今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、物語最大の謎「解と封」について解説します。
解と封とは主人公のユルたち「昼と夜を別つ運命の双子」が手にするとされる特殊な力。
手に入れるには一度死ぬ必要がありますが必ず復活できるとは限らなかったり、何か不審な点の多い存在です。
本記事ではこれまでに分かっている「解と封」に関する情報を整理し、その関連ワードである「昼と夜を別つ運命の双子」、「左右様」「巫女(カムガカリ)」などと合わせて解説してまいります。
目次
「黄泉のツガイ」解と封とは?
万物を解く「解」と閉ざす「封」
「解」と「封」とは、主人公であるユルとアサ「昼と夜を別つ運命の双子」が手にする特殊な力です。
この作品ではこの「解」と「封」を巡って、ツガイ使いたちによる熾烈な争いが繰り広げられています。
「解」はこの世のあらゆるものを強制的に解く力。
「封」はこの世のあらゆるものを強制的に閉ざす力。
物質の結合を解いて人の首を飛ばしたり、ツガイの契約を解除したり、寿命や痛覚を封印したり、ツガイを封印したり、結界を張ったり、何でもありの強力な力です。
ただし対象が視認できていないと使えず、力を相殺可能な天敵もいる(後述)など、決して無敵の力ではありません(そもそも使い手は生身の人間なので不意を突かれたら終わり)。
黄泉比良坂に棲む謎のツガイ
「解」と「封」とは運命の双子が手にする力の呼称であると同時に、ある特殊なツガイの名前でもあります。
より正確に言えば「解」と「封」と呼ばれるツガイの力を宿すことができる存在が運命の双子ということですね。
この「解」と「封」は黄泉比良坂と呼ばれる黄泉の国の一歩手前に棲んでいて、大きな片目だけが描かれた布で顔を隠しています。
今のところ何故この「解」と「封」が運命の双子に力を授けてくれるのか、その意図や目的は不明。
また「解」と「封」は別々の場所に棲んでいて、その考えや目的は必ずしも一致しているわけではないようです。
「黄泉のツガイ」昼と夜を別つ運命の双子
引用元:『黄泉のツガイ』公式
東村で特殊な条件で生まれた双子
主人公のユルとアサは「昼と夜を別つ運命の双子」と呼ばれ、前述した「解」と「封」の力を宿すことができる特別な存在です。
「東の村で昼と夜が等しい日に日の出を境に生まれた男女の双子は黄泉の国(の手前)へ渡りツガイを統べる者になる」
これが運命の双子に関して東村に伝わっている伝承(後に西ノ村でも生まれる可能性があったことが判明)。
これを見れば分かるように、本当に極めて稀な条件でしか生まれない存在で、運命の双子が生まれるのは数百年に一度。
ユルとアサは関ヶ原の時代以来、四百年ぶりに生まれた運命の双子です。
力を得るには一度死ぬ必要がある
運命の双子は生まれながらに「解」と「封」の力を宿している訳ではなく、力を得るには一度死ぬ必要があります。
運命の双子は一度死ぬと黄泉比良坂に棲む「解」か「封」のツガイのもとに渡り、その力を受け入れて生き返るか、そのまま死ぬかの選択を突きつけられます。
ただ必ず生き返るというわけではないようで、実際に四百年前も「解」は生き返っていますが、「封」はそのまま死んでしまいました。
四百年前の「封」の双子が死を選んだだけ、という可能性もないではないですが、単純に望めば生き返れるというものではない、と考えるのが自然でしょう。
今のところ作中で登場しているのは「解」だけなので、あるいは「封」は生き返りに条件があるのかもしれません。
なお物語開始時点でアサは一度死んで「解」を手にしていますが、ユルはまだ「封」を手にしていません。
「黄泉のツガイ」解と封と左右様
引用元:『黄泉のツガイ』公式
「解」と「封」は無敵の力ではなく、その力を相殺し、暴走を止めることができるモノが存在します。
それが「左右様」。
東村で守り神として祀られていた鬼神のツガイで、現在はユルと契約しています。
男型の右様が「解」の、女型の左様が「封」の力を相殺することができ、本来は運命の双子を制御するために第三者が契約すべきツガイです。
ただ、何故左右様にそのような力が備わっているのか、「解」と「封」との関係がいかなるものかは、今のところ分かっていません。
「黄泉のツガイ」解と封と巫女(謎)
東村と西ノ村には、運命の双子以外にも「封」の力の一部を使うことができる者が稀に誕生します。
それが巫女。
「神懸かり」、古くは「カムガカリ」とも呼ばれ、ある日突然「封」の力が降りてきて、その一部を使えるようになるのだそうです。
一部とはいえ「封」の力は強力で、寿命を「封」じて不老となったり、村一つを外界から隔離する結界を張ったりと色んな事ができます。
ただこの巫女は謎の多い存在です。
そもそも何故「封」だけしか巫女が存在しないのか、それは「封」の双子が四百年前生き返らずに死んでいることと何か関係があるのか。
この「巫女」と「封」の存在が、物語の謎の鍵を握っている気がしますね。
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