「忘却バッテリー」山田太郎~物語の語り手でもある穏やかな常識人、その過去や主将就任、藤堂のイップス克服など~

 今回は「ジャンプ+」の人気野球漫画「忘却バッテリー」から、小手指高校の精神的支柱にして物語の語り手「山田 太郎(やまだ たろう)」について解説します。

 「天才たちは、出会ってしまった。」がこの「忘却バッテリー」のキャッチコピーですが、山田太郎はその場面に遭遇し、天才たちと共に野球をしていくことになる凡人代表。

 物語の語り手であり読者の分身のような存在です。

 しかしただの凡人でなく、要所要所で天才たちを支え救っていく立派な凡人。

 本記事では山田太郎のプロフィールや過去、作中での活躍などを中心に解説してまいります。

「忘却バッテリー」山田太郎のプロフィール

基本プロフィール(誕生日、身長、声優など)

誕生日3月3日
身長164cm
血液型O型
所属都立小手指高校
出身秋津シニア
ポジション一塁手(元捕手)
投打右投右打
背番号3番
家族父、母、弟
声優梶裕貴(TV)、福山潤(OA)

 山田太郎は主人公たちと同じ小手指高校に通う同級生です。

 野球少年だった中学時代、要圭清峰葉流火の天才バッテリーに打ちのめされ、野球を辞めて野球部のない都立高校に進学したところ、入学初日にその天才バッテリーと遭遇。

 天才たちの可能性に魅入られ、彼らと共に甲子園を目指していくことになります。

 外見は小柄で地味な見た目のモブ顔。

 曲者揃いの登場人物の中では貴重な常識人であり、その穏やかな人柄で周囲の信頼を集めていきます。

 ちなみに名前はドカベン好きの父親に悪ふざけでつけられたそうです。

堅実で地に足の着いた一塁手

 山田太郎は派手さこそないものの基礎がしっかりしており、堅実で地に足のついたプレーでチームを支えるタイプのプレイヤーです。

 中学時代は捕手だったこともあり、特に捕球能力は中々のもの。

 物語序盤はある程度何でもこなせるためかポジションが一定しませんでしたが、最終的には一塁手にコンバートしています。

 ランナーの飛び出しを見逃さずアウトにしたり、安定した捕球でチームメイトを安心させたり、地味ながら堅実に仲間をサポート。

 打者としても星明学園戦、2点リードされた二死満塁の場面でタイムリーを打ったりと要所要所で活躍しています。


「忘却バッテリー」山田太郎の過去(挫折)

 中学時代の山田太郎は弱小シニアでお山の大将だった、どこにでもいる普通の野球少年でした。

 主人公の要圭と清峰葉流火の天才バッテリーに心をへし折られて、野球を辞めた数いる野球少年の一人。

 当時の山田太郎は「怖い速いムリ」と男が断固口にしてはならない三大原則を口にしていました。

 ただ元々そこまで自分に自信を持っていたわけではないので、千早藤堂と比べれば挫折の程度は軽め。

 要圭と清峰葉流火に遭遇した時も、憧れや感動めいた感情の方が先に立っており、直ぐに二人に協力していました。

「忘却バッテリー」山田太郎は語り手

 山田太郎は物語の語り手でもあります。

 基本的にこの忘却バッテリーは、凡人・山田太郎の目を通して見た天才たちの奇跡の遭遇を描いた物語。

 作中にはいたるところに山田太郎の心の声がちりばめられています。

 控えめな性格の山田太郎ですが心の中では非常に多弁であり、登場人物たちの奇行を一つ一つ丁寧に拾うツッコミ気質。

 彼がいなければこの物語はボケばかりで収拾がつかなくなっていたでしょう。

 なお、山田太郎は第一回人気投票で要圭(アホ)に次ぐ2位を獲得しています。


「忘却バッテリー」山田太郎と藤堂のイップス

 山田太郎は藤堂のイップス克服に大きく貢献しています。

 藤堂は中学時代のミスが原因で、遊撃手から一塁への送球がまともに投げられなくなっていました。

 その克服のために練習に取り組む藤堂でしたが、大暴投ばかりで一塁が捕球できず、どんどん顔色が悪くなっていきます。

 そんな藤堂のために一塁手に志願したのが山田太郎。

 山田の安定した捕球と人にプレッシャーを与えない人柄で、徐々に藤堂はイップスを克服していきました。

 当初はワンバン送球でしたが、山田への信頼もあり、最終的には帝徳戦で完全復活を果たしています。

「忘却バッテリー」山田太郎、主将就任

 山田太郎は二年進級と同時に野球部の主将に就任しています。

 三年の先輩(鈴木さん)はいたのですが、上を目指すならちゃんとした主将が必要と山田を推薦。

 他のメンバーも満場一致で山田を後押ししています。

 山田太郎は単に人柄がいいだけでなく、帝徳との練習試合で他のメンバーが雰囲気に呑まれていた時一人大きな声であいさつして空気を変えたりと、チームの精神的支柱に相応しい胆力も持ち合わせています。

 ただ優しいだけでなく、いざという時頼れる存在として信頼を積み重ねた結果としての主将就任ということでしょうね。



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