今回は大人気漫画「文豪ストレイドッグス」から、その意外な正体で読者を沸かせた男「立原 道造(たちはら みちぞう)」について解説させていただきます。
立原は当初、ポートマフィアの下部組織(黒蜥蜴)の一員、しかも異能を持たない一般人として登場したキャラクターです。
あまり重要そうには見えない噛ませ犬的な立ち位置だった立原ですが、後に軍警最強の特殊部隊「猟犬」が送り込んだスパイであったことが判明します。
本記事では複雑な立ち位置にある立原の過去(兄・与謝野晶子)や銀との関係、今後彼が軍警とマフィア、どちらを選ぶかなどを中心に考察してまいります。
文豪ストレイドッグス、立原道造のプロフィール(声優含む)
基本プロフィール(年齢、身長、誕生日、声優など)(ネタバレ注意)
年齢 | 19歳 |
身長 | 176cm |
体重 | 62kg |
誕生日 | 7月30日 |
血液型 | A型 |
好きなもの | 鉛筆、ヒアシンス |
嫌いなもの | 過去、大倉燁子の無茶ぶり |
声優 | 林勇 |
立原はポートマフィアの下部組織、黒蜥蜴の十人長として登場したキャラクターです。
外見は鼻の頭に貼った絆創膏がトレードマークの、どこかチャラついた粗野な雰囲気の少年で、見た目通り好戦的な性格をしています(あるいは、そのように振舞っていた)。
言動は粗暴でいかにもなチンピラではありましたが、ある意味でマフィアらしく仲間想いな一面もあり、作中では身を呈して芥川龍之介を守ろうとした樋口一葉に組織の理屈を超えて協力したことも。
登場当初は実在の文豪、立原道造がモデルでありながら異能力を使う気配がなく、樋口らと同じ異能を持たない一般人かとも思われていました。
しかし物語後半、実は立原道造は超級の異能力者のみで構成された軍警最強の特殊部隊「猟犬」の一員で、森鴎外の監視のためにポートマフィアに潜入していたスパイであったことが判明します。
その強さ、異能力:真冬のかたみ
無能力者かと思われた立原道造ですが、「猟犬」の一員として異能力を保有しています。
異能力:真冬のかたみ
金属を操作する異能。
金庫を破る細かな作業から、突撃してくる飛行機をとめる力技まで何でもあり。
ただし、航空機のようなあまりに巨大な物体は身体強度の関係でとめられない。
シンプルですが応用力が高く、隙の無い異能ですよね。
また、異能以外では、二丁拳銃を用いた銃撃戦を得意としていますが、こちらはそれほど強くありません。
元々「猟犬」部隊は異能技師によって生体手術を施されていて、常人の数十倍以上という身体能力を持つのですが、これには月に一度の維持手術が必要でサボると全身が腐って死ぬというデメリットがあります(要は首輪ですね)。
潜入捜査員だった立原にとってこのデメリットは致命的なため、極めて弱い強化手術しか受けておらず、「猟犬」の一員ではあるものの、総合的な戦闘能力は低めとなっています。
暗殺とかならともかく、真正面からの戦闘だと、やはり戦闘メインの主要キャラの相手は厳しいでしょうね。
文豪ストレイドッグス、立原道造の人間関係
同僚の銀のことは、当初男だと思っていた
当初、立原道造は同僚の芥川銀のことを男だと思っていました。
何せ初登場の時に銀ちゃんに対し、
「相変わらず鬼魅の悪い男だ」
などと発言して銀ちゃんを怒らせていましたからね。
というか、樋口一葉らも含めてほとんどの人間は銀ちゃんが女(しかも美少女で芥川龍之介の妹)だということは知らなかったようです。
後に太宰が樋口に銀ちゃんが女の子だということをバラしたので、そこから立原含め周囲にも女の子だということは伝わっています。
同僚で互いに仲間意識のある二人であり、ファンからはカップリングの期待も高いようですが、果たしてどうなることか……
兄の存在、与謝野晶子との因縁(ネタバレ注意)
立原道造には軍人の兄がいました。
しかし兄は軍において、負傷しても負傷しても何度も異能による治療を受け、死ぬまで戦わされる過酷な境遇に限界を感じ、自殺してしまったのです。
その時兄を治療して戦わせていたのが、当時軍医だった森鴎外とその元で治癒能力を振るっていた与謝野晶子。
立原道造の兄は、与謝野晶子のことを天使と呼び、トレードマークでもある蝶の髪飾りを贈った兵士でした。
立原道造は兄のことで与謝野晶子を恨んでおり、その復讐のためにポートマフィアへの潜入を志願したのです(少なくとも当初はそう思い込んでいました)。
立原道造は猟犬とマフィア、どちらを選ぶ?(ネタバレ注意)
立原道造は森鴎外の監視のためにマフィアへの潜入を命じられていた
立原道造がポートマフィアに送り込まれた理由は、元軍医士官として数々の軍事機密を握るポートマフィア首領、森鴎外の監視のためでした。
所属は違いますが、坂口安吾の後任でもあったようですね。
いずれポートマフィアとは決裂することが分かっていたはずですが、立原は徐々にポートマフィアに染まり、仲間たちに感情移入していくようになります。
猟犬としての自分、ポートマフィアとしての自分、二つの思考が混在し、自分自身に疑問を抱くようになる立原。
ポートマフィアの仲間たちを猟犬として処分しようとするも殺せず、復讐の対象であった与謝野晶子を殺すことも出来ませんでした。
そんな立原に再び命じられたポートマフィアへの潜入。
そこで彼は自分の本当の願いを知ることになります。
立原道造が頁の改造から逃れられた理由、それこそが……
立原道造の本来の所属は軍警であり、彼は武装探偵社をテロリストと見做し、敵対していました。
実際には武装探偵社はテロリストではなく陥れられただけで、彼らが無実である証拠もあるのですが、それを目の当たりにしても立原は武装探偵社が犯人だと信じ続けます。
その原因は現実を改変し、書いたことが真実となる白紙の頁。
「世界中の警察および捜査機関は探偵社を陥れた真犯人がいる証拠を入手しても本気で検討しない」
白紙の頁にそう書きこまれたことで、軍警所属である立原は武装探偵社が無実である証拠を信じようとはしませんでした。
しかし、立原が再びポートマフィアに潜入し、負傷した銀と広津の見舞いに行ったことで、立原に変化が生まれます。
見舞いの場で、不意に自分はマフィアに向いているかと尋ねた立原。
「お前はマフィアの中のマフィアだ」
その言葉で立原は自分がポートマフィアに入った本当の理由を思い出します。
彼の望みは兄の復讐ではなく、ただ兄でも兄の真逆でもない何者かになりたいというもの。
軍警の命令は切っ掛けに過ぎなかったのです。
そして立原は頁の影響から逃れ、探偵社が無実であることに気づきます。
頁の効果の対象は「警察および捜査機関」。
マフィアには何の影響もありません。
それは立原が自分自身の居場所をマフィアと見定めた何よりの証拠でした。
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