今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、烏野高校のクールな毒舌家「月島 蛍(つきしま けい)」について解説します。
月島は登場当初、低身長で熱血の日向と対比するように、長身で冷めた少し”もったいない”キャラクターとして描かれていました。
しかしそんな月島も作中では過去の葛藤を乗り越え、バレーボーラー、そして一人の人間として大きく成長を遂げることとなります(毒舌は変わりませんが)。
本記事ではそんな月島の成長を、人間関係や独特の名言、その後の進路なども踏まえて語ってまいります。
「ハイキュー‼」月島蛍ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、声優など)
所属 | 烏野高校1年4組 → 大学4年(来年から仙台フロッグス) |
ポジション | ミドルブロッカー |
誕生日 | 9月27日 |
身長 | 188.3cm → 190.1cm |
体重 | 68.4kg |
最高到達点 | 332cm |
好物 | ショートケーキ |
最近の悩み | 高校に入ってまた下の名前の読み方を色んな人に聞かれること |
声優 | 内山昂輝(幼少時:村中知) |
月島蛍は主人公たちと同じ烏野高校バレー部で、一年生ながらその長身を活かしてレギュラーとして活躍したキャラクターです。
外見は色素の薄い髪と黒縁メガネが特徴のクールで知的な雰囲気の少年で、見た目通りの頭脳派でもあります。
性格は見た目の印象以上に悪く、口調こそ丁寧ですが、毒舌、挑発、煽りがその代名詞。
誰かに皮肉を言っている時が一番活き活きとしているという、ある意味非常に分かりやすい性格かもしれませんね。
斜に構えた考え方の持ち主で、やる気がない訳ではありませんが、「たかが」部活のバレーボールにむきになる日向たちとの相性はあまり良くなく、物語序盤ではしばしば衝突していました。
こうした考え方の背景には、月島自身の過去が影響しているわけですが(詳しくは後述)、物語が進むにつれてその過去を吹っ切り、仲間たちと共に勝利に向けて全力で駆けていくようになります。
長身とクレバーさを活かした天性のブロッカー
パワー | 2 |
バネ | 3 |
スタミナ | 3 |
頭脳 | 5 |
テクニック | 3 |
スピード | 3 |
※最低1~最大5の5段階評価
<Vリーグ後の追加データ>
サーブ | 8 |
レセプション | 5 |
ディグ | 6 |
セッティング | 6 |
スパイク | 8 |
ブロック | 10 |
※最低1~最大10の10段階評価
月島蛍最大の武器は、その長身とクレバーさを活かしたブロックであり、烏野高校のブロックの要として全国の強敵たちとも渡り合っていました。
特筆すべきは徹底した冷静さに裏打ちされたリードブロック(敵セッターが上げたトスを見てから飛ぶブロック)。
見てから動くため相手の動きより一歩遅れるものの、確実に敵スパイカーにストレスをかけることができるこの堅実なブロックを月島は好んで使っています。
作中では、これに加えて相手の精神状態を冷静に推し測り、罠を張り、牛若という全国で三本指に入るスパイカー相手にドシャットを決めたこともありました。
弱点は経験不足からくるレシーブの未熟さと、身体がまだ出来上がっていないことからくるパワー不足でしょうか。
弱点と言うのはかわいそうかもしれませんが、強敵相手だとそこを突かれ苦しむこともありましたね。
「ハイキュー‼」月島蛍の人間関係
兄、明光の嘘と『小さな巨人』との因縁
作中でバレーに対して冷めた態度をとる月島蛍ですが、その原因は兄である明光にありました。
兄もバレーをしていて、中学時代はチームのエース。
月島にとって兄は憧れのヒーローでした。
しかしそんな兄も、当時強豪だった烏野高校に進学してからはベンチ入りすることもままならない有様。しかも兄は、弟の前で「自分がチームのエース」だと見栄を張って嘘をついてしまいます。
そんな兄の言葉を信じてこっそり応援に行った月島が見たものは、「小さな巨人」と呼ばれたエースが活躍する様を観客席から応援する兄の姿でした。
それ以降、月島はバレーに対して非常に冷めた考えを持つようになります。
「小さな巨人」に憧れる日向に対しても、そういった背景があったからか猶更辛辣な態度を取っていたようですね。
当然、兄ともギクシャクしていましたが、物語が進むにつれてそうしたわだかまりも徐々に解消されていきます。
まあ、兄と和解した後でも兄が応援に来ているのを見ると凄い嫌そうな顔をしていましたけどね。
山口の叱咤で前を向く
同じ一年生の山口忠とは小学生の頃からの付き合いで、作中で山口は月島に金魚の糞のごとく付き従っています。
山口にとって月島はヒーローでした。
小学生の時から背が高く、いじめっ子たち相手にも「カッコ悪」と超然とした態度をとる月島は、当時いじめられっ子だった山口にとって眩いものだったのです。
しかし、高校でバレー部に入ってどこか燻っている月島。
そんな月島に山口は、最近の月島はカッコ悪いと詰め寄りますが、月島は冷めた態度でそれをかわそうとします。
「絶対に1番になんかなれない。どこかで負ける」
「それをわかってるのに、皆どんな原動力で動いてんだよ!?」
「そんなモンッ、プライド以外に何が要るんだ!」
「まさか、こんな日が来るとは……」
「僕がぐだぐだと考える事より山口の一言の方が、ずっとカッコ良かった」
この言葉を切っ掛けに月島は前を向き、それまでより少しだけバレーに前向きに取り組むようになります。
ちなみにこれは、88話ショックとも呼ばれ、担当編集者が「涙でむせんだ」と呟いたほどの作中でも屈指の名シーンです。
「ハイキュー‼」月島蛍の活躍と名言
強敵たちを次々ブロック、卒業後は大学進学を経てプロへ
山口の言葉で吹っ切れてからの月島は、作中でも目を見張るほどの活躍を見せます。
その一つが春高予選決勝の白鳥沢戦。
敵のエース、牛若にどれほど強烈なスパイクを決められようと、どこまでも執念深くリードブロックでストレスをかけ続け、1球だけではありましたが見事なドシャットを決めた瞬間は、あの木兎の言葉の回想もあって思わず手に汗にぎった読者も多かったのではないでしょうか。
烏養コーチも、この試合のMVPは月島だと絶賛する活躍でした。
高校卒業後はそのままプロになる同級生もいる中で大学へ進学。
大学でもバレーは変わらず続けており、大学卒業後は仙台市博物館への勤務とVリーグ Division2仙台フロッグスへの所属が決まっています。
”あの”月島がプロかと思うと、何とも感慨深いものがありますよね。
月島の名言と言えば「たかが……」
基本的に冷めたネガティブな発言の多い月島ですが、だからこそ時に読者の心を震わせる言葉を発することがあります。
「僕がウシワカに勝てるわけないじゃん」
「ただ、何本かは止めてやろうと思ってるだけ」
これは白鳥沢戦の前の月島の発言。
月島は執念深くブロックを続け、ほんの僅かな綻びを見逃すことなく、牛若のスパイクをブロックします。
その瞬間、渾身のガッツポーズとともに彼は胸中で叫びました。
「たかがブロック1本」
「たかが25点中の1点」
「たかが部活」
それまでバレーに熱中する周囲を「たかが部活」と冷めた目で見ていた月島ですが、だからこそこの瞬間のこの言葉、ガッツポーズは胸に刺さるものがありましたね。
コメント