今回は魔物食という異色のテーマを扱う人気作「ダンジョン飯」から、作中で度々登場するかわいい「連絡用妖精」について解説します。
連絡用妖精とは魔術師が使役する端末の一種。
見た目はかわいい妖精の姿をしていますが、その正体は魔術によって作られたホムンクルス(人造人間)です。
妖精を使って遠距離に声を届け通話することが可能であり、作中ではエルフのカナリア隊が使用していました。
本記事では妖精とは何か、そしてその作り方や作中での使用方法について解説してまいります。
「ダンジョン飯」連絡用妖精とは?
魔術師が使役する妖精型の端末
連絡用妖精とは魔術師が使役する妖精型の端末、その中でも遠距離間の連絡用に使われるものを指します。
妖精同士を使って携帯電話のように音声通話をすることが可能であり、作中では主にエルフのカナリア隊が隊員同士、あるいは遠い本国との通信目的で使用しています。
作中では音声だけでなく動作や感情なども妖精が代わりに表現。
一定の自我と知性を有しており、かなり高性能ではありますが戦闘手段は持ち合わせていないため、魔物などに襲われると為すすべなく破壊されてしまいます。
その正体はホムンクルス(人造人間)
連絡用妖精の正体は魔術師が人工的に作ったホムンクルス(人造人間)。
作中では明言されていませんが、この世界の使い魔は魔術で作った人造生命体ですから、ホムンクルスは使い魔の一種と考えて間違いないでしょう。
人造ではない天然の妖精が存在するかどうかは作中で明言されていません。
ただ作中での妖精の扱いを見る限り、天然の妖精はおらず、妖精とは全て魔術師が作ったホムンクルスという可能性が高そうです。
「ダンジョン飯」妖精の作り方
おまけ漫画では本編開始9年前(41歳)のマルシルが妖精を使役してみたいとその作り方を調べるという設定で、妖精の作り方が公開されています。
その作り方は次のとおり。
①精液と薬草・馬糞等を混ぜ、魔力壺の中で蒸留・発酵させる。
②しばらくすると透明な人型に変化する。
③毎日血液を与える。
④40週間欠かさず。
マルシルは①の材料で「汚……!?」と拒否反応を示し、③④で大変過ぎるとひっくり返り、結局妖精づくりを諦めていました。
本編終了後、原材料を知っているマルシルはパッタドルが妖精を触っているのを見てとても失礼なことを考えるのですが……
なお、妖精の見た目は血を与えて育てた魔術師に似ることになり(精液提供者ではない)、自分で育てていないミスルンや女王の妖精は本人に似ていないという設定があります。
この妖精の製造方法は、中世ヨーロッパで実際に錬金術師が提唱していたホムンクルス創造理論とかなり近いものがあります。
当時、生命の原材料は男性の精液で、卵子や子宮はただの畑、保育器と考えられていました。
そのため精液に暖かい部屋と成長に必要な栄養を与えれば人間が誕生するのでは、と。
またもう一つの生命創造論として、当時ハエやネズミなどの単純な生き物は腐肉などの中から自然発生すると考えられており、ホムンクルスの材料の一つである馬糞はここに由来しているのかもしれません(あるいは単純に馬糞の発酵温度が高いからとか)。
「ダンジョン飯」妖精の使われ方
基本は通信連絡手段
連絡用妖精の名の通り、作中での妖精の使われ方は基本的に通信連絡手段。
遠く離れたエルフの本国と通信できるのですから、その通信可能範囲は恐らく世界全土に及ぶものと考えられます。
また、普通の使い魔のように妖精そのものを使役して仲間を探させるようなことも可能。
製造に40週間もかかるので、破壊されるリスクの高い単独行動はあまり賢い使い方とは言えませんが。
パッタドルは妖精を杖として使用
また、単純な通信連絡以外の使い方としては、パッタドルが妖精を杖に変化させて使ったことも。
他のキャラクターがこうした使い方をしたことはなく、できるけどやらないだけなのか、それともパッタドルとその妖精だけの機能なのかは不明。
ただ作中で妖精が敢えて「連絡用」と呼称されていることを考えると、「連絡用」でない妖精も存在するはず。
妖精を製造し使役する魔術師ごとに、妖精の機能には差異があるのかもしれません。
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