今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、「ゲスの怪物(ゲス・モンスター)」というあんまりな二つ名を持つ男「天童 覚(てんどう さとり)」について解説します。
天童覚は宮城県の絶対王者、白鳥沢学園の一員として主人公たち烏野高校の前に立ちふさがったキャラクター。
メインとなる登場シーンは烏野高校と対戦したその一試合のみだったのですが、そのあまりに個性的なキャラクターから読者の心に大きな爪跡を残しました。
本記事では天童について声優などの基本プロフィールに加え、エース牛若らとの関係や活躍、その後の進路などを中心に深掘りしてまいります。
「ハイキュー‼」天童覚ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、声優など)
所属 | 白鳥沢学園3年2組 |
ポジション | ミドルブロッカー |
誕生日 | 5月20日 |
身長 | 187.7cm |
体重 | 71.1kg |
最高到達点 | 327cm |
好物 | チョコのアイス |
最近の悩み | 周りのみんながジャンプを読まなくなってきたこと |
声優 | 木村昴 |
天童覚は宮城県の絶対王者、白鳥沢学園の3年生レギュラーとして春高予選の決勝で主人公たち烏野高校の前に立ちふさがりました。
外見はツンツンに逆立った赤髪とぎょろりとした目が特徴。
性格は明るく陽気なのですが、どこか人の神経を逆なでするような言動が目立つため、チームメイト以外からは敬遠される傾向があります。
チームメイトはほぼ全員下の名前で呼んでいて、監督の鷲匠のことでさえ「鍛治君」呼ばわりしていますが、これはある意味、気を許した人間への親愛の証かもしれません。
二つ名は「ゲスの怪物(ゲス・モンスター)」。
これはゲス野郎という意味ではなく「GUESS=推測する」、バレーの「ゲス・ブロック」という相手の動きを推測して直感で跳ぶブロックを得意とすることに由来しています。
ちなみに、青葉城西の3年レギュラー陣(及川除く)からは白鳥沢学園の中で最も嫌われているプレイヤーのようですが、その理由が性格かプレースタイルによるものかは定かではありません。
心理戦に長けたゲス・ブロックの名手
パワー | 2 |
バネ | 3 |
スタミナ | 2 |
頭脳 | 4 |
テクニック | 4 |
スピード | 3 |
※表は最低1~最高5の5段階評価
これが天童のパラメーターです。
見ての通り全国区のチームのレギュラーとしては天童のスペックはそれほど高いものではありません。
もちろん高身長で基本的な技術は水準以上に身についているのでしょうが、それだけであれば決して目立つプレイヤーではなかったでしょう。
天童の武器は前述した「ゲス・ブロック」、相手の動きを先読みする独特の嗅覚にこそあります。
そもそも「ゲス・ブロック」は相手の動きを推測し直感で跳ぶため、推測が外れる可能性も高く、場合によってはレシーブの邪魔になりかねないプレー。
現代バレー(特に若い中高生の指導現場)ではあまり勧められないプレーです。
しかし天童はこの「ゲス・ブロック」を多用し、その驚異的な読みと直感によって要所要所で敵のスパイクをドシャットし、チームに貢献しています。
こういう読めないプレイヤーは相手チームのセッター、スパイカーに大きなプレッシャーを与えるということで、単純なブロックによる得点以上の影響力があるようです。
「ハイキュー‼」天童覚の人間関係
エース牛島若利(牛若)とは終生のマブダチ
天童と白鳥沢学園の牛島若利(以下、牛若)とは自他共に認めるマブダチです。
陽気で人をおちょくるのが大好きな天童と、クソ真面目で実直な牛若とでは正反対のキャラクターですが、だからこそ非常に相性が良かったのでしょう。
他の人間なら馬鹿にされている、挑発されていると思いかねない天童の言動にも、牛若は怒ることなく淡々と応じていて、チーム内では一番よくコミュニケーションをとっていました。
天童も性格と口が悪いだけで悪気は一切ない男なので(多分)、慣れればいい奴なんでしょう(きっと)。
牛若としても、周囲の人間から畏怖され遠慮されがちな中、積極的に自分に話しかけてくれる天童のことを好ましく思っていたのかもしれません。
この二人の関係は卒業後も続いており、意外にも牛若が天童に悩みを相談することもあったようです。
鷲匠監督は自分を認め、拾ってくれた恩師(不遇な過去)
飄々として明るいキャラクターの天童ですが、実は中学以前の彼は暗く影を漂わせていました。
天童は幼い頃からバレーをしており、当時から「ゲス・ブロック」を得意としていたのですが、あまりに卓越した読みでスパイクをブロックしてしまうため、周囲からは嫌われ、敬遠されていました。
また指導者からも、直感頼りのプレーじゃ限界があるとプレースタイルを否定されてしまいます。
そんな彼を拾ってくれたのが、白鳥沢学園の鷲匠監督でした。
自分をスカウトにきた鷲匠監督に、拗ねた顔つきで天童は言います。
「俺は俺が気持ちいいバレーがやりたいんです」
「点が取れるなら、なんの文句もねぇよ」
それはなんて事のない言葉で、けれど天童にとっては初めて自分を認めてくれた言葉。
白鳥沢学園は初めて天童を受け入れてくれた場所だったのです。
「ハイキュー‼」天童覚の活躍と名言、その後の進路(将来)
卒業後はバレーを辞め、パリでプロのショコラティエへ
卒業後、天童はすっぱりバレーを辞めてショコラティエとしての道を歩んでいます。
元々チョコ好きだったのと、バレーは最高の仲間と共に高校でやり切ったという思いがあったのでしょう。
パリへ渡り、頭を丸めて修行に励む天童。
その間もずっと牛若とは連絡を取り合っていたようです。
そして2021年にはテレビのドキュメンタリー番組で取材を受けるほどの有名ショコラティエとなり、なんと牛若の側が友人枠で一緒に取材を受けていました。
烏野高校を苦しめた活躍と名言(?)、「バキバキの歌」
それでは烏野高校を苦しめた天童の活躍を、その名言と歌とともに振り返っていきましょう。
「若利君を倒したければ俺を倒してから行け~」
牛若に挑む日向たちに、冗談交じりに告げた天童の言葉。
白鳥沢は牛若だけじゃないぞ、と烏野にも読者にも知らしめた瞬間ですね。
「バキバキに折れっ」
「何を?」
「心をだよ~」
「こ~なごな~に砕けっ」
「何を?」
「精神を~だよ~」
通称「バキバキの歌」。
アニメでは木村昴さんが見事に熱唱していました。
その独特のリズムが頭に残っている方も多いのではないでしょうか。
「今日の俺、120点ッ!」
「悟ったりー!」
強烈な「ゲス・ブロック」で烏野高校の攻撃の芽をことごとく摘んでいく天童。
色んな意味で絶好調でしたね。
「ブロックは読みと嗅覚だよ」
「ブロックとはシステムです」(月島)
同じブロッカーとして、信念の違う月島との対決も、この試合の大きな見どころの一つでした。
「どいつもこいつも妖怪みてぇ」
どこまでも食らいついてくる烏野に、辟易した様子で思わず漏らす天童。
誰もが思ったことでしょう「お前が言うな」。
「さらば俺の楽園」
そして烏野高校に敗北し、点を仰ぐ天童。
彼にとって白鳥沢学園がどれほど掛け替えのない場所だったのか、それが強く伝わってくる言葉でした。
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