今回はアニメ化、実写化もされた大人気漫画「弱虫ペダル」から、熱く頼れる巨漢スプリンター「田所 迅(たどころ じん)」について解説します。
田所は千葉総北のエーススプリンターであり、後輩たちから特に頼られ慕われる熱い男。
IHでは体調不良により脱落しそうになったものの、小野田くんの「恋のヒメヒメぺったんこ」の歌で復活したという凄まじいエピソードの持ち主でもあります。
本記事ではそんな田所の過去や人間関係、IHでの活躍、大学生活などを中心にその魅力を深掘りしてまいります。
「弱虫ペダル」田所迅ってどんな奴?
基本プロフィール(誕生日、身長、声優、自転車)、実家の田所パン
所属 | 千葉総北高校 → 筑士波大 |
身長 | 185cm |
体重 | 74kg |
誕生日 | 10月16日 |
タイプ | スプリンター |
愛車 | SPECIALIZED(白い車体に黒ロゴ) |
声優 | 伊藤健太郎 |
田所迅は千葉総北高校自転車部における主人公・小野田坂道たちの二つ年上の先輩で、全国でも屈指の実力を持つエーススプリンターです。
外見は熊のような肉厚の巨漢で、性格も見た目通り豪快そのもの。
しかし意外に気配り上手で情に厚く、後輩たちに親身になって指導する面倒見の良い男でもあります(中学時代は学級委員をしていたほどの真面目少年だったそうです)。
実家は「田所パン」というパン屋で、作中では田所が大量の肉と野菜とハチミツとともに実家のパンを頬張っている姿が描かれています。
キャラクターイメージはまんま「熊」で、パンよりもハチミツが大好物。特にハチミツご飯に出汁醤油をかけて天かすを振りかけた「蜂蜜丼」がお気に入りだそうです。
「暴走の肉弾頭」の異名を持つエーススプリンター
田所は典型的なパワータイプのスプリンター。
「暴走の肉弾頭」と呼ばれるそのスプリントは圧巻の一言で、平坦では間違いなく全国屈指の実力者です。
そんな田所最大の武器は圧倒的な肺活量。
大量の酸素を取り込むことで肉体のパフォーマンスを最大限に発揮する「酸素音速肉弾頭」という必殺技の使い手でもあります(これは後輩の青八木にも受け継がれていますね)。
一方、筋肉質で身体が重いため、登りは苦手。
実は元々エース(=オールラウンダー)を志望していたのですが、身体の重さばかりはどうしようもなく、登りは諦めスプリンターに転向しています。
「弱虫ペダル」田所迅の人間関係
面倒見がよく、手嶋、青八木、鳴子から慕われる
田所は恐らく、同年代の金城や巻島と比べ、群を抜いて後輩に対する面倒見が良い男です。
一つ下の手嶋と青八木には特に熱心に指導しており、1年目のIH前合宿では手嶋と青八木が「田所さんと一緒にIHに行くんだ」と限界を超えて激走する姿が描かれています。
田所もそんな二人の勝利を信じ、最後は力尽きた二人を抱きしめ涙していました。
……一応、手嶋はこの時クライマーとして巻島に指導を受けてたはずなんですが、そっちはお互いに無反応でしたね(まあ、こっちは手嶋のクライマー転向のための後付け設定なんでしょうけど)。
二つ下の鳴子とは、鳴子の負けん気の強い性格もあって師弟というよりライバル関係。
レース中でも協力なんかお構いなしにバチバチにやり合っていました。
それを上手く許容しているところも田所の懐の深さで、鳴子も「オッサン」と呼んで田所を慕っていたようです。
かつての主将、寒咲通司の言葉でスプリンターへ転向
高校で自転車競技部に入部した当初、田所は自転車競技の経験者だったこともあり、高校ではエースになろうと意気込んでいました。
しかし蓋を開けてみると、1年生レースでは初心者にも負けて最下位。
IH前の合宿では登りのために少しでも身体を軽くしようと過度のダイエットをしたことでハンガーノックとなり、2日目でリタイアという散々なありさまでした。
次期エースと期待される金城と張り合い、必死に練習を重ねても勝てず、とうとう田所は当時の主将、寒咲通司に退部届を提出します。
「勝ちてーならやれ」
「負けていいならやめろ」
「”勝ちてーのにやめる”」
「そんな選択肢はねぇ!」
おそらく、寒咲は田所が本当に諦めていたのなら引き留めはしなかったでしょう。
寒咲は田所の未練を見抜き、勝ちたいのなら苦手な登りはいったん捨てて、平坦を極めろと告げます。
そして田所はその言葉に応え、後に総北のエーススプリンターにまで成長しました。
「弱虫ペダル」田所迅の活躍と名言、卒業後の進路(大学編)
卒業後は東堂尽八と同じ筑士波大に進学、大学に自転車競技部はなかったが……
高校卒業後、当初は明早大(留学が決まる前の巻島が進学予定だった大学)への進学を希望していましたが、結果は不合格。
最終的には筑士波大に進学し、アパートを借りて一人暮らしをしています。
ただ、筑士波大には自転車競技部が無かったため、サイクリング部に入部して少し物足りない日々を過ごしていました。
そんなある日、田所は箱根学園にいた東堂と出会い、彼が同じ筑士波大に進学していたことを知ります。
そして何と東堂のジャージには自転車競技部の文字が……東堂は自分で自転車競技部を創設していたんですね。
田所が東堂と同じチームでかつての仲間たちとしのぎを削る、大学編も熱い展開が期待されます。
IH初日はスプリントリザルト、2日目は体調不良で苦しむも小野田のヒメの歌で復活
それでは最後に、IHでの田所の活躍をその名言と共に振り返って行きましょう。
最初の見せ場は初日のスプリントリザルト。
箱根学園の2年生、泉田の実力に、田所は一緒に飛び出した鳴子もろとも圧倒されますが、スプリントラインぎりぎりで泉田に追い付きます。
そしてラスト、風で飛ばされたコーンが彼らの前を遮り、泉田はそれを回避。
しかし田所たちはリスクを承知でそのままコーンに衝突しながら走り抜け、見事田所がスプリントリザルトを獲得します。
泉田は負けたのはコーンのせいだと言いますが、田所は障害に対する思いの差が勝負を分けたのだと告げます。
泉田は「危ない」。そして田所たちは、
「”イケるかもしれねぇ”だぜ!」
その言葉に、泉田は静かに自分の敗北を受け入れました。
初日は見事な走りを見せた田所。
しかし二日目。
初日無理をした反動か、田所は体調不良によりまともに自転車を漕げなくなり、チームから遅れリタイアしそうになってしまいます。
そんな田所を小野田くんが皆の反対を押し切って救出にやってきます。
そしてどうやって追い付くのだと田所が尋ねると、小野田くんは自分に合わせて「ヒメ」と歌えと言い出したのです。
「アニソン上等!」
「歌ってやろうじゃねーか!」
前に追い付くためには小野田くんに合わせて「恋のヒメヒメぺったんこ」を歌わなければならない。
意味不明ですが、実際に歌うことで速くなる小野田くんを見て田所さんは腹を括り、IHの大舞台で「ヒメ」と絶叫します。
「俺は今お前に感謝してもしきれねェくらい感謝してる」
「小野田……ありがとよ」
「俺はこの目でもう一度あのジャージを見られるとは思わなかった」
「戻ってきたぜチーム総北!」
何故か歌っているうちに体調が回復し、自力で走れるまでになった田所たちはチームに復帰。
田所は歓喜の涙を流します。
そして最終日、最後の登りを前に最初にチームの先陣を切ったのが田所でした。
「おめーはしばらく足休めてろ」
「ここからは俺一人の力で追いつく」
「先、言っとくぜ」
「ありがとよ、三年間」
山ではスプリンターである自分は役に立てない。
だからその前に全力でチームを引き、残る者たちに想いを託して、田所はチームから脱落していきました。
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