今回はアニメ化、実写化もされた大人気漫画「弱虫ペダル」から、不屈の精神を持つチーム総北の主将「金城 真護(きんじょう しんご)」について解説します。
金城は千葉総北のエースであり、優しさと厳しさとを兼ね備えたチームの精神的な支柱です。
IHでは妨害による落車や膝の怪我など悲運に見舞われ2年連続でリタイアしていますが、その姿はチームメイトと読者の心を熱く奮い立たせてくれました。
本記事ではそんな金城の過去の因縁や名言、IHでの戦歴、荒北との大学編などを中心にその魅力を深掘りしてまいります。
「弱虫ペダル」金城真護ってどんな奴?
基本プロフィール(誕生日、身長、声優、自転車)
所属 | 千葉総北高校 → 洋南大学理学部 |
身長 | 178cm |
体重 | 65kg |
誕生日 | 12月1日 |
タイプ | オールラウンダー |
愛車 | TREK(白い車体に青ロゴ) |
声優 | 安元洋貴 |
金城真護は千葉総北高校自転車部における主人公・小野田坂道たちの二つ年上の先輩で、チームを支える主将でありエース。
外見は坊主頭にメガネまたはスポーツサングラスをつけた青年で、周囲からはやや老けて見られることが多いです(時々裸眼なので、視力がどの程度かは不明)。
一方、絵的には分かりにくいですがイケメン設定らしく、女子からの人気は高いのだとか。
物語当初は主人公たちに試練を与える厳しい先輩という印象が強かったですが、口数が増えるにつれてその思いやりに溢れた性格が表に出るようになっていきました。
趣味は裁縫と手品。
中学時代からそこそこ有名な選手だったらしく、入部当初から次期エースとして期待されており、実際に2年生の時にはエースとしてIHに出場しています。
「石道の蛇」の異名を持つ、総北の誇る不屈のエース
金城は全国でも屈指の実力を持つオールラウンダーであり、王者箱根学園の主将、福富ともIHで互角の勝負を繰り広げています。
そんな金城の最大の武器は不屈の精神力。
「石道の蛇」の異名の通り、一度食らいついたら決して離れず、どんな逆境でも諦めることのない精神力は、多少の実力差は覆してしまいます。
まさに「チームの想いを背負ったエースは強い」という言葉を体現したような男と言えるでしょう。
「弱虫ペダル」金城真護の人間関係
今泉にエースとして精神的な成長を促す
総北では3年生がそれぞれ1年生トリオとコンビを組んで指導に当たっていましたが、金城がコンビを組んでいたのが今泉俊輔です。
今泉は実力的には申し分ないものの、メンタル面に弱さを抱えており、その実力を発揮しきれないという弱点がありました。
それが表に出たのがIH2日目、京都伏見の御堂筋の精神攻撃に晒された時です。
御堂筋の言葉に心を折られ、足を止めてヘルメットを投げ捨てる今泉。
もう戦えないと言う今泉にヘルメットを差し出し、金城は告げます。
「なら戦わなくていい」
「もう引かなくていい」
「だが一緒に走ってくれ」
「この総北ジャージは」
「6枚揃って完成型だ」
IHという極限の状況下であっても今泉を見捨てることなく、その背中によって成長を促し続けた金城。
そして今泉もその期待に応え、最終日の最期の山で見事な成長を遂げることになるのです。
箱学主将・福富との昨年のIHでの因縁
1年前のIHにも、金城は総北のエースとして出場していました。
そして仲間たちの頑張りもあり、2日目には箱根学園の福富と先頭争いを繰り広げます。
当時、実力的にはやや福富が優っていましたが、金城の不屈の精神力、そして福富の慢心もあり、福富がシフト操作のミスで遅れた隙をついて金城が前に出ます。
しかし、それに動揺した福富は金城のジャージを掴んで妨害するという最悪の行動に出てしまい、2人は揃って落車。
かろうじて2日目はゴールしたものの、大きく順位を落とし、金城に至ってはろっ骨骨折などでとても最終日を走れる状態ではありませんでした。
2日目の後、謝罪に訪れた福富を責めることなく、黙々と最終日のための準備にかかろうとする金城。
福富は走れるはずがないとそれを制止しようとします。
「ロードレースの」
「全ての勝敗は道の上で決まる」
「そしてその結果は」
「ゴールするまで誰にもわからない」
「だったら走るさ」
「道の上に立って走り出さなきゃ」
「それは負けと同義だ」
結果的に、金城は最終日を走ることは叶いませんでした。
しかしその姿に強い敗北感を植え付けられた福富は、レース後に改めて金城の元に謝罪に赴き、来年のIHでもう一度勝負をして欲しいと頼み込みました。
金城もそれを受け入れ、その約束は翌年のIH2日目に果たされることとなります。
「弱虫ペダル」金城真護の活躍と名言、大学編
大学編では洋南大学に進学し、荒北靖友らとチームメイトに
金城は高校卒業後、洋南大学に進学して自転車競技を続けています。
洋南大学には箱根学園のエースアシストだった荒北靖友も進学しており、金城とはチームメイトに。
かつての敵同士ではありますが、荒北も福富のライバルだった金城のことは認めていましたし、二人の相性は意外に悪くなさそうです。
ちなみに、洋南大学には荒北とIH最終日に激闘を繰り広げた呉南の待宮栄吉も進学しており、狂犬大好きな荒北の熱望もあって待宮も自転車競技部に入部しています。
荒っぽい面々が揃っていますが、金城なら上手くさばけるのかな……?
膝の怪我に泣いたIHでの活躍と名言
それでは金城のIHでの活躍を明言とともに振り返って行きましょう。
「一人でがんばる必要はない」
「おまえが倒れたら俺が支える」
IH直前、メンバーに選ばれたプレッシャーで動きが硬くなった小野田に互いに支え合う「チーム総北の走り」を示した金城。
実はこの言葉がIH最終日の土壇場で金城自身を救うことになります。
そしてIH本番。
初日はトラブルこそあったものの、箱根学園、京都伏見とともに同率1位でゴールする金城。
しかし2日目のレースはさらに過酷なものとなりました。
田所の不調、御堂筋の口撃によって足を止めてしまう今泉と、バラバラになりそうなチームを金城は自らの走りで鼓舞し、つなぎ留めます。
「戦うために出来る事があるなら」
「たとえエースがチームを引くような事があったとしてもそれをやりきる」
「それがチーム総北の走りだ」
そして何とかチームを立て直したものの、ゴール前で御堂筋の執念によって京都伏見に差を広げられてしまいます。
「背負うな、今泉」
「悔しさ、後悔、失敗や成功」
「希望、意志、全てだ」
「仲間がお前にそうしてきたように」
「お前もすればいい」
「託せ、心を」
御堂筋に出し抜かれて悔やむ今泉にそう声をかけ、エースである自分が取り戻すと疾走する金城。
彼は箱根学園の福富にこそ僅差で敗れたものの、見事に御堂筋を抜き去り、2日目は2位でゴールします。
しかしこの時、金城は左膝に強烈な痛みを抱えていました。
それが顕在化したのが3日目、最後の山でスパートをかける段になって金城の左足は動かなくなってしまいます。
絶望する金城でしたが、その時1年生たちの姿に金城は自分がかつて言った支え合うチーム総北のマインドを思い出します。
そして1年生3人と巻島に全ての想いを託し、誰よりも早くこのジャージをゴールに叩き込めと最後のオーダーを発したのです。
「行け、絶対にあきらめない!」
「それがチーム総北だ!」
3年間をかけた最後の舞台で、自分の想いを他人に託せる。
金城はそれもまた一つの強さなのだと教えてくれたような気がします。
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