今回は原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴの豪華タッグがヤングジャンプで連載中の人気作【推しの子】から、”重曹ちゃん”こと「有馬かな」について解説します。
有馬かなは主人公の一人・星野アクアに想いを寄せるヒロインの一人。
かつて天才子役ともてはやされながら、成長するにつれて仕事も減り不遇の日々を送っていましたが、星野兄妹との再会を切っ掛けにアイドルの道を選び、再び芸能界で飛躍していきます。
今のところライバル・黒川あかねにヒロインの座を脅かされまくりの有馬。
本記事ではアクアとの関係や、初登場時のインタビューで彼女が発した”あーくん”呼びなどを中心に、そのヒロインとしての魅力を深掘りしてまいります。
【推しの子】有馬かなのプロフィール
基本プロフィール(「重曹ちゃん」の由来)
有馬かなはかつて「10秒で泣ける天才子役」として一世を風靡した少女。
年齢は主人公の星野アクア・ルビーの1歳年上で、子役時代にアクアと映画で共演し、アクアの演技に強い衝撃を受けることになります。
実際に有馬は天才と呼ぶにふさわしい実力の持ち主でしたが、子役としての旬を過ぎると仕事が激減し、高校生となった現在では世間からすっかりオワコン扱い。
演技や芸能界への情熱が失われたわけではありませんが、自信を失って自虐的な言動が目立つようになっています。
性格は負けず嫌いで口が悪く、捻くれていて面倒くさいタイプですが、同時に努力家で仕事に対しては真摯。
アクアが絡まなければ比較的常識人です。
ちなみにファンからは「重曹ちゃん」の愛称で呼ばれていますが、これはルビーが「10秒で泣ける天才子役」を「重曹を舐める天才子役」と何度も言い間違えたことに由来。
口では怒っていますが、既に有馬自身も自虐ネタの一つとして活用している模様です。
アニメでの声優は藩めぐみさん。
周囲に押し切られアイドルユニット・新生「B小町」のセンターに
高校生となった現在では役者としての仕事もほとんどなく、フリーランスで細々活動していた有馬かな。
しかし燻ってはいましたが、ルックスが抜群によく、歌手として活動していた経験もある(代表作は「ピーマン体操」)彼女に目をつけた人間がいました。
それが星野アクア。
アクアは妹のルビーが結成するアイドルユニット、新生「B小町」のメンバーに有馬をスカウトします。
当初は役者枠の仕事を失うリスクがあるその誘いを断ろうとした有馬でしたが、彼女の性格を見抜いたアクアのゴリ押しによってそのまま押し切られ、苺プロ所属のアイドルに転身。
更に新生「B小町」の他のメンバー(ルビー・MEMちょ)の歌唱力があまりに残念なことが発覚し、有馬本人は乗り気ではなかったものの、そのままグループのセンターを務めることになってしまったのです。
【推しの子】有馬かなと黒川あかね
有馬かなはアイドルとなって以降も変わらず役者として活動を続けています。
そんな彼女の役者としてのライバルは有名劇団のエースで天才女優と呼ばれる黒川あかね。
黒川あかねは元々有馬の大ファンで、有馬に憧れて演劇を始めたのですが、子役時代のイザコザややりたい役を根こそぎ有馬に奪われた経験から今では有馬をゴリゴリにライバル視。
一方の有馬も黒川のことを「本物の天才」として意識しています。
黒川は恋愛リアリティショーに出演したことが切っ掛けで、アクアと仕事上の彼氏彼女の関係となっており、アクアを巡ってもライバル関係にあたります。
二人の演技に対するスタイルは対照的で、有馬は周りの演技を綺麗に受ける「適応型」、対する黒川は役に入り込む「没入型」。
元々子役時代の有馬は今とは正反対の周囲全てを呑み込んでしまう太陽のような輝きを放つ役者でした。
しかし周囲の大人たちのニーズに合わせて徐々にスタイルを変更。
今の有馬は作品を良くするために敢えて自分の演技レベルを落とすことさえあります。
良い作品作りという意味で、それは決して間違いではないのですが、かつての有馬のファンだった黒川(今でも根っこはゴリゴリの厄介オタ)は、今の有馬を認めていません。
黒川は2.5次元舞台での有馬との共演を機に、有馬にかつての輝きを取り戻して欲しいと演技で勝負をしかけるのですが……
【推しの子】有馬かなと星野アクア
有馬かなは星野アクアに恋するヒロイン
二人の出会いは彼らが3~4歳の時、映画での共演が切っ掛けでした。
当時人気絶頂で自信に満ち溢れていた有馬でしたが、アクアの演技に衝撃を受け、彼のことを強烈に意識するようになります。
しかしその後10年以上二人の間に接点は無く、再会したのはアクアとルビーが芸能科のある陽東高校(アクアは一般科)を受験した際のこと。
アクアのことがずっと脳裏にあった有馬は、再会するなりアクアと距離をぐいぐい詰め、ちょうど自分が(久しぶりに)主演するドラマ(「今日は甘口で」)に脇役として出演しないか持ち掛けます。
実は有馬はドラマ共演者の大根ぶりに悩んでおり、藁にも縋る気持ちでアクアを誘ったのですが、アクアの好演がドラマを救い、有馬はアクアに恋に落ちることになります。
黒川あかねが原因でギクシャク、でもアクアも有馬を意識していて……?
恋愛リアリティショーが切っ掛けでアクアが黒川あかねと仕事上の恋人関係となり、アクアとギクシャクする有馬かな。
そんな中、有馬たち新生「B小町」にファーストステージの話が持ち上がります。
歌やダンスの練習を積む中、それを献身的にサポートしてくれる元ダンサーの覆面筋トレ系ユーチューバー「ぴえヨン」に惹かれていく有馬。
しかし実はその「ぴえヨン」が、ギクシャクする関係に苦慮したアクアの変装であったことが判明し、有馬は混乱してしまいます。
そんな状態のままステージに臨んだ有馬でしたが、客席にスカした顔でオタ芸を繰り広げるアクアの姿を見つけ、自分の気持ちを改めて自覚。
「私がアイドルやってる間に」
「必ずアンタのサイリウムを」
「真っ白に染め上げてやる」
「私の事大好きにさせてみせる」
「あんたの推しの子になってやる」
しかしその後、アイドルとして成長していく有馬を見て、アイドルにスキャンダルはご法度と有馬から距離を置くアクア。
黒川と正式に付き合い始めたものの、アクアの決断の裏には有馬への強烈な想いがあるようで……
【推しの子】有馬かなのスキャンダル→引退?
「中堅編」ではルビーの活躍により大躍進を遂げた「B小町」。
しかし、それはあくまでルビーの成果であって、アイドルとしての有馬はルビーの影に隠れてしまっていました。
加えて、当初の有馬のモチベーションであったアクアは黒川あかねと付き合いだし、有馬はアクアに突き放されて精神的にボロボロ。
有馬はアイドルを続けることに意義を見出せなくなってしまいます。
そんな中、彼女は新進気鋭の映画監督・島政則と知り合い、役者の仕事を獲得しようと彼に近づきますが、監督は下心満載で……
結局行為には至りませんでしたが、その様子を雑誌記者に撮られてしまい、第100話からアイドルとして致命的な「スキャンダル編」が始まってしまいました。
雑誌社からスキャンダル記事掲載の事前連絡を受け、社長の斉藤ミヤコらと対策を練りますが、記事差し止めはほぼ不可能。
有馬へのバッシングは避けられない状況……かと思われましたが、アクアはその記者により大きなスクープを提供し、記事の差し替えをさせることに成功します。
しかしそのスクープとは、アクアとルビーがアイの隠し子であるというアクアたちにとって痛みを避けられないもので……
隠し子の事実を公表したことで有馬は守られたものの、ルビーとの関係に亀裂が入ったアクア。
しかし一方、ギクシャクしていた有馬との関係は修復されることに。
そのまま有馬とアクアの恋愛モードになるのかと思いきや、有馬はアクアが黒川あかねと別れたことを知らなかったため盛大に墓穴を掘り、アクアに「友達」宣言をかましてしまいました。
この二人中々は進展しませんね……
なお、この一件を期に有馬は近々アイドルを辞めて女優に専念することを決意。117話では正式にそれを発表してファンを涙させていました。
【推しの子】有馬かなのインタビュー伏線(あーくん)
【推しの子】では物語の序盤で、登場人物の一部が映画出演にともないインタビューを受ける様子が描かれています(未来の出来事)。
その中で有馬かなは第5弾「女優」編に登場(コミックス1巻6話)。
インタビュアーからは天才役者と称されており、役者としてかなりの成功を収めていることがうかがえます。
ここで気になるのは彼女の次の発言。
「天才だってナイフで刺されればお陀仏です」
この発言は明らかに天才アイドル「アイ」を意識したもの。
「アイ」がファンに刺されて死んだことは世間一般に知られていますから、別に面識のある有馬がこうした発言をすること自体は不思議ではありません。
しかし彼女は直後、不謹慎だったと発言を撤回し、
「あーくんにおこられる……」
と、呟いています。
赤坂先生が明言していましたが、この「あーくん」は「アクア」のこと。
つまり、この時の有馬は「アイ」と「アクア」に関係があることを知っているフシがあるだけでなく、アクアのことを「あーくん」と呼ぶような関係になっているのです。
今のところアクアの裏の事情(母親の復讐)には関わってきていない有馬ですが、どうやら今後は……
【2023年1月19日追記】
105話でアクアが自分たちがアイの隠し子であることを雑誌社に暴露。
インタビュー時点では既にアイとアクアたちの関係は公になっていたことが判明しました。
【2023年2月9日追記】
108話で有馬が「あーくん」呼びを始めた経緯が判明。
単にアクアが有名になったので外では周囲に気づかれないよう、そう呼ぶようになっただけのようです。
……付き合ってねーのかよ。
【推しの子】有馬かなと映画「15年の嘘」
内容はアイの死の真相を語る実録映画で、有馬かなも旧B小町メンバーの一人「ニノ」役で出演することが決まっています。
なんか、物語的に有馬かなを使うには地味な役どころに思えますが、実は元となったご本人はアイに強烈な愛憎を抱いて情緒がぶっ壊れていた方。
影でこっそり黒幕ともつながっています。
また有馬かなは役作りに苦しむルビーのために、今まで胸に秘めていたルビーへの嫉妬、憎しみを彼女にぶつけました。
誰にとっても苦渋の選択でしたが、その嫉妬や憎悪が本物だったからこそ、ルビーはアイの孤独と悲しみ、弱さを理解することができました。
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