今回は魔物食という異色のテーマを扱う人気作「ダンジョン飯」から、カナリア隊の隊長「ミスルン」について解説します。
ミスルンは西方エルフが迷宮の調査・制圧のために派遣している精鋭部隊「カナリア隊」の隊長。
作中最強格の力を持ち、女性と見間違うほどの美貌を持つ男性エルフです。
過去に迷宮に関わる大罪を犯し、悪魔に強い恨みを抱いているミスルン。
本記事ではそんな彼のプロフィールや過去、作中での活躍と最後を中心に解説してまいります。
「ダンジョン飯」ミスルンのプロフィール
基本プロフィール(種族、年齢など)
種族 | エルフ |
年齢 | 185歳 |
誕生日 | 5月12日 |
出身地 | 北中央大陸 |
家族構成 | 父、母、兄 |
体格 | 身長155cm前後、BMI 21 |
好物 | とくになし |
苦手 | とくになし |
声優 | 内山昂輝 |
ミスルンはダンジョンの調査・制圧のために西方エルフが島へと派遣したカナリア隊の隊長。
銀髪と黒い瞳の中性的な美貌を持つ”男性”で、両耳が半ばから切り取られており、右目は義眼で常に半開きとなっています。
ある事情からほとんどの欲望を喪失しており、基本的に無表情で無感情。
食事、睡眠、排泄といった生理的欲求すらないため、普段の生活にも隊員たちの介護を必要としています。
またとんでもない方向音痴でもあり、迷宮調査隊の隊長としては色々どうかと思われる人物ですが、その戦闘力はすさまじく、魔物に関する知識も豊富。
迷宮の真の支配者である「悪魔」の討伐に強い執着を抱いています。
カナリア隊とは?
カナリア隊とは西方エルフが危険なダンジョンを調査・制圧するために各地のダンジョンに派遣している精鋭部隊で、正式名称は「迷宮調査隊」。
名前の由来は「炭鉱のカナリア(=カナリアは有毒ガスに敏感で、すぐに鳴きやみ死ぬことで有毒ガスの存在を察知できる)」。
島に上陸した隊員は6名で、そのうち4名は古代魔術に関わる犯罪者、のこる2名は看守役を兼ねた貴族の子弟で構成されています。
ちなみに罪人となったエルフの耳には切れ込みが入れられていますが、ミスルンの場合は罪人となった時点で両耳が半ばから潰れていました。
本来であれば禁忌とされる古代魔術を使用したマルシルも、西方エルフの国に送られカナリア隊に入れられる予定でした。
「ダンジョン飯」ミスルンの強さ(転移術)
ミスルンは作中最強格の戦闘力を持つ存在です。
その戦闘スタイルは「転移術」を使った物体や空間の入れ替え。
彼の転移術は実にチートで、例えば敵を壁の中に飛ばして生き埋めにしたり、相手の肉と木片を入れ替えたりと、防御不能の即死技をポンポン使用することができます。
さらに恐ろしいのはミスルンが極度の方向音痴かつ隻眼で目測を誤ることが多いため、飛ばす側も何がどこに飛ぶか分からない点。
敵にすると怖いですが、味方にしても怖いというやつですね。
肉体的に脆弱とされるエルフとしては体術も優秀で、接近戦にも隙なし。
作中では迷宮の主である狂乱の魔術師さえも圧倒していました。
「ダンジョン飯」ミスルンの過去
ミスルンはかつて大きな罪を犯しました。
元々彼は名家の出身の次男坊で、人柄もよく誰からも好かれる好青年でした。
病弱な兄に代わって看守役としてカナリア隊に所属していたのですが、その心の奥にはカナリア隊に入隊したせいで想い人への好意に蓋をしなければならなかったという闇を抱えていました。
その闇を悪魔に付け込まれたミスルンは、ある時ヤギの悪魔に「兄と想い人が楽しそうに食事をする光景」を見せられ激しく動揺。
入隊しなかった未来を見たくはないかと唆され、悪魔と契約して迷宮を生み出し、その主となってしまいます。
最終的にミスルンは肥大化した欲望のほぼ全てを悪魔に食われてしまい、右目と両耳を潰されて捨てられてしまいました。
ミスルンに唯一残されたのは悪魔への強烈な復讐心。
彼はエルフたちからの迷宮の主としての経験と戦闘力、そして復讐心を買われてカナリア隊の隊長となったのです。
「ダンジョン飯」ミスルンの活躍
ミスルンは物語中盤にカナリア隊を率いて島に上陸。
ライオスたちが攻略しようとしている迷宮を封鎖・制圧しようとします。
一度はカブルーの説得に応じたふりをして島主との交渉を彼に任せますが、裏では部下たちを使って人々の欲望を煽り、迷宮にはびこる冒険者たちを強制的に追い出そうとしました。
その後、迷宮の浅層に現れた狂乱の魔術師と遭遇し、彼を倒そうとしますが、カブルーに制止され、彼と共に迷宮の深部に落下。
以後成り行きでカブルーと行動を共にするようになります。
その後、新たに迷宮の主となったマルシルと対決。
一時はマルシルを追い詰めますが、最終的に悪魔の力を得たマルシルに頭を吹き飛ばされて敗北してしまいます(その後、復活はした)。
「ダンジョン飯」ミスルンの最後(本当の欲望)
ライオスたちによって悪魔(翼獅子)が討伐されたことで、ミスルンは自分に残った復讐心という最後の欲望すら失い、完全に抜け殻状態となってしまいます。
このまま緩やかに死んでいくしかないと思われたミスルンですが、旅を通じて彼に友情を感じていたカブルーが「食われた欲求は戻らなくとも、欲求が尽きることはない」「新しい欲求を探してみないか」と彼を説得。
わずかに気力を取り戻したミスルンは、ファリンを救うため、彼女のドラゴンの部分を転移術で切り分け、ライオスたちの手助けを始めます。
そこで、ミスルンは涙を流し、
「私に残された欲求は復讐などではなかった」
「私はただ……完食されたかったのだと思う」
と告白します。
自分はただの残飯、野菜屑だと自嘲するミスルンでしたが、野菜屑という単語を聞いたセンシが、それを料理の話と勘違いして彼にアドバイスを送ります。
野菜屑は良い出汁が出るし、ヘタを水に浸せば再び芽が出ることもある。またどうしても余ったものも堆肥になる。いくらでも使い道があるからただ捨てるのはやめなさい、と、
それを聞いたミスルンは思わず笑いながら涙を流し、
「それはいいことを聞いたな」
と、新しい人生への第一歩を踏み出したのです。
コメント