「ダンまち」エレボス~絶対悪を謳った邪神、その目的と役割、人間関係など~

 今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、絶対悪を謳った邪神「エレボス」について解説します。

 エレボスは「アストレア・レコード」にて闇派閥の首魁として暗躍した邪神。

 かつての英雄であるザルドとアルフィアを仲間に引き入れ、暗黒期のオラリオに多大な被害をもたらしました。

 自身を悪と定義しながら誰より正義を愛していた邪神。

 本記事ではそんなエレボスのプロフィールや元ネタ、作中での活躍や目的を中心に解説してまいります。

「ダンまち」エレボスのプロフィール

基本プロフィール(声優など)

 エレボスは本編開始7年前、暗黒期のオラリオで闇派閥(イヴィルス)の首魁として暗躍していた邪神です。

 外見は前髪の一部に灰色のメッシュが入った黒髪の美青年。

 非常に面の皮が厚く、周囲に本心を悟らせないタイプで、大抗争勃発前には「エレン」という偽名で情けない神を演じていました。

 原初の幽冥を司る地下世界の邪神であり、自称「絶対悪」。

 正義問答が大好きで、作中では子供たち(=下界の人間)に「正義とは?」と問いかけて、ちょっかいをかけています。

 ちなみに好みは未熟で理想に燃えるタイプ。

 声優は主人公のベル・クラネルと同じ松岡禎丞さんが担当しています。

元ネタとなった神様(神話)

 エレボスはギリシャ神話において「原初の幽冥」を神格化した神。

 その名前は「地下世界」を意味する暗黒の神です。

 ギリシャ神話の原初の神である「カオス」の子供であり、系譜で言えばゼウスウラノスより古い神様ですね。

 ゼウスとティタン神族との戦いの際にティタン神族に味方したため、タルタロスに落とされたというエピソードがあります。

 あまり神話でも語られることの少ない神様で、ダンまち世界では冥界を行き来するというエピソードを持つヘルメスがエレボスの神友という設定になっています。


「ダンまち」エレボスとアストレア・レコード

ザルドとアルフィアを率いて大抗争を引き起こす

 エレボスは前述した通り、オラリオの暗黒期において闇派閥(イヴィルス)の首魁としてオラリオに多大な被害をもたらした邪神です。

 エレボスの直接の眷属はたった一人しかいませんが(後述)、7年前には元ゼウス・ファミリアのザルド、元ヘラ・ファミリアのアルフィアというLV7の英雄を仲間に引き入れ、オラリオを襲撃。

 大抗争「死の七日間」はオラリオ史において最も多くの死者を出した災厄であり、エレボスたちは事前に居場所を把握していた神を殺して強制送還、恩恵を封印された冒険者たちを蹂躙しました。

 また、それと前後してエレボスは正義のファミリアである「アストレア・ファミリア」に目を付け、彼女らに正義問答を仕掛けて追い詰めていきます。

 割り切った考えの持ち主であるゴジョウノ・輝夜ライラはエレボスの好みではなかったようですが、未熟なリューのことは気に入り、リアルトロッコ問題を突き付けて試練を与えていました、

敗北後はアストレアの手により天界に送還される

 最終的にロキフレイヤの両ファミリアを中心とした冒険者たちの活躍によりザルド、アルフィアは倒され、敗北したエレボス。

 言い残すことはあるかと聞いてきたガレスに対し、自分を送還するのはアストレア、場所は高くて澄んだ空に囲まれ無粋な観衆がいない場所、部下は見逃せと要求を突きつける面の皮の厚さを見せつけます。

 その要求は受け入れられ、最終的にバベルの頂上で、神友ヘルメスに見守られながらアストレアの手で天界に強制送還されることとなったエレボス。

 彼は最後にアストレアとヘルメスにだけ大抗争を引き起こした神意を明かし、満足げに天界に送還されていきました。


「ダンまち」エレボスの目的

 エレボスの目的はオラリオの破壊ではなく、悪として人々に倒され、次代の英雄のための踏み台となることでした。

 「未熟な正義」の試練として立ちふさがり、「悪」として倒され、「理想」をつかみ取れる「真の正義」を生み出すこと。

 大抗争はそのために引き起こされたものであり、ザルドとアルフィアもその想いに共感してエレボスに協力しました。

 また、エレボスたちによって送還された神の中には闇派閥の邪神も含まれていたことが判明しており、オラリオに試練を与えると同時に闇派閥の弱体化も図っていたようです。

 善良な冒険者や民間人にも甚大な被害をもたらしたこの行為は決して肯定されるべきものではありませんが、エレボスたちの試練によりオラリオの冒険者たちが次の位階に進んだことは間違いありません。

「ダンまち」エレボスとヴィトー

 エレボス・ファミリアの眷属はヴィトーただ一人。

 ヴィトーはLV4で「顔無し」の二つ名を持つ、見た目には特徴のない男です。

 彼は生まれつき世界が「灰色」にしか見えず、人の声は雑音、口に入れたものは異物、香りは概念さえ知らないという欠陥を持って生まれました。

 彼が唯一美しいと感じることができるのは他者の血だけ。

 殺戮の中でしか人間になれないヴィトーはそんな自分を生んだ世界を憎み、世界を破壊しようと考えるわけですが、実際には彼の心は完全に破綻済み。

 世界への憎悪を理由に、内心では非道にとりつかれ快楽を貪る獣となっていました。

 周囲からもそのことを見抜かれ、評価は散々なヴィトーでしたが、エレボスだけはそんな彼の全てを理解した上で愛情を注いでいました。

 しかしエレボスはヴィトーを置いて天界に送還されてしまい、ヴィトーはますます神々への悪意を募らせることに。

 遺されたヴィトーはエレボスから親離れができないまま、希望を見つけることができずにいましたが……

【まとめ】「ダンまち」キャラクター一覧



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