今回は「呪術廻戦」から、エセハードボイルドな日和見男「日下部 篤也(くさかべ あつや)」について解説したいと思います。
日下部は主人公たちが所属する呪術高専東京校の2年生組の担任で、外見こそ渋い大人の男性ですが、その中身は典型的な面倒くさがりなダメなオッサン。
その正直すぎる内面で読者の笑いと共感を得てきた日下部の魅力と強さ、実はやるときはやるところまで、詳しく語っていきたいと思います。
「呪術廻戦」日下部篤也のプロフィール
基本プロフィール(モデルはあの人、年齢は?)
誕生日 | 不明 |
所属 | 東京都立呪術高等専門学校2年担任 |
趣味・特技 | 釣り |
ストレス | 任務全般 |
声優 | 不明 |
日下部は東京都立呪術高等専門学校で真希たち2年生組の担任をしており、初登場は渋谷事変。
コートと日本刀がトレードマークの渋い中年男性で、(見た目だけは)いかにも出来そうな歴戦の強者です。
作中では禁煙中なのか、棒付きキャンディを舐めており、それが余計に苦みばしった男の渋さを醸し出しています。
しかしその中身は、とんでもない面倒くさがりでいい加減なダメ中年。
渋谷事変では仲間たちがピンチに陥っている中、
「このままダラダラと」
「時間を潰していたい」
「何故なら死にたくないから‼」
と、あまりにも正直すぎる思いを抱き、何とか安全な場所で楽ができないかと思考を巡らせていました。
もともと教職をしているのも、呪術師(=命のリスク有り)より、そっちの方が楽だろうという考えからなので、全く情熱らしきものはありません。
高専内では五条悟が前面に出しゃばってきているので、日下部が教師をしている描写は全くありませんでしたしね(そして、きっと日下部はそれを歓迎している)。
キャラクターモデルはファンブックでは某俳優さんとなっていましたが、多分、TVドラマ「ケイゾク」の時の渡部篤郎さんでしょう。
年齢は不明ですが、妹に子供がいたこと(詳細は後述)を考えると、30代半ばはいってそうですね(ケイゾクの時の渡部さんと同い年なら31歳で歌姫と同い年ですけど、それだと若すぎるよなぁ)。
術式無しでも強い! シン・陰流を使う1級術師
さて、そんなダメ人間な日下部ですが、何とその術師としての等級は1級術師。
特級のような例外を除けば、事実上の最高等級。実際に呪術界をけん引していく一流の呪術師なのです。
ただし、日下部は呪術師の家系ではなく、術式も持っていません。
日下部が使うのは京都校の三輪と同じシン・陰流。
しかしその実力は三輪とは比較にならないほど優れています。
シン・陰流
結界術と居合いを融合させた技術、簡易領域を扱う流派。
その技術を門外に伝えることは「縛り」で禁じられているが、見て盗むことは禁じられていないため、その使い手は結構多い。
抜刀
刀身を呪力で覆い鞘の中で加速させる、正面の敵に特化したシン・陰流最速の技。
夕月
膝立ちの状態から繰り出す抜刀術。
朧月
呪力で刀身を生み出す技。
通常、シン・陰の居合はカウンター技ですが、日下部は簡易領域を広げて自ら相手を引き込むことが可能。
そしてその簡易領域には侵入した者を全自動で迎撃するプログラムを組み込み、反射で敵を攻撃するという切り札を持っています。
冥冥からも、術式を持たない術師としては最上級との評価を頂いていますし、本当に、実力(だけ)は確かなんです。
というか、御三家を除けば一級術師では最強と周囲から高く評価されていて……?
憂憂の術式で呪力操作や領域を指導
222話では日下部が虎杖に体術や領域の訓練をつける様子が描かれています。
ただ、二人の会話を見ると互いのセリフが入れ替わっているようで、読者から「実は日下部は肉体を入れ替える術式持ちだったのでは?」と推察されていました。
後に判明しますが、実際に肉体を入れ替える術式を持っていたのは憂憂で、日下部はそれを利用して自身の優れた呪力操作と領域対策(簡易領域)を伝授していた形です。
「呪術廻戦」日下部篤也の作中での活躍
渋谷事変でパンダとコンビ、のらりくらり
前述した通り、日下部の初登場は渋谷事変です。
渋谷事変で日下部はパンダとコンビを組み、一般人の保護を行っていました。
一般人の保護が粗方終わると、パンダは五条を助けに向かいたいと言いますが、日下部はそんな特級クラスの化け物がうようよしている現場になんて行きたくありません。
「世の中の人間は五条だけじゃないでしょーが!」
「今まさにこの瞬間、渋谷の片隅で震えている命があるかも分からん」
「具体的には小学校低学年女児で想像してくれ」
「それを見落としでもしてみろ」
「儚い未来を摘み取るのに、俺たちが加担したと言っても過言ではないっちゅー話よ!」
などとパンダを言いくるめ、安全な場所で過ごそうと必死。
その後、都合よく元夏油一般の弱めの呪詛師と遭遇した時は、適当にその相手をして時間を潰そうと企んでいました。
まあ、そうしようとした直後に、宿儺に遭遇して死にかけるわけですけど。
生徒の窮地、三輪を極ノ番・うずまきから守り切る
そんなダメ人間な日下部ですが、やるときはやります。
いやだいやだと言いながら、渋谷事変のクライマックスでは、極ノ番・うずまきから京都校の三輪を守り切り、羂索(=偽夏油)と裏梅という最上位の呪詛師たちとの対決に臨みました。
まあ、内心は物凄く嫌そうだったので、他の京都校のメンバーに見つかって渋々ついてきただけかもしれませんが。
この後、日下部は善戦しますが裏梅によってあっさり氷漬けにされてしまい(相手が悪すぎますよね)、九十九の介入によって何とか生き延びることに成功します。
「呪術廻戦」日下部篤也の活躍(渋谷事変後)
日下部は虎杖の処刑に賛成
そもそも日下部は主人公たちの味方というわけではありません。
渋谷事変で日下部は、虎杖の肉体を乗っ取った宿儺を目の当たりにしており、
「今後虎杖にどんな処分が下ろうと」
「俺が虎杖側につくことはない」
「俺は虎杖悠仁の死刑に賛成だ」
と発言しています。
これは極めて正しく、常識的な考え方です。
虎杖を生かしておくことで、何の罪のないたくさんの人々が死ぬ可能性があるわけですから(実際、渋谷事変ではその通りのことが起きていますしね)。
ただ日下部はこう見えて案外人情派であり……
囚われていたパンダの救出、恩師である夜蛾の死
しかし日下部は、渋谷事変後、夜蛾を誘い出すために囚われていたパンダを救出しています。
日下部の妹はかつて息子であるタケルを亡くし、心を病んでいました。
そんな妹の心を救うため、夜蛾はタケルの魂を入れた人形(=完全自立型呪骸)を製作。日下部の妹が立ち直るきっかけを作ってくれたのです。
いい加減な日下部ですが、夜蛾に対してだけは多大な恩義を感じていました。
しかしその甲斐むなしく夜蛾は呪術界上層部の企みにより処刑されてしまいます。
日下部は夜蛾の遺志を継いで虎杖たちに協力することになりました。
宿儺との決戦では陣頭指揮兼解説役
宿儺との決戦では、五条が戦いに出た後の陣頭指揮を執りつつ、解説役を担っています。
クセの強い面々を上手くまとめて作戦を組み立てつつ、指揮や読者向けの戦況解説とある意味で獅子奮迅の活躍中。
ただそんな日下部もついに宿儺と正面切って戦わなければならなくなり、一級術師最強と噂される技量を披露しますが……
新宿決戦後も生存、シン・陰流の当主に
宿儺との決戦後も無事生き残ることに成功した日下部。
彼は戦後高専のまとめ役として残留し、シン・陰流の当主に就任しています。
シン・陰流は当主が門弟から寿命を徴収するなど問題がある流派だったため、その当主を日下部に挿げ替え、クリーンな組織に生まれ変わっています。
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