今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、変身後のデザインがかっこいいと大人気「サムライソード」について解説します。
サムライソードは刀の悪魔の心臓を移植し、悪魔へ変身する能力を手にした武器人間。
元は単なるヤクザの跡取りでしたが、デンジを逆恨みし、彼に復讐するため元民間デビルハンターの沢渡アカネと手を組んで公安に多大な被害をもたらしました。
本記事ではサムライソードのデザインの元ネタや本編(サムライソード編)での活躍、その後の再登場の経緯を中心に、その魅力を語ってまいります。
「チェンソーマン」サムライソードのプロフィール
デンジを逆恨みし、復讐のため武器人間となったヤクザの跡取り
サムライソードは刀の悪魔の心臓を移植され、悪魔に変身する力を手に入れた武器人間の一人。
サムライソードというのは公安が彼に付けた呼称で本名は不明となっています。
外見は長めのもみあげが特徴のいかつい顔つきの男で、どことなく甘やかされて育ってきただろう雰囲気が漂っていますね。
元々は彼の祖父が第1話に登場しており、デンジを殺してポチタを奪い取ろうと考えてゾンビの悪魔と契約したのですが、逆にゾンビの悪魔に支配されて暴走。
祖父とゾンビの悪魔はポチタと融合したデンジによって返り討ちにされてしまいました。
しかしサムライソードはデンジが祖父を裏切って殺したのだと思い込み、元民間のデビルハンターである沢渡アカネと手を組んでデンジたち公安を襲撃した、というのが登場の経緯になります。
完璧な逆恨みですが、サムライソードは自己愛が強く、極めて自分勝手な性格をしています。
彼にとってはヤクザだった祖父も、女子供は数えるほどしか殺したことがない社会の必要悪的な存在で、薬を売った金で何でも買ってくれる優しい人だったと美化されていました。
その言動はツッコミどころが満載ですが、話が通じないので言うだけ無駄でしょうね。
声優は濱野大輝さん。
沢渡アカネとは利害の一致した協力者?
沢渡アカネはサムライソードの協力者で、彼に刀の悪魔の心臓を移植した元民間のデビルハンターです。
彼女もデンジの心臓を狙っており、そのための駒としてサムライソードやヤクザと手を結んでいました。
沢渡アカネについて、その背景やデンジの心臓を狙っていた理由については語られておらず、分かっているのは「銃の悪魔」と契約しているということだけ。
後に判明することですが「銃の悪魔」既に倒され、その肉片を各国政府が保管している状況だったことを考えると、どこか国家の依頼を受けてのことだったのでしょう。
恐らくはマキマ(=支配の悪魔)の力を削ぐために……
サムライソードと沢渡アカネは表向き利害の一致した協力者のようでしたが、あるいはサムライソードのデンジに対する恨みは、彼女がサムライソードを騙して吹き込んだものだったのかもしれません。
ただ公安襲撃後、沢渡はサムライソードを連れて逃亡することも考えており、使い捨てにするほど一方的な関係でもなかったようです。
……まあ、単純に武器人間としての戦力に利用価値を見出しただけかもしれませんけどね。
「チェンソーマン」サムライソードの元ネタ
作者の藤本タツキ先生は映画好きで、キャラクターデザインの元ネタに映画のキャラクターを使用することが多々あります。
サムライソードもそうしたキャラクターの一つで、恐らくは映画「ヘルボーイ」の「クロエネン」が元ネタだろうと言われています。
ヘルボーイとは、地獄から召喚され人間に育てられた悪魔ヘルボーイが、ナチスの残党などと死闘を繰り広げるオカルト風アメコミ作品。
クロエネンは不死身の肉体を持つナチスの将校で、軍服に不気味なガスマスクをつけ、両腕にブレードを装備しています。
サムライソードは左手首の義手を引き抜事とで悪魔に変身するのですが、悪魔となった彼のデザインは実にかっこいいとファンからも大人気。
黒い軍服を身に纏い、頭部と両腕からはそれぞれ巨大な日本刀を生やしており、雰囲気は非常にクロエネンに似ています。
藤本先生本人も「ヘルボーイの画集を買った」とコメントしていましたから、影響を受けているのは間違いないでしょうね。
「チェンソーマン」サムライソードの活躍(サムライソード編)
サムライソードはコミックス3巻から5巻で描かれた「公安耐魔特異課襲撃事件」、通称サムライソード編のボスと呼ぶべきキャラクターです。
ある日デンジたち公安のメンバーは、サムライソードと沢渡アカネらの襲撃を受け、甚大な被害を被ります。
マキマやコベニの援護によって、辛うじてデンジ、パワー、アキはサムライソードらを退けますが、その代償は大きく、姫野先輩を含めた多くの公安メンバーが命を落としてしまいました。
再び予想される襲撃に向け、岸辺から戦い方を学ぶデンジとパワー。
一方アキは未来の悪魔と契約して新たな力を手に入れます。
その後、サムライソードらが潜伏するビルが判明し、ビームや暴力の魔人、天使の悪魔ら新たなメンバーを加えて決戦に挑むデンジたち。
デンジはサムライソードと、アキは姫野を殺した沢渡アカネとそれぞれ会敵し、決戦に挑む、というのがあらすじです。
「チェンソーマン」サムライソード、最強の大会と再登場
デンジに敗北し「最強の大会」で鎮魂歌を奏でる
それぞれの決戦に勝利したデンジとアキ。
沢渡アカネは情報漏洩を防ぐためか、彼女が使役していた蛇の悪魔に殺されてしまいましたが、サムライソードは生け捕りにされます。
そこでデンジは、姫野先輩を殺した(正確には殺したのは沢渡アカネですが)サムライソードが、このまま刑務所に入るだけというのは納得がいかないと、「最強の大会」の開会を宣言します。
その大会のルールはいたってシンプルで、サムライソードのリトルサムライソードを蹴り飛ばし、一番デケえ悲鳴を上げさせた奴の勝ち、というもの。
デンジとアキの二人の参加者によって、サムライソードは高らかに汚い悲鳴を上げることになったのでした。
「姫野先輩」
「天国まで聞こえるか?」
「オレ達からアンタへの鎮魂歌だ」
ちなみに、この「最強の大会」は第一回人気投票では97位、第二回では98位と、キャラクターでもないにも関わらず安定したファンを獲得しています。
マキマに支配され再登場、その後の生死は不明(死亡? 復活はある?)
その後、刑務所に収監されているのかと思われたサムライソードですが、後にマキマ(=支配の悪魔)に支配され、その私兵である公安対魔特異5課のメンバーとして、レゼやクァンシらとともに再登場しています。
完璧にマキマにデレデレになってましたが……まあ、元がおかしかったのでレゼやクァンシらと比べればファンに与えた衝撃は小さなものでした。
しかし登場するなりデンジに一蹴され、その後の生死は不明。
普通なら死亡間違いなしのダメージを受けていましたが、サムライソードら武器人間はほとんど不死に近い力を持っているので、復活の可能性はゼロではありません。
「チェンソーマン」サムライソード、第二部での復活
サムライソードは第二部で再登場を果たします。
まず138話で「武器人間・長剣」が登場し、武器人間があの戦いの後も生き延びていたことが確定。
武器人間・長剣、槍、鞭、火炎放射器の四人はウェポンズと名乗りチェンソーマン教会と協調して活動、143話ではクァンシも公安側で再登場を果たしました。
そしてついに144話ではサムライソードが再登場。
現在は公安に所属しているようですが、やはりデンジに対しては恨み満載のようで……
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