今回は藤本タツキ先生の大人気漫画「チェンソーマン」から、第一部終盤で人気を博したエピソード「ファミリーバーガー」について解説します。
「ファミリーバーガー」とは、公安を退職した東山コベニの再就職先。
一言で言えば、チェンソーマンが引き起こした惨劇に巻き込まれただけの脇役ですが、そのブラックでコミカルなキャラクターがファンの間で話題となりました。
本記事ではファミリーバーガーの概要(登場話・元ネタ)や個性豊かな従業員、登場の経緯などを詳しく解説してまいります。
「チェンソーマン」ファミリーバーガーとは?
公安を退職したコベニちゃんの再就職先(何話に登場?)
ファミリーバーガーとは、散々な目に合って公安を退職した東山コベニの再就職先。
登場したのはコミックス10巻85~86話。
一見するとごく普通のハンバーガーチェーン店で、オーダーや給仕の際のノリの良い「ファミリー!」の掛け声が特徴です。
その内実はアットホームな職場という名のブラック企業であり、従業員に対しては体罰も辞さないオールドタイプな企業文化が根付いていました。
一応、作中ではコベニが呼び寄せてしまったチェンソーマンに虐殺された被害者役。
しかし従業員たちのブラックなキャラクターのインパクトが強く、あまり被害者というイメージはないかもしれません。
ちなみに、第二回人気投票では従業員の大半が100位以内にラインクインするという快挙を成し遂げていました。
元ネタはマクドナルド(当初は実名登場予定だった)
当然のことですが、ファミリーバーガーというハンバーガーチェーン店は実在しません。
ファミリーバーガーの元ネタはマクドナルドで、当初藤本先生はマクドナルドそのものを舞台として使用するつもりだったようです。
が、流石に内容的にブラック企業だわ虐殺されるわで、マクドナルドを実名で登場させるのはNGに。
マクドナルドと訴訟沙汰になったらシャレになりませんから、これは賢明な判断です。
ちなみに、オーダー時のノリはマクドナルドではなく、アイスクリームチェーン店の「コールド・ストーン・クリーマリー」が元ネタなんじゃないかという噂もありましたが、これについてはあくまで噂レベルです。
「チェンソーマン」ファミリーバーガーの従業員
それでは大人気となったファミリーバーガーの従業員について紹介していきましょう。
ここで紹介するのは、店長+オーダー時に特定の掛け声を担当している主要な従業員で、第二回人気投票で100位以内にランクインしたメンバーです。
ちなみに店長以外のメンバーは、掛け声(※)の順番に並んでいます。
※「トマト」「レタス」「チーズ」「パン」主役は「ハンバー」「グー!」
店長(平手打ち担当)
「ファミリーの平手打ちだよ?」のブラック発言で有名となったファミリーバーガー店長。
人気投票では堂々の44位。
コベニが二度もコケてチェンソーマンにハンバーガーをぶちまけたことで、ドッキリを疑っていましたが、その態度がチェンソーマンの癇に障ったのか首を斬り落とされ死亡しています。
トマト
「トマト」担当の男性従業員。
人気投票では99位。
「トマト」以外の迂闊な発言を慎んだおかげか、取り敢えず最後まで生き延びたようです(コマの外で殺された可能性はありますが)。
レタス
「レタス」担当男性従業員。
人気投票では他の素材担当と比べて格段に上の58位。
コマの外でシレッと首を落とされて死んだことが読者の同情を誘ったのかもしれません。
チーズ
「チーズ」担当男性従業員。
人気登場では95位。
とりあえず写真を撮る時、ピースサインとチーズは年齢がバレる。
死んだ描写は無いので多分生き延びた(はず)。
パン
「パン」担当女性従業員。
人気投票順位はギリギリの100位。
こちらも死んだ描写は無いので生きている(はず)。
ハンバー
「ハンバーグ」の溜め担当男性従業員。
人気投票順位は70位。
動揺して「ハンバー」の掛け声を放棄した為か、チェンソーマンに首を斬り落とされる。
グー!
「ハンバーグ」の「グー!」担当従業員。
従業員唯一の被り物担当で、人気投票では従業員最高位の22位。
チェンソーマンを見て、デビルハンターを呼べとまっとうなことを口にしたため、真っ先に首を落とされた。
「チェンソーマン」ファミリーバーガー人気の理由は?
絵に描いたようなパワハラ企業が……
ファミリーバーガーが読者に人気の理由は、絵に描いたようなパワハラ企業である彼らが、それ以上に理不尽の塊であるチェンソーマンに蹂躙されるというカタルシス故でしょう。
とにかくファミリーバーガーのパワハラぶりがコテコテでインパクト抜群。
良い笑顔で平手打ちをかます店長も、その店長に洗脳されているとしか思えない先輩従業員も狂気的です。
ちょっと現実ではあり得ないレベルのパワハラ・ブラック企業ぶりですが、でも改めて考えるとリアルの企業も表向き言いつくろってるだけでやってることはこいつらと大差ないような……
そんな微妙にリアリティーのあるパワハラ集団。
普通だったら嫌われそうなものですが、チェンソーマンという理不尽な暴力装置のおかげで、彼らは読者に愛させる立派な人気者集団へと成長したのです。
ある意味コベニの自作自演??
加えて皮肉なのが、ファミリーバーガーがチェンソーマンに蹂躙された原因。
それは彼らがパワハラを加えていた東山コベニが元凶となっています。
パワハラ被害を受けて思わず「たすけて……」と呟いてしまったコベニ。
チェンソーマンはその声に引き寄せられてやってきました。
つまり、間接的ではあれコベニがファミリーバーガーに復讐した形になっているんですね(コベニが捨て身過ぎますけど)。
しかもハンバーガーを注文したチェンソーマンに対し、コベニは一度ならず二度もハンバーガーをぶちまける始末。
そのあり得なさに、店長はドッキリを疑い、迂闊な発言をして首をチョンパされていました。
ファミリーバーガーの人気は、コベニの悪運と引きの強さとセットになったものだったと言えるでしょう。
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