「忘却バッテリー」要圭~記憶喪失の理由と過去、いつ記憶が戻る? 智将と恥将、パイ毛の由来~

 今回は「ジャンプ+」の人気野球漫画「忘却バッテリー」から、本作の主人公の一人「要 圭(かなめ けい)」について解説します。

 要圭は中学時代「智将」と呼ばれ冷静沈着なリードで勝利に導いた天才捕手。

 しかし彼は記憶喪失により野球に関する知識や興味を失い、野球部のない都立高校に進学することになります。

 物語が進むにつれて徐々に記憶を取り戻し、記憶喪失となった理由(過去)が明かされていく要圭。

 本記事ではそんな彼のプロフィールや過去、智将と恥将の違いなどを中心に解説してまいります。

「忘却バッテリー」要圭のプロフィール

基本プロフィール(誕生日、身長、声優など)

誕生日4月15日
身長172cm
血液型AB型
所属都立小手指高校
出身宝谷シニア
ポジション捕手
投打右投左打
背番号2番
家族父、母
声優宮野真守

 要圭は本作の主人公の一人であり、中学時代は幼馴染の清峰葉流火と共に「怪物バッテリー」と呼ばれた天才捕手……でした。

 しかし中学3年の時、ある理由により記憶喪失となった要圭は野球に関するあらゆる知識と興味を失い、野球部のない都立高校に進学。

 彼と一緒に野球をやりたいとついてきた清峰葉流火に押し切られる形で、かつて彼らに打ちのめされて野球を辞めていた山田藤堂千早らと発足したばかりの野球部に入り、再び野球に取り組んでいくことになります。

 外見は中肉中背の明るい雰囲気の少年。

 性格は基本、お調子者で自堕落なアホの子ですが、智将モードに切り替わると(後述)、クールで自信にあふれたストイックな性格へと変貌し、男女問わずモテ始めます。

 アホの時は「パイ毛」という持ちギャグを随所で披露していますが、基本清峰葉流火以外には全く受けていません。

 なお、この「パイ毛」は彼のオリジナルギャグではなく、中学時代のクラスメイトがしていたものです。

冷静沈着な天才捕手……の、成れの果て

 かつて天才捕手と呼ばれ、鋭い観察眼と巧みなリード、カリスマ性でチームを勝利に導いていた要圭ですが、物語開始時は野球に関する全ての記憶を失っており、すっかり素人になってしまっていました。

 ただ記憶は失っても捕球姿勢は完璧だったり、ちょっとバットを振っただけでキレイなスイングを取り戻したりと身体に染みついた技術は健在です。

 元々、フィジカルには恵まれておらず、異常な練習と研究を積み重ねてきた努力肌。

 読みと駆け引きで勝負するタイプで、かつては名門シニアで3番を打つなど打者としても優秀でした。

 記憶を失ったことでその強みの大部分を失っていましたが、かつての自分が書いていた「ぜったいノート」を読み込んだり、智将の人格(詳細は後述)からアドバイスを受けることで徐々に知識を取り戻していくことになります。


「忘却バッテリー」要圭、智将と恥将

 要圭は作時折突発的にかつて記憶を取り戻し、智将と呼ばれたカリスマ性溢れる状態になることがあります。

 ただ、この智将モードはあまり長くは持たず、時間がたつとアホ(パイ毛)が徐々に漏れ出し、普段の恥将モードに戻ってしまいます。

 当初は記憶を取り戻した智将が本来の彼で、普段の恥将は不完全な状態かと思われていましたが、実際はその逆。

 実は元々要圭はチャランポランなお調子者で、恥将モードが本来の彼。

 智将はそんな彼が野球以外の全てを切り捨て上を目指すために作り出した別人格で、記憶喪失と思われていたそれは、解離性同一性障害による人格交代が原因でした。

 智将としての人格はある出来事により強いストレスを受け、休眠状態(=周囲は記憶喪失と認識)に入っていましたが、物語が進むことで徐々に回復し、時折人格交代もできるように。

 途中からは精神世界で対話も可能となり、主人格のことを「マスター」と呼んでいます。

「忘却バッテリー」要圭はいつ記憶が戻る?

 作中序盤から突発的に記憶が戻っては、直ぐアホに元に戻っていた要圭。

 正確にはそれは記憶が戻っているのではなく、人格交代の結果だったのですが、何故自分がそのような状態になっているのか、要圭本人は全く理解していませんでした。

 彼が本格的に記憶を取り戻すのは原作10巻65話、西東京大会準決勝の帝徳戦。

 プレー中に何度もフラッシュバックする過去の記憶。

 そして清峰葉流火の想いのこもったストレートを受けた瞬間、彼はとうとう自分の過去に直面します。


「忘却バッテリー」要圭、記憶喪失の理由(過去)

天才、清峰葉流火に並び立とうとストレスを抱え込む

 元々、要圭は凡庸で自堕落な少年でした。

 ですが幼い頃、清峰葉流火と共に野球を始め、その圧倒的な才能に触れたことで、彼を一流のプロ野球選手にしなければと決意。

 その為に野球以外の全てを切り捨て、野球に全てを捧げた結果、彼は無意識に「智将」としての人格を生み出すこととなります。

 要は要圭の主人格が、過酷なストレスから自分を守るために作り出した人格が「智将」ということ。

 凡人に過ぎない要圭が天才・清峰葉流火に並び立つために必要な努力は尋常なものでなく、智将の人格は凄まじいストレスを抱え込み、野球を全く楽しめずにいました。

お前ではない、と突きつけられる

 それでも努力が結果に結びついている内は、まだ「智将」は破綻せずに自分を保っていられました。

 「智将」が限界を迎えたのは高校からのスカウトが切っ掛け。

 彼が最も欲した名門中の名門・大阪陽盟館高校からスカウトを受けたことで、当初「智将」は努力が報われたのだと、珍しく笑みをこぼしていました。

 才能はなくとも、清峰葉流火の隣に並べるくらいの選手にはなれたのだ、と。

 しかしその後彼は、実は自分へのスカウトが清峰葉流火のバーターに過ぎなかったのだと言うことを知り、絶望します。

 突きつけられる才能の壁。

 それは自分が持たざる者、敗者の側であったと思い知らされた瞬間でした。

「もし一つだけ何かを忘れられるとしたら、アンタは何を選ぶ?」



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