今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、作中で最も愛された男の一人「及川 徹(おいかわ とおる)」について解説します。
及川は物語前半における主人公たちのライバルであり、最大の壁の一人。
イケメンでチャラい雰囲気を纏いながら、その中身は天才たちへのコンプレックスをバネに這いあがってきた努力の人です。
本記事では基本プロフィールに加え、人間関係やその活躍、名言などを中心に及川の魅力について語ってまいります。
「ハイキュー‼」及川徹ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、声優など)
所属 | 青葉城西高校(3年6組) → クラブアトレチコ サンファン(アルゼンチンリーグ) |
ポジション | セッター |
誕生日 | 7月20日 |
身長 | 184.3cm → 185.5cm |
体重 | 72.2kg → 82.4kg |
最高到達点 | 335cm |
好物 | 牛乳パン |
最近の悩み | 烏野のマネちゃんに声かけたらガン無視された(けどきっと照れてただけだし別に全然気にしてなんかない全然別に)→ 未成年と間違えられる |
声優 | 浪川大輔 |
及川徹は宮城県内屈指の強豪校である青葉城西高校バレー部の主将であり、主人公の一人である影山の中学時代の先輩として登場しました。
作中では特にイケメンであることが強調されており、普段は女の子をはべらせてニヤニヤ笑っているいかにもなチャラ男です(ただし最近彼女にフラれた模様)。
基本的には人当たりの良い男ですが、性格は非常に悪く(影山曰く「月島以上」)、笑いながら嫌味を言ったり人をかき回したりするのが大好きという一面も。
一方でチームメイトからは非常に慕われており、及川自身も彼らに全幅の信頼を寄せています。
普段のチャラさと試合中のカリスマ性溢れるシリアスな雰囲気とのギャップにやられたファンは多いのではないでしょうか。
県内総合力トップの超攻撃的セッター(及川徹は天才ではない)
パワー | 5 |
バネ | 3 |
スタミナ | 4 |
頭脳 | 4 |
テクニック | 5 |
スピード | 3 |
※表は最低1~最高5の5段階評価
<プロになった後の追加データ>
サーブ | 10 |
レセプション | 8 |
ディグ | 7 |
セッティング | 10 |
スパイク | 7 |
ブロック | 8 |
※最低1~最大10の10段階評価
選手としての及川は、県内総合力トップの実力を持つセッターです。
その武器は大きく二つ。
一つは極めて高い威力とコントロールを兼ね備えたジャンプサーブ。
そしてもう一つは異なる個性を持つスパイカーたちの能力を最大限に引き出すトス回しです。
特に後者は、単純な精度では影山には及ばないものの、「どこであろうとチームの最大値を引き出すセッター」として高く評価されています。
実際に、作中で及川は初対面の大学生たちの中に入ってプレーした際、ほんの数プレーでチームに溶け込んでスパイカーたちを自在に使いこなしており、それを見た影山に強烈な敗北感を味合わせていました。
しかし、このように高い実力を持つ及川徹ですが、作中でも明言されている通り、彼は天才ではありません。
体格やセンスには恵まれていましたが、中学時代から彼の周囲には牛島や影山といった本物の天才が存在しており、及川は彼らへのコンプレックスをバネにその実力を磨き上げてきたのです。
「ハイキュー‼」及川徹の人間関係
青葉城西(岩泉、金田一、国見など)
「信じてるよお前ら」
これが試合前、及川がチームメイトにかける言葉でありルーティンです。
この言葉こそが、何より如実に及川とチームメイトの関係を表わしているものと言えるでしょう。
まだ一年で付き合いの浅い金田一や国見も、金田一はその高い打点を引き出され、国見は省エネ型のプレイスタイルを認められたことで、及川に対して絶大な信頼を向けています。
付き合いの長い三年生は言わずもがな。
特に中学時代からの付き合いでエースの岩泉とは公私にわたる名コンビ、普段はチャラい及川を岩泉が暴言と鉄拳制裁で的確に引き締めています。
中学時代天才たちの存在に焦って暴走した及川を物理的に正気に戻し、吹っ切る切っ掛けを作ったのも岩泉ですから、及川の中で岩泉の存在がどれほど大きいかわかりますね。
ちなみに、春高予選の烏野高校戦の直前、普段の及川のルーティンを遮って三年生たちが彼に声をかけています。
「信じてるぞキャプテン」
良いです。
対天才(影山、牛島)
今の及川徹を形作る要素の一つが天才たちへのコンプレックスです。
中学時代から高く評価されていた及川ですが、同い年で全国トップクラスのアタッカー、牛島若利が常に壁として立ちふさがり、及川は一度も牛島に勝つことが出来ていませんでした。
荒みながらも何とか牛島に勝利しようともがく及川。
牛島とはポジションが違いましたから、牛島に対してはまだ違う自分を納得させることができていたのかもしれません。
しかしそんな彼の前に、同じセッターとして自分以上の才能を持つ影山が現れます。
才能の違いに苦悩し、一時は暴走する及川。
しかし彼は恩師の言葉と岩泉の鉄拳制裁によりそれを吹っ切り、チームとして天才たちを叩き潰してやると誓うのです。
……ただ、それでもやはり天才と呼ばれる存在に対しては、作中で何度も「ムカつく」と発言したり大人げない対応をしたりと、決して好きにはなれないようですけどね。
「ハイキュー‼」及川徹の活躍・名言
アンチ天才の代表格→後にアルゼンチン代表にまで登り詰める
及川は物語前半、アンチ天才の代表格として永きにわたって主人公たちを苦しめました。
チームとしては烏野高校はIH予選で及川率いる青葉城西高校に敗北し、そして及川個人も、影山にとって決して一人では超えられない壁として立ちふさがります。
及川と影山、互いに互いのことを最大のライバルと認識しているこの関係性は、才能とチームワーク、互いに足りないものを補い合っているようでもありますね。
そして春高予選準決勝で及川率いる青葉城西高校は烏野高校に敗北。
及川はそのままフェードアウトしてしまうかと思われました。
しかし、及川は再び物語に登場します。
主人公の一人、日向が高校卒業後にブラジルに武者修行に行った際、アルゼンチンリーグでプレイしていた及川と再会。
なんと及川は憧れのセッター「ホセ・ブランコ」を追って高校卒業後にアルゼンチンに渡り、プロとして活躍していたのです。
しかも物語はそれだけでは終わりません。
更にこの数年後、及川はアルゼンチン代表としてオリンピックに出場し、影山、日向、牛島といったかつてのライバルたちと戦うことになります。
最初のライバルが強くなって再び立ちふさがる。
実に熱い、鉄板の展開ですね。
心に刺さる数々の名言
及川と言えば読者の心を震わせる数々の名言。
ここではそのいくつかを紹介して、しめとさせていただきます。
「俺のバレーは何ひとつ終わっていない」
「取るに足らないこのプライド、絶対に覚えておけよ」
烏野高校に敗北した後、選択(入る高校)を間違えたなという牛島に対して吐き捨てた言葉です。
後に及川は再び立ち上がり、牛島たちの前に現れるわけですから、熱い言葉であると同時に伏線にもなっていたわけですね。
「飛雄、急速に進化するお前に、俺は負けるのかもしれないね」
「でも、それは今日じゃない」
影山の才能を認めつつ、それでも決して敗北してなるものかとあがく言葉。
アンチ天才の及川が、更に一皮むけた瞬間と言えるかもしれません。
「才能開花のチャンスは今日かもしれない」
「若しくは明日か明後日か来年か30歳になってからかも」
「体格ばかりはなんとも言えないけど、無いと思ってたら多分一生無いんだ」
「才能は開花させるもの」
「センスは磨くもの」
ただのアンチ天才ではなく、それを超えるべく足掻き続けた及川。
その在り方を象徴する言葉です。
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