今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、物語の原点「小さな巨人」と呼ばれた男「宇内 天満(うだい てんま)」について解説します。
宇内天満は主人公の一人・日向翔陽がバレーを始める切っ掛けとなった烏野高校のかつてのエース。
その存在は作中で半ば伝説のように語られていましたが、物語終盤、登場人物や読者の予想を裏切る意外な形で登場します。
本記事では「小さな巨人」宇内天満の現在やその後(バレーをやめた理由・漫画家)、彼が物語に与えた影響などを中心に語ってまいります。
「ハイキュー‼」宇内天満(小さな巨人)ってどんな奴?(声優除く)
基本プロフィール(何話に登場? アニメには出た?)
所属 | 不明(大学生・21歳) → 漫画家 |
ポジション | ウイングスパイカー |
誕生日 | 不明 |
身長 | 不明 |
体重 | 不明 |
最高到達点 | 不明 |
好物 | 不明 |
最近の悩み | 不明 |
声優 | ― |
宇内天満はかつて強豪と呼ばれていた烏野高校が春高に進出した際のエース。
バレー選手としては小柄ながら、その驚異的な跳躍力で得点を量産し、「小さな巨人」として一躍名を馳せた人物です。
主人公の一人・日向翔陽は偶然テレビで見た「小さな巨人」の活躍に憧れてバレーボールを始めており、「小さな巨人」は日向にとってオリジンとも呼べる存在でした。
永きに渡って宇内本人は作中に登場せず、回想シーンなどでその通称が語られるのみでしたが、338話でとうとう本人が登場。
回想では日向を黒髪にしたようなシルエットでしたが、21歳になった現在ではくせ毛を長く伸ばし、大人しそうな雰囲気の青年へと変貌していました。
春高準々決勝、烏野高校対鴎台高校戦直前の登場なので、アニメにはまだ未登場です(登場は劇場版かぁ~)。
関東の大学へ進学、烏野高校の活躍を聞いて春高を観戦に訪れる
高校を卒業した宇内天満は現在21歳で、関東の大学に通う大学生。
母校である烏野高校バレー部の春高での活躍を聞き、試合を観戦しに会場を訪れていました。
そこを同級生であった田中冴子に見つかり、試合直前の日向に引き合わされます。
憧れの人との出会いに興奮し、今はどこでバレーをやっているのかと尋ねる日向ですが、宇内はあっさりバレーをやめたことを告げます。
宇内はその理由を「どこからも声がかからなかったし、他にやりたいことがあった」と語っていますが、伝説的に語られていた選手の意外な現在には、日向以上に読者が驚きを隠せませんでした。
そして日向本人は……
「何でだろ、オレあんまがっかりしてない」
「ハイキュー‼」宇内天満(小さな巨人)の人間関係
かつての先輩、月島明光(月島兄)とはわだかまり無し?
作中で宇内天満と因縁深い存在だったのが、バレー部で宇内天満の1歳上の先輩だった月島明光。月島蛍の兄です。
明光はエースを目指して烏野高校バレー部に入部しますが、宇内の存在もあってバレー部では3年間レギュラーになれませんでした。
明光はそのことを弟の蛍に隠して自分がエースだと嘘をついており、それが後に弟をより一層ひねくれさせる原因にもなっていきます。
明光は何か宇内に対してわだかまりのような感情を抱いているのかとも思われていましたが、意外にも再会した二人の雰囲気は和やかで、そうしたしこりは一切感じられませんでした。
……まあ、冷静に考えれば、実力が拮抗して直接エースの座を争ってたとかならともかく、明光の方はレギュラーにもなれていないので、気にしていたのは読者や弟の蛍だけだったのかもしれません(「明光からエースの座を奪った」→「いや、エースの前にレギュラーですらなかった」)。
次代の小さな巨人(?)、日向翔陽、星海光来
宇内天満が観戦した烏野高校対鴎台高校の一戦は、日向翔陽と星海光来、「次代の小さな巨人」を争う戦いでもありました。
しかし実際に繰り広げられた日向と星海の戦いは、かつての「小さな巨人」を遥かに超えるものでした。
元々「小さな巨人」宇内天満は小柄ながら、その跳躍力から繰り出されるスパイクを武器に戦っていたプレイヤー。
しかし星海はサーブ、レシーブ、トスにスパイク、ブロックまで、多種多彩な武器を駆使するマルチプレイヤー。
宇内自身も認めていますが、宇内よりずっと格上です。
また、「小さな巨人」に憧れてバレーを始めた日向も、影山との変人速攻を武器に「最強の囮」として躍動します。
試合前「小さな巨人」がバレーをやめたことを聞いてもがっかりしていなかった日向。
日向にとって「小さな巨人」は既に憧れではなく切っ掛け。
日向はとっくに、憧れを超えて自分たちのバレーをプレーしていたんです。
「ハイキュー‼」宇内天満がバレーをやめた理由(漫画家の道)
高校卒業後、バレーをやめた理由とは?
宇内天満がバレーをやめた理由は何だったのか。
本人は「どこからも声がかからなかった」「他にやりたいことがあった」と言っていましたが、逆に言えば声さえかかればバレーを続けたかったのでしょう。
恐らく宇内は自分に限界を感じてバレーをやめたのです。
当時の宇内は「小さい代わりに技術で勝負する」と考えていました。
しかし実際には、身長に関係なく技術を磨いた人間が技術を持つのがバレー。
「世界は平等じゃなくて平等だ」
身長や体格は平等じゃないけれど、技術はみんな平等。
なら大きくて技術のある選手が上に行くのは当然のことです。
宇内はその現実を目の当たりにして、バレーをやめたのではないでしょうか。
だからこそ、そんな身長のハンデなどものともせず躍動する日向と星海の二人に、宇内は心から魅了されていたのです。
ちょうど同じ試合を観戦していた全日本代表監督の雲雀田がその心境を上手く言い表しています。
「我々は小さく優秀な彼らを求めない」
「我々が求めているのは大きくて優秀な選手だから」
「でも彼らには関係ない」
「確固たる実力で我々に選ばせにやってくる」
2018年には週刊少年ヴァーイで漫画家デビュー(担当編集は赤葦)
宇内のその後の進路はなんと漫画家。
2018年時点で週刊少年ヴァーイでプロデビューしていました。
「他にやりたいこと」って漫画だったんですね。
ちなみに担当編集は(何故か)梟谷のセッターだった赤葦。
赤葦は木兎より大変な人はいないと自分を騙しながら、意外と面倒くさい宇内を献身的に世話しているようです。
まだまだ新人で、「ゾンビ剣士ゾンビッシュ」は打ち切りとなってしまいましたが、現在はバレーを題材にした「メテオアタック」を連載中。
ボールがネットを突き破るという現実離れしたスパイクで日向たち読者を沸かせていました(「白帯より下だからネットじゃねぇか」「一種のネットインじゃね?」「俺が破る」「俺が先!」)。
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