今回は原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴの豪華タッグがヤングジャンプで連載中の人気作【推しの子】から、敏腕演劇プロデューサー「雷田 澄彰(らいだ すみあき)」について解説します。
雷田澄彰は第五章「2.5次元舞台編」で、アクアたちが出演する「東京ブレイド」の2.5次元舞台を企画したプロデューサー。
漫画原作者・鮫島アビ子が暴走し舞台がグダグダになりかけた所を、どうにか土壇場でくい留めた功労者です。
本記事では雷田澄彰のプロフィールや演劇(舞台)への想い、作中での活躍を中心に解説してまいります。
【推しの子】雷田澄彰のプロフィール
基本プロフィール(年齢など)
雷田澄彰は第五章「2.5次元舞台編」で登場した演劇(舞台)プロデューサーです。
肩書は「イベント運営会社『マジックフロー』代表」ということでしたから、演劇以外にも手広くやっているのかもしれませんね。
外見は左右で染め分けられたツートンカラーの髪とサングラス、指ぬきグローブがトレードマーク。
元気に若々しく振舞っていますが、年齢は35歳でヨリだと目元にシワが浮かぶこともあります。
性格は見た目通り明るく気さくで社交的。
プロデューサーといっても業界内での立場は決して強くなく、むしろ出版社など各所に気を遣い振り回される苦労人でもあります。
声優は鈴村健一さんが担当。
2.5次元舞台「東京ブレイド」を企画した総合責任者
雷田澄彰の初登場はコミックス4巻40話。
アクアや有馬かな、黒川あかね、姫川大輝、鳴嶋メルトらが出演する2.5次元舞台「東京ブレイド」を企画した総合責任者として登場しました。
原作の「東京ブレイド」は作中で5000万部を売り上げた大人気漫画(話数などから見てリアルだと『呪術廻戦』並の売れ行き)。
雷田としても久々の大型版権であり、舞台化にあたって一流の役者が揃った「劇団ララライ」の協力を取り付けるなど、かなり力を入れていました。
そこにアクアたちが出演することになったのは、客層的に必須なイケメン・美人枠。
雷田と親交のある鏑木Pの紹介で出演オファーがありました。
【推しの子】雷田澄彰の演劇(舞台)に対する想い
観客が良い顔で帰るのを見るのが至福の時間
雷田澄彰は演劇・舞台に対し非常に強い情熱を持った人物です。
決して立場は強くなく、出版社などの意向に振り回されいつも思い通りの仕事ができるわけではありませんが、良い作品を作って演劇ファンを増やしたい、観客に喜んでもらいたいという想いは人一倍。
「劇団ララライ」代表の金田一や脚本家のGOAなど、仕事仲間は雷田に対して非常に気安く、彼のことを信頼している様子が見て取れます。
所謂、上と下どころか四方八方から挟まれた中間管理職的な立ち位置で苦労していますが、一番大切にしているのは観客の笑顔。
舞台が終わって観客が良い顔で帰っていくのを見るのが至福の時間であり、落ち込んだ時も観客の顔を見てやる気を取り戻しています。
2.5次元舞台編でも「演劇」ファンを増やしたいと苦心
雷田澄彰は2.5次元舞台だけでなく、広く「演劇」そのもののファンを増やしたいと苦心しています。
「東京ブレイド」でこれまで2.5次元舞台の仕事を受けたことが無かった「劇団ララライ」を口説き落とし、引き込んだのもその一環。
「劇団ララライ」は一流の役者が揃った実力派劇団で、2.5から入ってきた新規を上手く演劇に引き込もうとしていました。
ただ「東京ブレイド」の舞台が成功しただけに終わらせず、次の舞台に繋げたいということですね。
そのため2.5次元のルールや作法を程よく守りつつ、壊しつつの塩梅を狙って舞台を企画しており、作中では役者たちもその期待に見事に応える演技を見せています。
【推しの子】雷田澄彰VS漫画原作者(アビ子)
原作者・鮫島アビ子「自分が脚本書く」
2.5次元舞台編は、漫画原作者・鮫島アビ子の暴走により波乱の幕開けとなりました。
劇の稽古見学に来たアビ子先生は当初満足げに役者たちの演技を観ていたましたが、突如とんでもないことを言い出します。
「脚本……全部直してください」
舞台公開まであと20日。
今更脚本の全修正などとんでもないことです。
雷田をはじめとした関係者は何とかアビ子先生を思いとどまらせようと説得しますが、アビ子先生は「うちの子達はこんな馬鹿じゃない」と譲りません。
挙句、脚本家に対しセンスが無いと言い放ち、自分が脚本を書くと言い出してしまったのです。
実はこの原因は原作者と脚本家の間にあるディスコミュニケーション。
脚本家のGOAはとてもセンスのある脚本家だったのですが、間に何人も人を挟んでやり取りをしていたため原作者の意図が上手く伝わらず、また舞台知識がないアビ子先生も脚本家の演出意図が十分に理解できずにいました。
GOAの脚本が良いものだと信じる雷田はアビ子先生を説得しようとしますが、原作者の「著作者人格権」「同一性保持権」がある以上、原作者の意向を無視することはできません。
自分が脚本を書くと譲らないアビ子先生には逆らえず、渋々GOA(下の絵)を脚本から降ろさざるを得なくなったのです。
〇ンポしゃぶる覚悟で原作者(♀)を説得
出版社側と交渉は続けていたものの、半ばアビ子先生が脚本を書くことは仕方ないとあきらめかけていた雷田。
そんな彼にアビ子先生を説得する潜在一隅のチャンスが訪れます。
アクアとアビ子先生の師・吉祥寺先生のテコ入れでGOA脚本の最新舞台を見に来ていたアビ子先生を見つけた雷田は、彼女を控室に招き腹を割って話し始めました。
自分たちは原作者の意向を無視できない。
そして原作者が書いた脚本は本当にそのまま使われる可能性があるが、いくら天才漫画家であろうといきなり最高の舞台脚本を書くことは出来ない。
原作者が著作者人格権を振りかざすなら、グダグダな舞台になるだろう、と。
脅迫しているのかというアビ子先生に、雷田は怯むことなく、
「僕は100人以上の仕事を」
「守らなきゃいけない……!」
「こっちはジジイの〇ンポの」
「1本や2本しゃぶる覚悟で」
「仕事してるんです!」
GOAの仕事を信じてくれと言った雷田にアビ子先生は渋々譲歩。
リアルタイムで直接原作者と脚本家が話をして脚本を修正していくという結論に落ちつきます。
これをやると原作者と脚本家がトラブルを起こすリスクが高いので普通はしないのですが、今回は今更もう失うものは何もない、という判断ですね。
しかしその結果、アビ子先生とGOAが思いのほか意気投合してトガりまくった脚本が完成。
今度は役者たちにキラーパスが送られることになったのでした。
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