今回は藤本タツキ先生の大人気漫画「チェンソーマン」から、物語に登場する謎の存在「武器人間」について解説・考察していきます。
武器人間とは悪魔の心臓を移植され、悪魔に変身する力を獲得した人間のこと。
首を斬られても人の血を飲みトリガーを引けば何度でも復活する不死身の存在で、ある意味悪魔そのものよりも悪魔染みた存在です。
物語の根幹に関わりながら、未だその正体には謎の多い武器人間。
本記事ではその概要や元ネタ(映画)、武器人間ズ一覧とその謎について語ってまいります。
「チェンソーマン」武器人間とは?
悪魔の心臓を移植された人でも悪魔でも魔人でもない存在
武器人間とは悪魔の心臓を移植され、悪魔に変身する力を得た人でも悪魔でも魔人でもない存在。
コミックス10巻86~87話で、マキマの私兵・公安対魔特異5課のメンバーとして7人の武器人間たちが登場しています。
世界でもあまり例のない稀有な存在で、その全員が並の悪魔を上回る強力な力を有していました。
ちなみに「武器人間」というのは仮称で、正式な呼称はかつてチェンソーマンに食べられてしまったため存在しません(詳細は後述)。
首を斬られても何度でも復活する不死身の怪物
武器人間の最大の特徴はその不死性。
彼らはどんな傷を負っても、血を飲み、変身のトリガーを引けば何度でも復活することができます。
首を斬られた状態からでさえ復活するのですから、その不死身度合いは悪魔すら上回っているのではないでしょうか(悪魔であっても普通は殺せば死ぬ)。
また作中での描写を見ると老い衰えることもないようですね。
元ネタはB級映画「武器人間」
武器人間の元ネタは2013年に製作されたB級アクションホラー映画「武器人間」だと言われています。
映画「武器人間」は第二次世界大戦末期にフランケンシュタイン博士の末裔であるナチスの科学者が、死体と機械を融合させた不死身の武器人間を兵器として生み出すというもの。
藤本先生は大のB級映画好きで、作中ではこの他にも「シャークネード」や「ヘルボーイ」など、数多くの映画ネタが使われています。
「チェンソーマン」武器人間ズ一覧
それでは公安対魔特異5課のメンバーとして登場した7人の武器人間たちについて紹介していきます。
武器人間・長剣/須郷ミリ
「初作戦」
「ちょっとはマキマさんに」
「いいとこ見せないとな」
長剣の武器人間、自称ソードマン。
変身前の姿は生意気そうなデンジと同年代の少年です。
変身のトリガーは右手(義手?)に仕込まれた剣を抜くこと。
第二部で登場し、本名が須郷ミリであることが判明しました。
武器人間・槍
「皆で勝負でもしましょうか?」
「最初にアレの首を取った人が」
「マキマさんをデートに誘えるとかね」
本名不明の槍の武器人間。
変身前の見た目は落ち着いた雰囲気のメガネの中年男で喫煙者。
変身のトリガーは首の後ろ、背骨にあたる部分から槍を引き抜くこと。
武器人間・鞭
「じゃあテメエは」
「勝っても意味ねぇな」
「マキマを誘っても」
「みじめな思いするだけだぜ」
名称不明の鞭の武器人間。
変身前の見た目はヤンキー風の若い女性で、女王様を名乗るには少し色気が足りない(第二部で82歳の婆であったことが判明)。
変身のトリガーは指パッチン。
武器人間・火炎放射器/バルエム・ブリッチ
「ん~、みんなホントに」
「マキマさんの事が好きだなあ」
名称不明の火炎放射器の武器人間。
変身前の見た目は長髪をオールバックにした胡散臭い雰囲気の男。
変身のトリガーは歯の奥に仕込まれたスイッチを押すこと。
第二部で登場し、本名がバルエム・ブリッチであることが判明しました。
武器人間・刀/サムライソード
「当たり前だろ?」
「マキマさんは何度も」
「俺たちの命を救ってくれた」
刀の武器人間、通称「サムライソード」。
元々デンジの心臓を狙って公安を襲撃してきた敵だったものの、捕獲されてマキマに支配され、その手駒になった男です。
中身はただのクズなのですが、公安メンバーとして再登場した時は義理堅い好青年みたいになってましたね。
変身のトリガーは長剣の逆で左手に仕込まれた刀を抜くこと。
第二部では公安に使われていることが判明しました。
武器人間・爆弾/レゼ
「野郎とデートしたって」
「つまんないと思うけどなあ」
「ね! マキマさん!」
爆弾の武器人間でボムとも呼ばれていた少女レゼ。
彼女もかつてデンジの心臓を狙う刺客でしたが、最終的にマキマに倒され、手駒に加えられています。
かつてはデンジとの淡い恋模様も描かれていましたが、その時のことは全く覚えていないようですね。
変身のトリガーは首のピンを抜くこと。
武器人間・弓/クァンシ
「みんな不埒だ……」
「マキマは私が守るから……」
弓の武器人間で「最初のデビルハンター」とも呼ばれた女性クァンシ。
彼女もデンジの心臓を狙う刺客でしたが、愛人もろともマキマに首を飛ばされ、手駒に加えられています。
ちなみに同性愛者で支配されてからはマキマを狙っている模様(お前が一番不埒だ)。
変身のトリガーは右目から弓矢を引き抜くこと。
第二部では公安に移籍していることが判明しました。
番外・チェンソーマン
あと、公安対魔特異5課のメンバーではありませんが、主人公であるデンジ(チェンソーマン)も、分類的には武器人間に属するものと考えられます。
ただまぁ、規格外のこいつを同じ括りに入れていいのかどうかは大いに疑問が残りますが。
「チェンソーマン」武器人間の謎
その名を冠する存在(悪魔)はチェンソーマンに食べられた
「彼らを呼称した名前は」
「貴方に食べられ」
「消えてしまいました」
「しかし何故か彼らの」
「存在は消えなかった」
「貴方に食べられた」
「数々の名の中で」
「唯一存在が許された者達です」
これは87話冒頭で、マキマがチェンソーマンに武器人間たちについて語ったセリフです。
チェンソーマンが食べた悪魔は、その名前の存在がこの世から消えてしまう。
食べられた名前の存在は、過去現在そして個人の記憶からも消滅してしまうそうです。
つまりかつて「武器人間(仮称)」は人々から恐れられる存在としてこの世に存在し、その名を冠する悪魔がいたということ。
そしてその悪魔をチェンソーマンが食べてしまった。
にも関わらず「武器人間」は名前を失いながらも存在を許されている。
……よく分かりませんね。
そもそも元々存在した「武器人間」って何なんでしょう?
普通に考えれば「武器人間」というか悪魔と融合した「悪魔人間」みたいなことなんでしょうが、融合する悪魔が武器の悪魔に限定されているあたり、そう単純な話でもないように思えます。
特別なのは武器の悪魔?
「覚えていますか?」
「彼らの中にいる武器の悪魔達と」
「4人の騎士が貴方と戦い」
「その最中、貴方は私達の前から」
「消えてしまった」
これもまた87話冒頭のマキマのセリフ。
そもそも特別なのは彼らの中にいる「武器の悪魔達」なのではないでしょうか?
つまり元々武器の悪魔はただの悪魔ではなく、特別な名と役割を持った悪魔達だった。
しかしその名を象徴する悪魔がチェンソーマンに食べられたことで、その特別な悪魔は武器の悪魔へと変質した。
武器人間の本質は「悪魔の心臓を移植された人間」ではなく、そもそも「武器の悪魔」が特別なのだと考えれば、筋は通ります。
そうでないなら、他の悪魔の心臓を移植した存在がもっと出てきて良さそうですしね(マキマなら手駒を増やすためにいくらでも量産しそう)。
「チェンソーマン」武器人間は第2部にも登場(復活・ウェポンズ)
武器人間たちは第2部にも登場しています。
第1部のラストで武器人間たちはチェンソーマンに斬り殺されていますが、武器人間たちは不死身ですから血さえ与えればあの状態からでも復活すること自体は可能。
再登場は「やはりか」という感じでしたね。
彼らはマキマの支配から解放されて、現在は「ウェポンズ」という悪魔に変身できる人間のコミュニティを作り、活動しています。
第2部ではチェンソーマン教会と歩調を合わせ、ウェポンズメンバーの多くは教会幹部に名を連ねている模様。
どうやら彼らはチェンソーマンに好意的なようで、デンジをチェンソーマン教会に誘っていましたが、それはデンジに好意的であることを意味しません。
今のところチェンソーマン教会に所属していることが判明しているのは長剣・槍・鞭・火炎放射器の四人だけ。
クァンシとサムライソードは公安に管理されています。
この様子だと近いうちにレゼも再登場しそうですね。
コメント