今回は少年ジャンプの大人気漫画「ブラッククローバー」から、スペード王国を牛耳る漆黒の三極性の一人「ゼノン・ゾクラティス」について解説します。
ゼノンは最上位悪魔ベルゼブブと契約した魔導士であり、悪魔憑き「漆黒の三極性(ダークトライアド)」の実質的な最強格。
単に自分の欲望に忠実であったダンテやヴァニカとは異なり、歪んではいても彼なりの信念に基づき国家に尽くしていた悲しい敵役です。
本記事ではその圧倒的な強さと作中における役割、アスタとユノの関係を彷彿とさせる親友・アレンとの過去を中心に語っていこうと思います。
「ブラッククローバー」ゼノンのプロフィール
基本プロフィール(年齢、誕生日、身長、血液型、声優など)
年齢 | 不明 |
誕生日 | 12月28日 |
身長 | 178cm |
血液型 | A型 |
魔法属性 | 骨・空間 |
好きなもの | 特に無し |
出身地 | スペード王国 |
声優 | 鈴木達央 |
ヴァニカ・ゾクラティスはスペード王国を牛耳る三人の悪魔憑き「漆黒の三極性(ダークトライアド)」の一人。
額から左頬にかけて十字架のような模様が刻まれた冷徹な雰囲気の男性です。
その性格は冷静沈着であり冷酷、部下であろうと弱者は即座に切り捨てる徹底した実力主義者。
最上位悪魔ベルゼブブと契約した悪魔憑きであり、その実力はヤミたち魔法騎士団長さえ凌いでいます。
作中ではダイヤモンド王国を壊滅状態に追いやり、魔法騎士団「金色の夜明け」のヴァンジャンス団長を攫うなど、大いにアスタたちを苦しめていました。
漆黒の三極性(ダークトライアド)におけるマキャベリズム担当
漆黒の三極性とは、スペード王国を支配するダンテ、ヴァニカ、ゼノンのゾクラティス兄弟の呼称です(後にゾクラティス兄弟にはもう一人、長兄が存在することが判明します)。
彼らは全員が最上位悪魔と契約した悪魔憑きであり、冥府と現世を繋ぐクリフォトの樹を生成し、完全なる悪魔の降臨を目論んでいました。
「ダークトライアド」という言葉には社会的に望ましくない気質であるサイコパシー、ナルシズム、マキャベリズムとの3つの人格特性の総称、という意味もあり、ゼノンはその中でマキャベリズムを担当しています。
マキャベリズムとはどんな非道な手段であろうと、結果的に国家(集団)の利益を増進させるのであれば許容されるという考え方。
何というか、他のサイコパシーやナルシズムと異なり、一概に否定しづらい人格特性ですよね。
そして実際、ゼノンは外道ではあっても非道とは言えない、複雑な信念と過去の持ち主でした(詳細は後述)。
「ブラッククローバー」ゼノンの強さ(魔法・悪魔憑き)
強固な骨魔法と空間魔法を併せ持つ悪魔憑き
ゼノンは彼本来の魔法である「骨魔法」と、最上位悪魔ベルゼブブと契約したことで得た「空間魔法」の二つの魔法属性を操る強力な魔導士です。
高い強度と攻撃力を持つ骨魔法と、圧倒的な利便性と制圧力を持つ空間魔法の組み合わせは凶悪の一言。
これが悪魔憑きの魔力で強化されているのですから、もう手が付けられません。
<骨魔法>
無間骨牙
膨大な質量と強度を持つ骨を生み出す攻撃魔法。
<空間魔法>
空魔掌握
周辺空間の魔を完全に掌握することで、他者の魔法を完全に無力化する魔法。
対抗手段は次の3つのみ。
・自身と同格以上の魔力の持ち主。
・魔(マナ)に愛された者。
・マナゾーンに至った空間魔導士。
<骨・空間魔法>
魔剣ダーインスレイヴ
あらゆるものを切り裂く防御不能の剣。
空魔断絶という斬撃を飛ばすこともできる。
悪魔憑きの膨大な魔力、クライマックスでは悪魔の心臓により更なる力を得る
ゼノンは悪魔憑きとして高い才能を持ち、通常状態でベルゼブブの力を80%まで引き出すことが可能です。
ダイヤモンド王国を単騎で壊滅させた時は40%程度、「金色の夜明け」からヴァンジャンス団長を攫った時でさえ55%程度しかその力を使っていなかったと言うのですから、その魔力がいかに膨大かがよく分かりますね。
スペード王国での決戦の際はクリフォトが開き100%の力を引き出すことも可能に。
更にクライマックスでは、ベルゼブブとの契約によりその心臓を借り受け、悪魔そのものというべき姿へと変貌していました。
「ブラッククローバー」ゼノンの過去(アレン)
今でこそ冷酷非情なゼノンですが、幼い頃は大人しく内向的な少年でした。
魔法属性が「骨」ということで周囲の子供たちからは気味悪がられイジメられていたゼノン。
そんな彼の前に現れ、救ってくれたのがアレンでした。
アレンはスペード王国の「魔導防衛隊総隊長」を目指す明るく前向きな少年。
そんなアレンに感化されてゼノンも「魔導防衛隊総隊長」を目指すと宣言し、二人は親友でありライバルとして共に切磋琢磨し、魔導防衛隊に入隊します。
まるで「魔法帝」を目指すアスタとユノのようですよね?
しかし二人の運命はあるダンジョンの調査に赴いた際、封印された悪魔と遭遇してしまったことで大きく変わってしまいます。
凶悪な悪魔を前に全滅寸前に追いやられるチーム。
そんな中アレンは一人悪魔に突進していきます。
その時ゼノンは考えました。
このままではチームは全滅し、悪魔は街や国に甚大な被害をもたらすことになる。
今アレンごと魔法を放てば、悪魔を倒すことができる。
ゼノンは決断し、アレン諸共悪魔を攻撃し、滅ぼしました。
アレンを殺した罪悪感に苦しむゼノンは、やがて「力が無ければどんな思いも信念も無意味だ」と考えるようになり、長兄に頼んで悪魔と契約します。
圧倒的な力を手に入れた彼は、弱者を切り捨て、強者のみの世界を作り出そうと願うようになってしまったのです。
「ブラッククローバー」ゼノンの最期(死亡)
ゼノンはスペード王国での決戦において、因縁ある「金色の夜明け」のユノ、ランギルスと対決します。
当初ランギルスの空間魔法を圧倒し、戦いを優位に進めていたゼノンでしたが、ユノのスピリット・ダイブ・ボレアスをくらって致命傷を負います。
しかしその直後、クリフォトが開きゼノンたちが悪魔の力を100%引き出せるようになったことで傷は癒え、戦況は再びゼノン優位へ。
劣勢を打開しようとマナゾーンへ到達したランギルスがゼノンの攻撃を掻い潜り、必死に時間稼ぎます。
その間に力を貯めたユノのスピリット・オブ・エウロスを受け、再び致命傷を負うゼノン。
戦いは決着したかに思われましたが、ゼノンはベルゼブブと契約してその心臓を借り受け、更に禍々しい姿となって復活します。
この時、ゼノンはユノがランギルスごとスピリット・オブ・エウロスを放っていれば、自分の心臓を貫いてユノが勝っていた、と自分の過去となぞらえる様に皮肉気に告げていました。
圧倒的な力を前に薙ぎ倒されるユノとランギルス。
フィンラルも救援に訪れランギルスと素晴らしいコンビネーションを発揮しますが、それさえゼノンは容易く完封してしまいます。
しかし絶体絶命の窮地において、ユノはスペード王国の王族として「星魔法」に目覚め復活。
かつての自分に似ていながら、全く違う道を歩むユノに、ゼノンは強烈な殺意をもって襲い掛かります。
勝利したのはユノ。
「……オレとオマエは……」
「どこで違った……?」
「……知らねー……」
「オレもまだ途中だ……」
「アイツとの誓いの」
その言葉に、かつてのアレンとの誓いを思い出し、静かにゼノンは果てていきました。
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