「ゴールデンカムイ」関谷輪一郎~信仰心故に狂気に堕ちた悲運の刺青囚人、その過去や登場話、モデル(元ネタ)は存在する?~

 今回は大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、信仰心故に狂気に堕ちた悲運の刺青囚人「関谷 輪一郎(せきや わいちろう)」について解説します。

 関谷輪一郎はアイヌの金塊の行方を記した刺青を持つ囚人の一人。

 卓越した狡猾さと毒物知識を併せ持ち、「試練」と称した運試しで他人を毒殺する狂気の連続殺人鬼です。

 作中では土方一派と対決し、その狡猾さで一派を壊滅寸前まで追い詰めていました。

 本記事では関谷輪一郎のプロフィールや過去、作中での活躍を中心に深掘りしてまいります。

「ゴールデンカムイ」関谷輪一郎のプロフィール

基本プロフィール(外見、誕生日、年齢、声優など)

 関谷輪一郎はアイヌの金塊の行方が記された刺青を持つ囚人の一人です。

 見た目は太い眉が特徴的な丸刈りの精悍な顔立ちの男性。

 年齢や誕生日は非公開ですが、見た目や過去から年齢は30代半ば~40代半ばと推察されます。

 「運」というものに強い執着を持ち、他人に「試練」と称した運試しを仕掛け毒殺するという事件を連続で引き起こし、網走監獄に収監されていました。

 本人の戦闘能力は皆無ですが、狡猾さと毒物知識を併せ持つ知能犯。

 本人曰く「30人は殺した」連続殺人鬼で、網走監獄収監後も囚人相手に毒殺事件を起こすなど、囚人たちの中でも特に警戒されていた男の一人です。

 声優は加瀬康之さん。

関谷輪一郎の登場話

 関谷輪一郎は原作漫画171~176話で登場し、土方一派と対決します。

 この対決は凶運の男・門倉の面白さと、土方の強さが遺憾なく発揮されたエピソード。

 関谷が仕掛ける頭脳戦は、作中屈指の名勝負の一つです。

 アニメ版では第4期に収録予定です。

関谷輪一郎にモデル(元ネタ)は存在する?

 実在の人物がモデル(元ネタ)となっていることが多いゴールデンカムイですが、今のところ関谷輪一郎にそうしたモデルは確認されていません。

 ファンの間でそれらしい候補の名が挙がったこともなく、恐らくは完全オリジナルのキャラクターだと考えられています。


「ゴールデンカムイ」関谷輪一郎の過去

 連続殺人鬼に堕ちた関谷ですが、元々彼は神を信じ、娘を愛する善良な男でした。

 北海道で家畜獣医として働き、娘と共に暮らしていた関谷。

 そんな彼が殺人鬼へと変貌したのは、教会からの帰り道、突如雷に打たれ娘が無惨に命を落とし、自分だけ生き残ってしまったことが切っ掛けでした。

「どうして娘が選ばれたのか」
「どうして俺じゃなかったのか」

 理不尽な出来事に、神の存在を疑うようになった関谷。

 そして彼は苦悩の果てに、「試練」と称した運試しで他人を毒殺するようになります。

 「運」とは神の意思なのか。

 なぜ娘ではなく価値のない自分が生き残ってしまったのか。

 もし神が存在するのなら、必ず自分に罰をお与えになるはずだ、と。

 支離滅裂な考え方ですが、関谷の殺人の背景には、神への根強い信仰心と娘への深い愛情があったのです。

「ゴールデンカムイ」関谷輪一郎VS土方一派

牛山、土方を次々と生け捕りにした狡猾さ

 網走監獄脱走後、関谷は阿寒湖周辺に潜伏していました。

 彼が興味を持つのは、何らか強い意志を持つ人間の「運」。

 関谷は幕末を生き延びた傑物・土方歳三に興味を抱き、土方一派を「試練」のターゲットに選びます。

 関谷が最初に狙ったのは作中最強の白兵戦力を持つ男・牛山辰馬

 真っ向勝負ではとても勝ち目のない相手ですが、関谷は牛山の女好きに目を付け、女郎に金を握らせ、少量の毒を精力剤と偽って飲ませることで生け捕りに。

 更に牛山を人質に土方を呼び出し、土方に2分の1の確率で猛毒に当たる運試しを仕掛けます。

 この時、関谷は仲間を見捨てられない土方の性格を見抜き、逃走用の馬を用意することで土方が運試しから逃げられないよう巧妙に立ち回っていました。

 そして運試しに失敗し、致死量を超えた猛毒にあたってしまった土方でしたが、彼は何故か死ぬことなく意識不明の状態に。

 驚く関谷でしたが、彼はそのまま土方を捕え、土方一派との交渉カードとして用います。


最凶の運を持つ男・門倉との対決

 行方不明となった土方たちを探して、阿寒湖を訪れた門倉とキラウシ

 まず関谷は、釣り人に変装して門倉達に接触。

 釣ったワカサギを数匹キラウシに渡し、その中の一匹だけ致死量を超えるフグ毒を仕込んで「試練」を与えようと画策します。

 しかしこの「試練」に対し、凶運の男・門倉は滑って転び、受け取ったワカサギ全てを氷の穴に落としてしまうボケにより回避。

 失敗した関谷は土方を人質に改めて門倉達を阿寒湖に呼び出します。

 門倉が武器を隠し持ち、キラウシに待ち伏せさせていることに気づいた関谷は交渉を打ち切り逃走。

 門倉たちも交渉が打ち切られることを悟って罠を張っていましたが、毒から復活した牛山の乱入などもあり、関谷に逃げられてしまいます。

 その後、牛山の服についていた蚕の繭を手掛かりに、手分けして関谷を探す門倉達。

 関谷を発見したのは門倉でした。

 門倉と対峙した関谷は、土方を人質に蚕の繭を使った毒のロシアンルーレット勝負を持ち掛けます。

 土方の命を盾にされ、止むを得ず勝負に応じる門倉。

 そして「毒」を引いてしまったのは、関谷ではなく門倉でした。

強い意志と運を持つ土方に打ち倒され、歓喜の中で死亡する

 門倉を下した関谷は、牛山やキラウシへの交渉カードとして使うため、生き埋めにしていた土方の棺を掘り返します。

 しかしその直後、毒で動けないはずの土方に攻撃され、頸動脈を斬られて致命傷を負う関谷。

 混乱して逃げ出すも、建物を出たところで力尽き、関谷は天を仰ぎます。

 実は土方は致死量のフグ毒を飲んで死んでいたはずでした。

 しかし、フグ毒を飲んだ直後、元薬屋で毒物の知識があった土方は咄嗟に丸薬の中からもう一つを選んで呑み込んでいました。

 土方が追加で飲んだのはトリカブト毒。

 フグ毒とは正反対の性質を持ち、同時に飲み込むことで互いに中和される毒物です。

 土方は丸薬の中からトリカブト毒にあたるという僅かな可能性にかけ、フグ毒で意識を失う僅かの時間に丸薬を呑み込み、生き延びたのです。

 土方の強い生きる意思と、強運を理解した関谷。

「まさに奇跡」
「やはり神はいた」
「そう思うだろう?」
「土方さん」
「神は……ようやく俺に」
「裁きを与えやがった」

 価値ある生きるべきものが生き残り、そうでない自分が死ぬ。

 関谷はその結末に満足し、歓喜の中で息絶えたのです。

 

 ……ちなみに、同じくフグ毒を飲んだ門倉は、長時間苦しんで死ぬのが嫌で追加で毒を飲んで死のうとしたところ、運良くトリカブト毒にあたり、何事もなかったかのようにケロリと生き延びていました。



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