今回はアニメ化、実写化もされた大人気漫画「弱虫ペダル」から、ある意味最も謎に満ち話題となった男「古賀 公貴(こが きみたか)」について解説します。
古賀は千葉総北高校で主人公たちの一学年年上の先輩。
1年目は完全なモブでしかなかった男ですが、2年目の合宿で突如膨大なキャラクター設定が付与され、表舞台に躍り出てきました。
本記事では古賀が当初表に出てこなかった理由やその過去、反則疑惑のあるレース中の行為や後付け設定疑惑などを中心に考察してまいります。
「弱虫ペダル」古賀公貴ってどんな奴?
基本プロフィール(誕生日、身長、声優、自転車)
所属 | 千葉総北高校 |
身長 | 182cm |
体重 | 66kg |
誕生日 | 6月4日 |
タイプ | オールラウンダー |
愛車 | 黄緑のMERIDA(アニメではMORIDA) |
声優 | 中村悠一 |
古賀は千葉総北高校で主人公・小野田坂道の一学年上の先輩。
外見はメガネをかけた屈強な肉体の好青年で、基本的には穏やかで優しい性格の持ち主です。
古賀が本格的に物語に登場したのは2年目のIH前合宿からで、実はそれ以前にもこっそりシーンには登場していましたが、当初はただのメガネモブキャラでしかありませんでした。
それが突如IH前合宿で様々な設定が明かされ、主将である手嶋純太とレギュラーの座をかけて勝負を繰り広げることになるのですが、これ以前と後とでは古賀は全く別人と言ってよいほどの変貌を遂げており、読者からは様々な批判も寄せられていました(詳細は後述)。
最終的に古賀は手嶋に敗北し、IHではサポーターとしてチームを献身的に支えることなります。
才能に溢れエースとして期待されながら怪我で裏方に回っていた(初登場は)
元々古賀は入部当初は次期エースとして期待されていた才能あふれる選手で、彼が1年生の時には金城・巻島・田所らとともにIH広島大会にも出場しています。
しかしそのIHの舞台で大怪我を負ってしまい、それ以降はメカニックとして裏方に回っていたため、主人公たちが1年生の時は表にでてこなかった、という設定ですね。
原作漫画では1年目から1年生ウェルカムレースの回収班や、その後の杉元の個人練習相手として登場していました。
アニメ版ではそのあたりが青八木や手嶋に差し替えられていましたが、OPで自転車整備をしている様子が映っていましたし、1期5話の2、3年の会話シーンにもちらっと登場していました(セリフは当然ありませんでしたが)。
「弱虫ペダル」古賀公貴の人間関係
金城真護に憧れ、IHでは彼の負傷をカバーしようと焦って怪我を負う
古賀にとって一学年上の金城真護は憧れの存在です。
古賀が入部した時点で既に金城は千葉総北のエースとして活躍しており、そのスタイルも似通っていました。
自転車競技部入部当初、古賀が中学時代陸上部で「体力バカ」と呼ばれていたことを告げるエピソードがありますが、金城はそのあだ名を、
「いいアダ名だ」
「愚直で一本気な感じじゃないか」
と褒めており、古賀はそのことに感動しています。
尊敬すべきエースであり先輩である金城の背を、その頃から追いかけていたのでしょうね。
しかしその金城がIHで箱根学園の福富とのトラブルで負傷リタイアし、古賀は自分が金城の代わりにエースとして走ろうとするのですが、焦りからコースを見誤り落車。
大怪我を負って、2年近く本格的なレースから遠ざかることとなったのです。
手嶋のために”後付け”で作られたキャラだと言われたこともあるが……
古賀が物語に本格的に登場したのは、前述した通り2年目のIH前合宿。
主将である手嶋に対し、レギュラーの座をかけて勝負を挑むという形での登場でした。
その時点でIH出場メンバーとされていた6人の中で手嶋は最も才能のない凡人で、古賀はそんな手嶋より自分こそがこのメンバーを率いるのに相応しい、と主張したわけですね。
手嶋の側もその主張を認めており、この合宿で決着を着けようと勝負に応じます。
古賀の実力に終始圧倒される手嶋でしたが、気力で何とか食らいつき、最後は精神力で古賀に勝利するのですが、この展開には読者から様々な批判が。
その中で一番多かったのが、結局古賀は手嶋を上げるために後付けで作られたキャラクターなんじゃないの、というものでした。
実際、あれだけ強そうに登場した古賀が、何の捻りもない真っ向勝負で手嶋に負けてしまったわけですから、こうした批判もやむなし。
手嶋が勝つのは良いにしても、もう少し見せ方を工夫すれば手嶋の、ひいては古賀の株が下がることもなかったのに、と悔やまれる部分でした。
「弱虫ペダル」古賀公貴にまつわる謎・疑問点(なぜ?)
中学時代は陸上部→いつから自転車競技を始めたの?
中学時代は陸上部だったという設定の古賀ですが、これについては一つの疑問が存在します。
それはいつから自転車競技を始めたのか、というもの。
古賀には入部時点で有名な自転車レースで優勝した経験を持っている、という設定も存在するので、これだと陸上と自転車競技をしていたタイミングが被ってしまいますよね。
陸上部時代には誰より練習していたという発言もありますから、並行して二つの競技をしていた、というのは矛盾している気がします。
中3で陸上を引退して、すぐに自転車競技を始めて大きなレースで勝った、ということなのでしょうが……流石にそれは出来過ぎな気も。
また古賀には「あるレースで150人抜きを成し遂げ『轟音の古賀』というあだ名がついた」というエピソードもあり……1年目のIHで怪我をしたことを考えるとこれも中学時代の話?
このあたりのエピソードについては、設定を盛り過ぎて破綻している気がしますね。
IHで鏑木を押したのは反則じゃないの?
古賀の行動で一番物議を醸したのが、2年目のIH2日目。
体調不良により動けなくなっていた選手の鏑木を、直接自転車を手で押してサポートする場面があるのですが、これは反則なんじゃないの、というもの。
試合に参加しているチームメイトが手を貸すのはまだしも、観客に過ぎない古賀が直接手を貸すというのは普通に考えて反則だろう、と見ていた多くのファンが感じたことでしょう。
実際にはこの行為、かなりギリギリのラインではあるようですが、完全なアウトというわけではないようです。
レースだと観客から補給食や飲み物を貰う行為は普通に認められており、全く観客の手助けを受けてはいけないというわけではありません。
一時的に観客が自転車を支えることもあるみたいですね。
とは言え、観客が自転車を押すとなると、流石にすぐ失格になるようなことはないにしろ、見つかれば咎められても仕方のない行為……つまり、黒っぽいグレーです。
古賀は強いのになぜ手嶋に負けた?
IH前合宿の勝負において、古賀の実力は明らかに手嶋を上回っていました。
元々手嶋は戦略で勝負するタイプなので真っ向勝負ではあまり強くなく、力勝負で不利なことは分かり切っています。
にもかかわらず手嶋は古賀に真っ向勝負を挑み、しかもそれに勝利してしまいました。
漫画的な精神力の勝利と言えばそれまでかもしれませんが、あまりに不自然な展開でしたよね(だからこそ古賀が手嶋上げのための後付けと批判されている)。
強いてこの結果に理屈をつけるとすれば、真っ向からそれを表に出していたのは青八木だけでしたが、周囲の人間は皆少なからずポッと出の古賀ではなく、これまで主将としてチームを率いてきた手嶋の勝利を願っていました。
古賀はその空気を無意識のうちに感じ取ってしまい、最後の最後で足が緩んでしまったのかなぁ……
IHメンバーの決め方おかしくない?
そもそも古賀という実力者がいることが分かっていたのならば、1年生から当然のように出場選手を選ぶのはどうなんだ、という疑問もあります。
実際、2年目のIHでは1年生の鏑木はチームの足を引っ張る場面が目立っていましたから、手嶋と古賀のどちらかではなく、鏑木を外して古賀を入れるという選択肢もあったはずです。
古賀は鏑木の才能を認め、手嶋の才能の無さばかりを攻撃していましたが、シンプルに合宿の結果1~6位を最終的にメンバーとする、という決め方でも良かったんじゃないかなぁ?
フォーメーションとか作戦を早めに練習するとかいうなら先にレギュラーを決める意味もあるんでしょうが、実際そんな練習全然してなかったし。
物語的にも手嶋と古賀なら心情的に手嶋だけど、鏑木と古賀ならどっちも登場して間もないし、古賀でも良かった気がしますね。
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