今回は「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の大人気サッカー漫画「アオアシ」から、ミスターエスペリオンこと「司馬 明孝(しば あきたか)」について解説します。
司馬明孝は東京シティエスペリオントップチームに所属するベテラン選手。
アシトがトップチームの練習に参加した際に登場し、アシトに新たな境地を垣間見せてくれたキャラクターです。
ファンの間では独特過ぎるジョジョ系の髪型で話題になっていましたね。
本記事ではそんな司馬のプロフィールやモデルとなった選手、引退宣言や名言を中心に解説してまいります。
「アオアシ」司馬明孝のプロフィール
基本プロフィール(年齢、誕生日・身長・体重など)
年齢 | 40歳 |
誕生日 | 不明 |
身長 | 不明 |
体重 | 不明 |
血液型 | 不明 |
司馬明孝は「東京シティ・エスペリオンFC」トップチームに所属する大ベテラン。
A代表2回、J1で458試合出場、72得点という華々しい経歴を持つ名選手です。
海外に行けるほどの実力を持ちながら、20年間エスペリオン一筋。
日本の選手に興味のないアシトでさえその名を知っており、監督のガルージャからも「ミスターエスペリオン」と呼ばれ頼りにされていました。
見た目こそジョジョに登場するような日本人離れした独特の髪型をしていますが、純日本人で性格は非常に真面目。
作中ではアシトと遊馬がトップチームの練習に参加した際に登場し、その卓越したプレーでアシトに新たな境地を垣間見せることになります。
ポジションはDF? MF? 俯瞰を超えた視野を持つ司令塔
司馬明孝は卓越した視野とパスセンスを持つ司令塔です。
作中ではポジションについて明言されていませんでしたが、恐らくはMF、ボランチ。
ミニゲームではDF役をしていましたが、紅白戦では栗林との新旧司令塔対決が強調されていましたし、モデルとなった選手(後述)を考えると本来のポジションはMFと考えられます。
アシトはDFで司令塔ですが、あれはちょっと例外的ですしね。
司馬の武器は膨大な情報量と経験から繰り出されるキラーパス。
これはただ経験を積んでできることではなく、蓄積した情報を瞬時にアウトプットする脳の瞬発力に優れた司馬の才能あっての技術です。
司馬のレベルになると、ほとんど見ることなく脳内でフィールド上の選手の動きをシミュレートすることが可能。
アシトの俯瞰の視野の進化系とも言える能力を有しています。
一方で技術は高いものの身体能力は平均以下。
視野以外に特筆した才能を持たないアシトにとっては最高のお手本と言える選手です。
「アオアシ」司馬明孝のモデルは中村憲剛
司馬明孝のモデルは元Jリーガーの中村憲剛選手であることが、小林先生と中村選手の対談で明かされています。
中村選手は日本代表経験もあるMFで、現役時代は川崎フロンターレ一一筋。
引退後もクラブのリレーションズオーガナイザーとして活動されています。
作中でも司馬、遠藤保仁と並んで全盛期に海外に行けたのに行かなかった一流たちと紹介されていましたが、実際にモデルだったんですね。
小林先生と中村選手は2020年に中村選手が引退した際、小林先生がイラストを描いたことが縁で交流があったそうです。
中村選手が司馬のモデルとなったのも、小林先生からレジェンド選手のモデルにしたいとの申し出があり、中村選手が快諾したという流れだそうです。
「アオアシ」司馬明孝がチームに与えた影響
司馬明孝の最大の功績はエスペリオン、そして日本のサッカーレベルを引き上げ、育てたこと。
現役時代の福田監督や望コーチ、現在トップチームで活躍する選手たちはみな、エスペリオンで司馬のプレーの洗礼を浴び、そのサッカーに対する姿勢を目の当たりにしたことで大きく成長しています。
エスペリオンの至宝と呼ばれる栗林も司馬のアドバイスがなければ、テクニックを疎かにしてフィジカルにはしっていたかもしれないと、司馬に深く感謝していました。
また海外クラスのサッカーをJリーグで披露し続けたことで、選手だけでなく観客の眼すら海外レベルに引き上げてくれたのだそうです。
司馬が海外移籍をしなかったのは、もちろんクラブのため、日本サッカーのためだったのでしょうが、ただそれだけの理由でもなかったようです。
スペインに行った福田監督が23歳の時怪我をしなければ……
8年前にも海外移籍のオファーがありましたが、司馬はそれを断り、エスペリオンに骨を埋めることを決断。
全盛期の時、海外でプレーできなかったことは司馬の唯一の心残りとなっています。
「アオアシ」司馬明孝の引退と奥さん
20年間エスペリオンで活躍してきた司馬ですが、寄る年波には逆らえません。
しかも昨年の怪我の影響もあり、ここ1年間試合出場がない状態。
初登場時は怪我明けから復帰したものの、モチベーションも低下し現役引退を考えていました。
司馬は20年間Jリーグで出来ることをやり尽くし、もはやここに何も心残りもありません。
新たな驚きや感動もなく、一種の燃え尽き症候群に陥っていました。
ガルージャ監督たち周囲から引き止められてはいたものの、司馬の気持ちは徐々に引退の方向で固まっていきます。
そしてそんな司馬の決断を見守っていたのが奥さんの香澄さん。
奥さんは司馬家をチーム司馬と例え、8年前に司馬が海外移籍のオファーを断った時から司馬の引退を覚悟し、その心づもりを固めてきました。
だから司馬の引退を寂しく思いつつも、その決断を尊重するつもりでした。
しかし最後の練習になると出かけて行ったその日の夕方、司馬は思いがけない決断を奥さんに伝えます。
「どうしても育てたい奴ができた」
だからあと一年だけ現役を続行する。
アシトと出会った司馬の胸には、再び情熱の火がともっていました。
そして奥さんは、
「それで、良いよ……」
号泣しながら、嬉しそうにその決断を受け入れていました。
「アオアシ」司馬明孝の名言
それでは最後に司馬明孝の名言、印象的なシーンを紹介してシメとさせていただきます。
かつて中学生ながらトップチームに参加した栗林に、司馬は何やってんのと声をかけます。
司馬はボールを止めて、蹴って、パスを、と答えますが、
「いや」
「止まってないよ、ボール」
と司馬は一刀両断。
栗林はきれいに止めることはできているが、そこで止まっている。
司馬は次にどこへ蹴るか考えて止めろとより高いレベルの要求をします。
「頭を作り替えろ」
かつての福田監督にもアシトにも告げた言葉。
これは司馬の発破であり期待の表れなのかもしれません。
現役最後の練習のつもりで臨んだ紅白戦。
そこでかつての福田や栗林のように、自分の想像を超え、至福の瞬間をを見せてくれたアシト。
試合終了後、司馬はアシトにこう声をかけます。
「大したもんだ」
「俺が全盛期の時に」
「鍛えてやりたかった」
「そうすればもっと……」
それを聞いたアシトは不思議そうに
「何言ってんスか?」
「司馬さん」
「今が全盛期じゃないっスか!」
おべっかにしてもベタすぎだと困惑する司馬。
しかしアシトは、司馬がピッチに立つほど無限に上手くなっていく人間、自分もあなたのようになりたいと言い募ります。
アシトの言葉に、今まで自分が教えていたと思っていた選手たちに自分もまた教えられていたことに気づいた司馬は、後1年だけ現役続行を宣言。
あと1年、ピッチでの俺を見ろとアシトに告げます。
そして練習終了後、奥さんにそのことを伝え、車の中で一息。
司馬は笑いながらひとりごちました。
「40歳……」
「今の俺が、全盛期だって?」
「よく言ったもんだ」
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