今回は「ジャンプ+」の人気野球漫画「忘却バッテリー」から、主人公の一人・要圭の一発ギャグ「パイ毛」について解説します。
パイ毛とはこの作品の第1話から登場し続けている一発ギャグ。
作中で全くと言っていいほどウケていないのにしつこく繰り返され、記憶喪失でアホの子になった恥将・要圭を象徴するワードとなっています。
しかしただのギャグかと思いきや、意外に深い伏線と意味が隠されていて読者を驚かせた「パイ毛」。
本記事ではそんな深くて浅い一発ギャグの登場回(何話)や意味(伏線)などを中心に解説してまいります。
「忘却バッテリー」パイ毛とは?
要圭の一発ギャグ
「パイ毛」とは主人公の一人・要圭の一発ギャグ。
胸の横で掌を広げ揺らしながら「パイ毛~!」と叫ぶだけのしょうもないギャグです。
作中では第1話からしつこく繰り返され、ギャグ・シリアス、シーンは関係なく隙あらばぶっこんできています。
要圭の「恥将」モードを象徴するギャグであり、「智将」モードが限界を迎えかけた時には無意識に手が「パイ毛」の動きをするなど、もはや「恥将=パイ毛」として扱われている模様。
基本的に作中では駄々スベリで全くウケていませんが、清峰と土屋さんからは高評価。
ただ実際のところ清峰は要圭に甘いだけでしょうし(笑ってない)、土屋さんも「元天才が記憶喪失でアホになってる」ことへの二次元的感動からウケているだけで、ギャグとして評価されているわけではありません。
人気投票でも躍進
キャラクターですらない「パイ毛」ですが、の人気投票では人間キャラを押しのけて上位をキープ。
第1回人気投票では39位(41票)、第2回人気投票では46位(207票)と、第2回は登場キャラが増えたため順位こそ落としていますが、着実に固定ファンを確保しています。
勿論、人外ワードの中では「要家のうっすいカルピス」「グローブを封印していた最も内側の段ボール」などの人気ワードを押しのけてトップに君臨しています。
「忘却バッテリー」パイ毛の登場回(何話?)
第1話から「恥将=パイ毛」と定着
パイ毛は第1話からレギュラー出演(?)している一発ギャグです。
その初登場は山田との遭遇シーンで、友好の証として二度もパイ毛を繰り返しています。
もちろん山田はピクリとも笑っておらず、相手が笑うまで続けるタイプで「しんどい」と正直な感想を心の中で呟いています。
その後も隙あらば要圭はパイ毛をぶっこんで来ており、日常回どころか試合中のサイン代わり、「智将」モードが限界を迎えた証など、いたるところで「恥将」を象徴するワードとして使われています。
国都にはキレ散らかされる
ただ当然、シリアスな場面でパイ毛などぶち込めば、相手によってはだだスベリし、とんでもない惨事を引き起こすことも。
原作10話では試合中の国都相手にパイ毛を披露し「今の一発芸 何一つ面白いとはおもえないな」「神聖な勝負の場での悪ふざけ…実に不快だ」と至極もっともにキレられ、要圭は強いショックを受けていました。
さらにそこに清峰が「パイ毛は 面白いだろうが」と意味不明なキレ方をして国都との真剣勝負が繰り広げられるのですが……
新入生相手にすべり散らかし智将にバトンタッチ
パイ毛が引き起こした最大の惨事が原作95話で野球部の新入生の前で要圭(恥将)がいつものようにパイ毛を披露し、とんでもないだだスベリをした事件。
これまで要圭は関係性のある仲間内でパイ毛を披露することが多かったため、面白くなくてもそこまで酷い扱いをされることはなく、ハッキリ言えば甘やかされていました。
なんならしつこく繰り返されることで10回に1回は笑ってしまうことさえあったのだとか。
しかし関係性ゼロの後輩たちはパイ毛に対して忌憚のない反応を返し、要圭は人生初にして過去最大のおすべりを経験することになります。
その結果、要圭(恥将)はショックのあまり現実逃避し、全てを智将(もう一人の人格)に擦り付けてバトンタッチ。
藤堂や千早、山田は要圭(恥将)を心から軽蔑し、そこからリカバリーして見せた智将を心の底から尊敬していました。
「忘却バッテリー」パイ毛の由来(元ネタ)
パイ毛はリアルで元ネタがあるわけではなく、この忘却バッテリーオリジナルのギャグです。
ただこのパイ毛は要圭のオリジナルではなく、中学時代の彼の同級生が考案したギャグをパクったもの。
原作64話で同級生がパイ毛を披露するシーンが描かれ、その事実が判明しました。
当初はパクったギャグを自分の持ちギャグかのごとく、あそこまで擦り倒していたのかと衝撃を受けたものですが、実は要圭がパイ毛を多用していたことには深い意味があったのです。
「忘却バッテリー」パイ毛の意味(伏線)
前述した通り、パイ毛は元々中学時代の同級生が考案したギャグ。
全然面白くはないものの憎めないその同級生のキャラでウケていて、当時中学生だった要圭(智将)は友達の多いその姿を「へーいいな 楽しそうで」と見つめていました。
ただ当時の彼は野球に全てを捧げて友人関係を切り捨てており、そんな世界は完全に他人事。
「時間の無駄だけど」と目を背けていました。
しかしその後、大阪陽盟館から清峰のバーターとしてスカウトされたことで、自分が偽りの天才だということを突きつけられた要圭はショックのあまり記憶喪失に。
その後、アホの子になった彼がパイ毛を山田たちの前で繰り返し披露しているのは、野球に全てを捧げていた当時も、本心では友人たちと楽しく遊びたかったということなのかもしれません。
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