであることが示唆されていました。
当初は「放浪する青」の”父親に誘拐されて旅に出る子供”という内容を、自分と元父の関係にリンクさせているものだと思われていましたが……
ちなみに「放浪する青」のモデルは色々あるそうですが、結末が変わる云々はSNSでずいの先生が桜庭一樹さんの「推定少女」が元はバッドエンドだけど編集側の意向でハピエンにしたりしたのを、新装版で結末複数収録してマルチエンディングにしたのを元にしたと語っています。
「読書感想文の書き方」編(81~86話)
石平くんと十六夜かなき、父親との関係が描かれたのが81~86話の「読書感想文の書き方」シリーズ。
読書感想文コンクールのマークにどうして牧羊神パーンが使われているか不思議に思った石平くん。
彼はその疑問を解消するため、周囲に勧められ自ら読書感想文を書くことに。
彼が読書感想文の題材に選んだのは十六夜かなき作のラブロマンス「シュリンクスの笛」。
このエピソードの中で、実は石平くんの元父親が十六夜かなき本人であり、「シュリンクスの笛」は石平くんの母親との思い出を題材にしたものであることが判明します。
しかしその「シュリンクスの笛」には子供である石平くんは登場せず、元父親にとって自分はどんな存在だったのか石平くんは思い悩むことに。
最終的に読書感想文を書き終えた石平くんはそれを持って元父親──十六夜かなきの元へ向かいます。
すれ違いかけていた二人は互いの心の内を話し合い、そのわだかまりを解いたのでした。
「税金で買った本」十六夜かなきは石平くんの父親
十六夜かなきは石平くんの父親です。
といっても両親は彼が小学生の頃に離婚しており、正確には元父親。
更に十六夜かなきと石平くんは血が繋がっておらず、遺伝子上の父親は不明だそうです。
これは別に托卵とかではなく、両親はそのことを知った上で結婚しています。
血は繋がってはいないものの、石平くんは十六夜かなきにとって好奇心旺盛なかわいい子供で、色んな所につれていって、色んなことを教えて、とても大切にしていました。
「シュリンクスの笛」に石平くんを登場させなかったのも、その思い出を小説の焼き増しにしたくなかったからだそうです。
「税金で買った本」十六夜かなきと元妻リョーコ
十六夜かなきの元妻であり石平くんの母親である石平リョーコはアゲアゲなギャルです。
奔放であまり物事を深く考えない女性で、男性関係は色々あった模様。
石平くんの父親が不明と言うのもありますが、十六夜かなきと離婚した後は家を男性を連れ込んだりしていました。
ただちょっぴりアホな子なだけで基本的に根は善良。
離婚の原因も浮気とかではなく、売れない小説家でさっぱり働かない十六夜かなきに彼女が愛想をつかしたためです。
ちなみにビブリオバトル編では二人の過去を題材にしたラブロマンス「シュリンクスの笛」を目の前で紹介され、その解釈違いに苦しむ石平くんの姿が描かれています。
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